河西工業


"改善のPDCAを回せるようになり、過去の不具合を整理して次の新しい車にフィードフォワードできるようになったことは、何にも代えがたい収穫でした。"

—河西工業株式会社 代表取締役社長 堀 浩治 氏

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日々の火消し活動から、将来のための火の用心活動へ
クラウド化した品質管理業務で自動車部品メーカーが挑むグローバル最高品質

高まる品質要求、有効活用できていない品質情報

神奈川県高座郡寒川町に本社を置く河西工業株式会社は、自動車の内装部品の製造、販売を手がける東証一部上場企業だ。グローバルに事業を展開し、自動車のドアトリムや天井などの内装部品を、多数の自動車メーカーに OEM 供給している。

同社は品質向上を見据えたデータ活用の有益性は理解していたものの、なかなか実現できていなかったという。同社代表取締役社長の堀浩治氏は、「品質管理では、製品の不具合情報とその解決策についての一連のデータを生かしていくことが極めて重要です。しかし、その運用には工数がかかり、業務プロセスを支える情報システムも必要です。それまで当社が行っていた品質情報管理では、効率的な進捗確認や、グローバルレベルでの情報共有ができず、改善サイクルの運用に課題がありました」と当時を振り返る。

「対応」から「予防」へ。「火消し」から「火の用心」へ

Salesforce 導入前の市場品質管理業務について、同社品質保証グループ 市場品質管理室 マネージャーの川井田弘一氏はこのように説明する。「Excel で作成した帳票をメールでやりとりしながら管理をしていました。世界各地に拠点がある中、複数の案件の進捗を把握するのは本当に大変な作業でした。火消しで精いっぱいで、火の用心の活動まで手が回らなかったのです」

同社は「火の用心」へ向けた取り組みとして、システム導入の検討を開始する。入念な検討を重ね、多数の大企業での導入実績やカスタマイズのしやすさ、多言語対応や各拠点におけるカスタマーサポートを考慮して Salesforce 採用の運びとなった。

このシステムでは、品質改善依頼書が発行されると、ワークフローに沿って自動的に関係者にメールが届き、回答期限が近づくとアラートが出る。今までの半分以下の時間で、より多くの情報を、より高いレベルで管理できるようになった。

予防活動ができる仕組みで「大きな前進」

導入された新システムは経営的判断にも高い効果をもたらした。「従来は、数日前のデータを元に判断せざるを得ませんでした。今ではリアルタイムにダッシュボードが更新され、投資も含めた経営層の迅速な意思決定に役立っています」(鈴木氏)

同社は、期限管理、集計、過去事例の検索にかかる工数の削減量を、全世界で約 4 人月分と試算しているが、このシステムの真価はそれだけではない。LLR(Lesson Learnt Report)もデータベース化し、予防活動に役立てられるようになった。「前回直して学んだ情報に、開発エンジニアが簡単にアクセスして次の製品に生かす。このような予防活動ができる仕組みができたことは大きな前進です」(鈴木氏)

堀社長はこう語る。「改善の PDCA を回せるようになり、過去の不具合を整理して次の新しい車にフィードフォワードできるようになったことは、何にも代えがたい収穫でした。これにより不具合の発生件数は大幅に減りました。結果として生産性が上がり、品質レベルも上がっています」

日本発信の市場品質管理システムはさらに世界の各拠点へ展開される予定だ。河西工業の品質への追究はこれからも続いていく。

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