フィールワークス


ウェディング専門の映像制作プロダクションが営業の生産性向上&業務を徹底効率化!
セールスフォース・ドットコムのイベントや懇親会への参加が大きな転機に

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年間見込み客 3500 組で
営業部門に過大な負荷

結婚式や披露宴のトレンドは、景気や社会状況の変化の影響を受けやすく、1990 年代以降に限っても、レストランウェディングやリゾートウェディング、ゲストハウスウェディング、和婚など、時代とともに変遷し、多様化してきた。とはいえ、流行がどのように移り変わっても、ウェディングには決して欠かせない要素もある。式を盛り上げるための映像や音響による演出や、一生の思い出となるビデオ映像の撮影などはその典型といえるだろう。

名古屋市千種区に本社を置く株式会社フィールワークスは、そうしたウェディングに関する演出、動画撮影全般を手がける映像制作プロダクションだ。社員数は 15 名。結婚式動画専門のインターネット放送局「花嫁テレビ」の運営元である花嫁テレビ株式会社から独立する形で、2010 年に設立された。主な業務は、披露宴中に流すプロフィールビデオやエンドロール、音響等の制作や、式当日のビデオ撮影、またそれらに関するオペレーターやプランナーの派遣など。そうした商品やサービスを取引先の結婚式場に提供することによって、年間約 2 億円を売り上げている。

同社では、設立当初、名古屋本社 3 名、大阪支社 1 名の営業スタッフが、契約先の結婚式場で挙式する年間約 3500 組の新郎新婦を見込み客とし、結婚式場を介して営業活動を行っていた。つまり、営業スタッフひとり当たり年間約 900 組、月間約 75 組の見込み客を抱えていたことになる。もちろん、見込み客のすべてが実際に顧客となるわけではないが、ウェディングという失敗の許されない商材を扱う重責とも相まって、各営業スタッフにかかる負荷は大きかった。同社経営企画室室長で、花嫁テレビ株式会社取締役を兼務する酒井大輔氏は、当時のスタッフの様子についてこう振り返る。

「音響オペレートの受注率はほぼ 100 %ですが、ビデオ撮影やエンドロール制作の受注率は 40 ~ 70 %程度ですから、実際には営業スタッフひとりにつき月間 40 組ぐらいを担当すればいいわけです。客観的に見て、ある程度効率よく作業を進めれば十分に対応できるはずだと思いましたし、事実、そのぐらいの数をこなさなければ利益を出せません。ところが、現場のスタッフの認識は私と同じではありませんでした。『見込み客が月間 75 組』と考えただけで仕事が多すぎると感じて、どの仕事から手をつけていいのかすらわからずフリーズしてしまう。1 カ月先のことを考える余裕などまるでないようでした。特に月曜日には、前の週末に行われた式の後片づけと並行して、次の週末に向けての準備も始めなくてはならないため、皆いっぱいいっぱいという感じ。月曜日と火曜日は、残業が当たり前のようになってしまっていましたね」(酒井氏)

情報通信関連のイベント等で
営業活動改善のヒントを得る

営業スタッフの増員が難しい以上、どうにかして業務を効率化しなければならない、と頭を悩ませていた酒井氏に、その解決につながるヒントを与えたのは、2011 年 11 月に地元で行われたとあるイベントだった。パネリストとして出席した酒井氏は、同席したセールスフォース・ドットコムの講演者によるユーザー事例紹介によって、初めて Salesforce の存在を知ったのだ。

「正直なところ、そのときは Salesforce に関するお話の内容以上に、講演者の話術の巧みさに驚かされたのですが、それをきっかけに Salesforce に興味を持つようになったのは確かです。そして、それからしばらくして、ある大手ブライダル関連企業が、Salesforce を使い始めたという話を耳にしたんです。同じ業界の大手が使って効果のあるものなら、弊社のような小さな企業でも、小さいなりの効果を得られるはずだ、と思いました。その後、セールスフォース・ドットコムのイベントなどで具体的な利用方法を尋ねたり、ウェブサイトに掲載されているユーザー事例を見たりするうちに、弊社でも顧客管理や生産管理の面で Salesforce を活用できるのではないか、と考えるようになりました。また、セールスフォース・ドットコムは世界最大手で、僕にとって敷居の高い企業という印象も最初はありましたが、、懇親会などを通して親しみを覚えるようになったことも、Salesforce の導入を真剣に考える要因になりましたね」(酒井氏)

偶然ながら、酒井氏が Salesforce の導入を検討し始めたのと同時期に、名古屋本社の 3 名の営業スタッフのうちの1名が退職。残る 2 名の営業スタッフに、さらに大きな負担がかかることになり、状況はいよいよのっぴきならないものになった。それを受けて同社は、2012 年 11 月、業務効率化に向けて Salesforce の採用を決定。酒井氏が Salesforce の存在を知ってから、ちょうど 1 年後のことだった。

ToDo メールの自動配信により
時宜にかなった顧客対応が可能に

Salesforce の導入に際し、酒井氏が注意を払ったのは、営業スタッフに対して Salesforce の利用を強要しないことだった。

「現場にしてみれば、当面、Salesforce にお客様のデータを入力するという仕事が増えるわけですから、『結果的に業務を効率化できるから』といくら口で説明しても、なかなか納得できないでしょうし、新しいツールに対するアレルギーも当然あるでしょう。そこで、営業スタッフの負担をできるだけ軽くするため、新たに任命した Salesforce 担当者に 1 カ月かけてシステムを組ませ、それまで Excel で蓄積していたお客様のデータをすべて入力させました。管理側でそこまで態勢を整えてから、営業スタッフに実際に使ってもらったわけです」(酒井氏)

