青山メインランド


総合デベロッパーが4期連続で過去最高の資産運用型マンション販売数を達成できたワケとは?
業務効率の飛躍的向上で年間休日数20日増、毎週火曜が女性社員18時退社の「レディースデー」に!

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商品特性と営業力を武器に
安定的な成長を続ける

景気の影響を受けやすい不動産ビジネス。1990年代初頭のバブル景気の崩壊や2008年9月のリーマン・ショックなど、大きな経済変動があるたびに、不動産企業の多くが、規模の大小を問わず大きな打撃を受けてきた。そうした業界において、総合デベロッパーとして都内を中心に活動する株式会社青山メインランド(東京都千代田区)は、比較的安定して売上高や物件供給数を伸ばし続けてきた稀有な例だ。同社は、年間約800戸という業界トップクラスの供給数を誇る資産運用型マンションの販売を事業の中心に据えている。

同社常務取締役の福田俊孝氏が、88年の会社設立以降、同社がコンスタントに業績を上げることができたひとつの要因として挙げるのが、強力な営業部門の存在だ。

「一般的なファミリーマンションと異なり、資産運用型マンションの場合、商品の特性上、見込みのお客様に対して営業社員はそのお客様の状況を正確に理解し、適切なライフサポートを行わなければなりません。そのためには、お客様とのコミュニケーションを重視する、どちらかといえばアナログな販売手法を取る必要がありますし、それこそが弊社の強みのひとつであると考えています」(福田氏)

アナログとデジタルの融合を企図し
Salesforce導入を決意

しかし、その強みは、ある面においては同時に同社の弱みでもあった、と福田氏は続ける。

「この業界全体にいえることですが、アナログな文化の強い弊社では、お客様の情報の管理もアナログになりがちで、非効率的な部分が多々ありました。社員の努力によって得たお客様の情報は、会社の財産であるはずなのに、せいぜい手書きのノートやExcelにまとめる程度で、きちんと管理されていなかったんです。そういう状態では、社員が部署を替わったり辞めたりしたとき、次の世代にその貴重な情報を引き継ぐことができず、またゼロからやり直しになってしまう。どうにかして弊社の強みであるアナログな部分とデジタルとをうまく融合させ、新たな販売・管理のスタイルを生み出せないものか、とずっと考えていました」(福田氏)

“アナログとデジタルの融合”という課題を掲げて07年に新部署・テレアポセンターを立ち上げた福田氏は、その過程でSalesforceの導入を決意する。

「ある同業の先輩の会社を訪問した際、Salesforceを有効に活用しているというお話をうかがったのがきっかけでした。他のベンダーの製品もいくつか検討しましたが、どれもある程度型にはまった使い方しかできそうになく、導入後にやりたいことが出てきても対応できないと感じました。その点Salesforceは、弊社の用途に合わせて自在にカスタマイズできて、活用の幅が無限に広がる。そうした汎用性の高さが選定の最大のポイントになりましたね」(福田氏)

07年9月、テレアポセンターにおいて試験的に5アカウントからSalesforceの利用を開始した同社。見込から契約までの案件管理をSalesforceで行うようにしたところ、ほどなくして目覚ましい成果が現れた。

「当時のテレアポセンターでは1カ月あたり約5万本の電話をかけますので、例えば、そのもととなるお客様の名簿の精度を高めることによって、テレアポの成功率が例えば5%から6%に1%確率が上がるだけでも、最終的な契約率は大幅に向上します。現在の営業本部に置き換えると1ヶ月あたりの電話本数は約15万本になるため、なおさらです。

Salesforceの導入によって、以前のアナログな手法では管理できず、次世代につなげられなかったお客様の情報や営業社員の活動をしっかりと積み上げられるようになり、情報の濃度が格段に高まりました。その結果、導入から2年半が経過したとき、新部署であるテレアポセンターの営業成績は、私がもともと所属していた営業本部とほぼ同じレベルにまで伸びていました」(福田氏)

その驚異的な成果を受けて同社は、営業本部の全営業社員へのSalesforceアカウントの付与を決定。さらには内勤も含めたSalesforceの全社展開に踏み切ることになる。

Chatterへの投稿に180名中100名が「いいね!」
顧客情報と営業ノウハウを全社で共有

営業本部全体でSalesforceの利用を開始するにあたって、同社では、新たに同本部長に就任した福田氏がトップダウンで積極的な利用を呼びかけるとともに、営業推進課が中心となってSalesforceの社内への浸透を推し進めた。同課課長代理の岩崎聡史氏は、その取り組みの内容についてこう語る。

「やはり当初はなかなかデータを入力してもらえませんでしたが、営業本部各課にそれぞれ担当者をひとりずつ設けて、社内SNS Chatterのグループを作り、Salesforceに関する質問に私が随時回答したり、全担当者に集まってもらって使い方を教えたりして、定着化に努めました。それに、Salesforceがテレアポセンターで大きな成果を上げたことは周知の事実でしたし、データ入力の重要性を説くトップ(福田氏)の強い働きかけもありましたので、予想よりスムーズに浸透させることができました。Chatterに関しても、営業本部の雰囲気と相性がよかったのか、最初からわりと活発に利用してもらえましたね」(岩崎氏)

Chatterには、初めて契約を取った社員のコメントや、誕生日を迎えた社員への祝福コメントなどが次々に投稿され、営業の現場は大いに盛り上がった。

「私は会社の経営方針を伝達する際にもChatterを利用しているのですが、全社員180名で、100以上の『いいね!』がつくことも珍しくありません。本当は180名全員に『いいね!』を押してもらいたいんですけどね(笑)」(福田氏)

また、Chatterの利用の拡大とともに、情報の伝達スピードや確度が劇的に向上した、と福田氏はいう。

「組織運営上、社員にはさまざまな情報を伝える必要がありますが、それまでの口頭あるいはメールという方法では、伝達の過程で情報の劣化が避けられませんでした。そこで、スピード重視の情報はChatterで、重要度の高い情報は口頭やメールを含めた複数の手段で、というように、状況に合わせてさまざまな伝達手段を使い分けるようにしたところ、状況は劇的に改善されました。営業本部で利用が進んだのを見計らって内勤の部署にも導入し、そちらでも有効に活用してもらえるようになりましたね」(福田氏)

SalesforceやChatterを使って共有できるようになったのは、導入当初の懸案だった案件情報だけではない。優秀な社員の営業手法など、属人化していたノウハウを会社の財産として蓄積できるようになったのだ。

「それまでの弊社の組織は部署ごとの縦割りでしたが、SalesforceやChatterで情報が共有され、また部署間のコミュニケーションが活性化されたことによって、個人や部署の専売特許だったノウハウを全社で共有できるようになりました。これは企業経営において極めて重要な変化だと考えています」(福田氏)

「部署横断的な新たな取り組みとして、同期入社の社員同士でプロジェクトを立ち上げたり、成績を競い合わせたりすることが可能になりました。以前は、同期の社員の成績を比べようと思っても、Excelによる手作業の管理ではなかなかやる気になれませんでした。Salesforceなら、全社員のデータが蓄積されていて、簡単に比較することができます。そういう面でもSalesforceは非常に有用ですね」(岩崎氏)

4期連続で供給数過去最高を達成
年間休日数も15~20日増加

営業本部にSalesforceを導入して以降、同社の資産運用型マンションの営業本部における販売数は4期連続で過去最高を記録。また、それまでExcelを使って手作業で行っていた案件情報やスケジュールの管理をSalesforceで行うようになったことで、業務効率を飛躍的に向上させることにも成功した。

「例えば、Salesforce導入以前、12名の各課の担当者は案件管理のためのカレンダーの作成に1カ月10時間程度、データの集計に1カ月4時間程度の時間を費やしていました。Salesforceによってそれを完全にカットできましたので、12名分合わせると年間2000時間以上浮いた計算になり、その時間を営業活動や部下の指導・管理に回せるようになりました。また、全社的に労働時間がかなり短縮されて、休日が年間15~20日ほど増えましたし、毎週火曜日に女性社員は18時に帰宅できる『レディースデー』を設けることもできました」(岩崎氏)

いわゆるスモールスタートによって多大な成果を上げた同社。それでも福田氏は、現状に満足せず、活用の幅をさらに広げようと考えているという。

「弊社はまだ、Salesforceの全機能の2~3割程度しか使いこなせていません。見込や過去の案件などの管理ついても、Salesforceへの移行が完了していませんので、まずはすべての情報をSalesforceで一元的に管理・共有できる状態まで持っていきたいですね。また、会員サイトを構築してお客様のデータを管理することによって、お客様との関係を強め、顧客満足度をさらに上げていきたいという考えもあります」(福田氏)

将来の展望についてそう語る福田氏は、最後に、Salesforceを使うにあたっての注意点を挙げることも忘れなかった。

「Salesforceは、専門知識のない人にでもある程度自由にカスタマイズできる極めて便利なツールです。でも、その便利さに慣れ、Salesforceのある環境が当たり前になると、ビジネスツールとして最大限活用しようという意識が薄れ、使い手である人間が成長を止めてしまいます。Salesforceは今後もどんどん成長して、さらにいろいろなことができるようになるでしょう。使い手側もそれに追いつくよう努力して成長を続け、“アナログとデジタルの融合”をさらに進めていきたいと思います」(福田氏)

株式会社青山メインランド
  • 業種
  • 建設・不動産
  • 業種詳細
  • 総合デベロッパー
  • 活用用途
  • 営業支援・顧客管理
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  • Sales Cloud ›
株式会社青山メインランド
株式会社青山メインランド常務取締役の福田俊孝氏。「Salesforceでお客様の情報をデータベース化した上で、適切な営業活動がなされれば、契約率は自ずと上がっていく。アナログとデジタルを融合させたそういう理想的な状況が新部署立ち上げの際に生まれました」(福田氏)
株式会社青山メインランド
営業企画部営業推進課課長代理の岩崎聡史氏。「強いトップマネジメントと現場レベルでの推進がうまくかみ合ったこと、加えて、まず新部署に試験的に導入して実績を上げ、営業本部、会社全体へと段階的に拡大していったことが、営業本部におけるSalesforceの定着化に成功した要因だと思います」(岩崎氏)