営業スタッフがこなさなければならない業務は、結婚式当日の 1 カ月前、2 週間前、1 週間前といった時期ごとにある程度決まっている。ところが、Salesforce 導入前は、顧客管理がきちんと行われていなかったため、各顧客の状況やスケジュールを把握するのが容易でなく、顧客それぞれに対して時期に見合った行動を取るのが難しかった。しかし、Salesforce の導入によって、そうした状況は一変した。

「すべてのお客様の挙式までのスケジュールに合わせて、ToDo(やらなければならないこと)を記した定型文のメールが各営業スタッフにメールで自動配信されるため、スタッフはその内容に従うだけで時宜にかなった行動を取れるようになりました。メールの指示内容に沿って行動すれば、経験やスキルにかかわらず、誰でも一定水準以上の仕事をこなせるようになったわけです。現時点でスタッフ全体の仕事のレベルを底上げできたのはもちろんですが、今後、新人をトレーニングする際にも大いに役立つだろうと期待しています。また、そのメールは式場にもそのまま転送されますので、それまでのように営業スタッフがメールの文面を作成して式場とやり取りする手間を省くこともできました」(酒井氏)

それによって、例えばある顧客が、式場との過去の打ち合わせにおいて、式当日のビデオ撮影を検討していると話していた場合、最終見積を出す挙式 1 カ月前のタイミングで、「以前、ビデオ撮影をご検討中とのお話がありましたが、いかがでしょうか?」と働きかけることができるようになった、と酒井氏はいう。

「顧客管理を重要なものとみなす意識が低く、『仕事は自然に向こうからやってくるもの』という感覚が根強いブライダル業界では、そうした積極的なアプローチはまだあまり行われていません。それだけに、お客様に対して最適なタイミングで的確な提案ができるようになったことは、今後、弊社の強みになるだろうと考えています。現時点ではあくまで感覚ですが、受注率や各スタッフの生産性は向上したはずですし、売上への好影響も確実に出てきていますね」(酒井氏)

作業効率の劇的な向上に加え
仕事に対する社員の姿勢にも変化が

また、作業効率の向上という面においても、Salesforce の効果は即座に現れた。Salesforce 導入前、同社では、受注管理や生産管理、式当日のシフト管理などをExcelで行っていたが、用途別に同じような Excel のシートが 5 種類存在しており、それぞれに顧客データを入力しなければならなかった。

「非常に手間のかかる作業だった顧客データの入力が、Salesforce の導入によって1回で済むようになりました。入力の作業効率は、単純計算で 5 倍になったわけです。今後、データベースとして活用していけば、さらに 2 ~ 3 割は効率を上げることができるでしょう。最初は半信半疑で Salesforce を使い始めた営業スタッフたちも、かつては残業が当たり前だった月曜日や火曜日でも早めに退社できるようになり、Salesforce の効果を実感しているようです。また、以前は仕事の全体像が見えず、目の前にある仕事の量に圧倒されていた営業スタッフたちですが、そうしたプレッシャーから解放されたのか、仕事に対する気持ちの面で余裕が感じられるようになりました。もちろん僕自身も、フィールワークスと花嫁テレビというふたつの会社を管理する立場にありますから、クラウド型でどこからでも 2 社のビジネスの状況を確認できるという Salesforce のメリットを毎日のように感じています」(酒井氏)

式当日までの 1 カ月間を Salesforce で管理することによって、導入から半年で一定の成果を上げることに成功した同社。今後の課題として、式当日から 1 カ月後に納品するビデオ映像の生産工程を管理したり、さらに長いスパンで仕事の増減を調整したりする仕組みを構築したいと考えているという。

現場のスタッフの負担を可能な限り軽減することで、Salesforce のスムーズな定着化を図った酒井氏に、Salesforce 導入のコツを尋ねてみた。

「やはり、社員にその効果を体感してもらうのが一番だと思います。『Salesforce を導入すれば楽になるよ』とはなるべくいわずに、『Salesforce を導入したら楽になったでしょう?』といえるように管理側が工夫する。同じようなことに思われるかもしれませんが、その微妙な違いが結構大事なのではないでしょうか」(酒井氏)

ツールを使えば確実に成果が上がることを管理側がいくら主張しても、現場にとって直接的なメリットがなければ、利用を促進するのは難しい。フィールワークスの取り組みは、Salesforce の導入を成功させる上で大いに参考になるはずだ。

株式会社フィールワークス
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  • IT・サービス
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株式会社フィールワークス経営企画室室長兼花嫁テレビ株式会社取締役の酒井大輔氏。「セールスフォース・ドットコムのイベントには『もう一度行きたい』と思わせる魅力があり、Salesforce 導入を決める大きな要因になりました」と語る。
株式会社フィールワークス
Salesforce の「ダッシュボード」機能で受注状況を確認する営業スタッフ。酒井氏によれば、「最近、Salesforce のおかげで早く帰れるようになったよね」といった会話も聞かれるようになったという。