Excel(エクセル)で日報を管理!メリット・デメリットも解説

 
2024.3.11

毎日の活動を記録する日報。Excel(エクセル)で管理している企業はまだまだ多いと思われます。導入のハードルが低いというメリットがある一方、潜むデメリットもあり、中には記載すること、提出することが目的となっているケースも散見されます。

毎日の活動をSFAやCRMで管理すれば、日報では埋もれがちな情報を発見・活用し、売上の増大に結びつけることも可能になります。 ここでは、Excel(エクセル)による日報のメリットとデメリットのほか、Excel(エクセル)に代わる日報作成に役立つツールをご紹介します。

Excel(エクセル)日報は売上を高める手段になる!

Excel(エクセル)による日報には良い点も悪い点もあります。しかし、大事なのは、日報をコストや機能の面だけでとらえるのではなく「何のために日報が必要なのか」を想定し、理解することです。そうすれば、日報は単なる行動報告書という枠を大きく超え、売上増大につながる情報源に変貌するのです。

行動管理だけではない日報の価値

おそらく多くの企業では、日報のおもな役割は上司への行動報告でしょう。上司は部下の行動を把握しておかなければなりませんから、この役割は不可欠です。しかし、日報を単なる行動報告ツールとしてとらえてしまうと、それ以上の価値を生み出すことができません。

日報には、多くの情報が詰まっています。そこには顧客の情報があり、同時に部下の情報も詰まっています。これらの情報を管理し、有効活用できれば、部下のマネジメントに役立てることができ、顧客の現状を知ることもできるはずです。

日報はマネジメントの基礎ツール

部下と業務をマネジメントすべき立場にある上司は、業務上、さまざまな情報が必要になります。自分の部下がスムーズに活動できているか、解決できない課題に困っていないか。こうした個人的な問題は、表面的なコミュニケーションではなかなか見えてきません。日報は部下の業務内容をトレースすることで、不足しがちな情報を補う意味合いがあります。そして、必要であれば、部下に対して適切な指示やアドバイスをし、問題解決を助けることもできます。

また、商談の進捗状況についても、日報で知ることができます。それによって、期ごとの売上予測を正しく把握することが可能になります。

このように、日報を別の視点からとらえてみれば、マネジメントの基礎ツールとして活用することもできるのです。

日報で顧客の現況を知る

営業の行動履歴は、そのまま顧客情報でもあります。いつ、どのような問い合わせがあったのか。それに対してどのような回答を返したのか。顧客と営業担当者とのコミュニケーションの記録を時系列で管理すれば、どのタイミングでどのようなやりとりがあったか一目瞭然ですし、その時々の顧客の状況を、ある程度推測することもできます。

ただし、こうした作業を行うためには、まず日報を顧客ごとに時系列で整理する必要があります。顧客とのあいだで交わしたメールの履歴や見積書なども参照しなくてはなりませんから、現況を知るまでにかなりの手間がかかります。

これは、Excel(エクセル)による日報のデメリットというよりも、機能的な限界です。ですから、日報をより積極的に活用したいのであればExcel(エクセル)から脱却し、SFAやCRMといった適切なツールへの移行が必要なのです。

 

 
 

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Excel(エクセル)日報の目的と書き方

日報は、日々の活動の記録として業務管理を行うとともに、後から見返して業務の改善に役立てる、上司が部下の活動を把握するといった役割を持っています。フォーマットや記載項目は企業によって異なりますが、日報には共通した書き方のポイントがあります。

ただし、日報において重要なことは書くこと自体を目的とさせないことです。

記載する日報をどう活用するのか、あらかじめ想定した上で書き方のフォーマットを定めると良いかもしれません。

具体的かつ簡潔に、正確に書く

日報に書く作業内容は具体的に、かつ簡潔に記録を行う必要があります。また、数値も含めて正確に書くことを習慣づけましょう。 「プレゼン資料を作成」だけではなく「△△様向けプレゼン資料を作成、進捗50%」などとしておけば、状況が明確になります。

主観的な記述はできるだけ避ける

日報は報告書ですから、客観的に書くことが大切です。予測や見通しを書き込む場合は「~の見通し」などと書き添えておきます。

課題や改善策も書いておく

気になった問題や課題、顧客からの指摘など、ちょっとしたことでも記録しておきます。改善策のアイデアがあれば、それも添えておきましょう。後日、役立つことになるかもしれません。

小まめにメモを残すことを意識する

終業時にその日の行動を書こうとすると、細かなところを意外と忘れてしまっているものです。作業を終える度にメモを残しておき、それを退社前にまとめるようにすれば、記載漏れを防ぐことができます。

日報をExcel(エクセル)で管理するメリット

デジタルツールが広く普及している現在、日報を紙媒体で管理しているという企業は少数派かと思われますが、Excel(エクセル)でフォーマットを作り、日ごとに管理しているという企業は多いのではないでしょうか。

このExcel(エクセル)による日報は、必ずしも悪いものとはいえません。使いやすさという点では、いくつものメリットがあります。

誰でも使えるハードルの低さが魅力

Excel(エクセル)は、洗練された高機能なスプレッドシートです。その一方で、扱いやすさ、使いやすさも持ち合わせています。関数やマクロを駆使して複雑な計算書を作ることは、誰にでもできることではありませんが、フォーマットにテキストや数値を入れ込み、保存するだけならば、PCの初心者でもできる作業です。

専用のアプリを使うとなると新たに使い方を覚えなくてはなりませんし、新人への教育も必要になります。そうした手間や時間が最小限で済む手軽さは、Excel(エクセル)による日報の魅力といえます。

導入コストがかからない

Excel(エクセル)はほとんどのPCにインストールされていますから、新たにツールを購入するコストがかかりません。

企業の規模にもよりますが、日報を作成する従業員の人数分だけ新たにソフトを導入するのは、企業にとって負担になります。しかし、すでに各自のPCにインストール済みのExcel(エクセル)を使えば、追加コストは不要です。

導入コストがかからないというのは、Excel(エクセル)による日報が持つ最大のメリットといえるでしょう。

テンプレートが豊富

Wordとともに、Excel(エクセル)にはテンプレートが豊富にそろっています。ネットで検索すれば、企業や個人が作成した無料の日報用のテンプレートが数多くアップされています。これらをダウンロードしてそのまま利用してもいいですし、必要なら少し修正を加えて使ってもいいでしょう。

フォーマットを一から書き起こすのは手間がかかりますが、こうしたテンプレートを利用すれば、手間もコストもかけず、すぐに導入することができます。これも、Excel(エクセル)による日報のメリットです。

日報をExcel(エクセル)で管理するデメリット

メリットがある反面、Excel(エクセル)による日報にはデメリットもあります。そして、このデメリットこそが、日報を単なる業務報告書にしてしまい、そこに眠る売上増大のチャンスを見逃す要因にもなっているのです。

入力の負担が大きい

Excel(エクセル)での日報管理における一番のデメリットが、「入力の負担が大きく、担当者の二度手間になる」ということです。多くの場合、日報管理用のExcel(エクセル)が別のデータと連係しておらず、担当者が業務メモや資料、カレンダーを見返し、わざわざ日報を記載する手間が余分にかかります。また、入力の項目が多い日報は担当者の手間になることはあっても、メリットに感じられることが少なく、情報の粒度が粗くなりそもそも日報として必要な情報が記載されないという結果に至ってしまうことも少なくありません。

読み手の負担が大きい

Excel(エクセル)での日報管理は、単なる担当者の負担になることに加え、読み手である上司の負担にもなりかねません。文字形式で膨大な情報が記載された多くの部下の日報を読み込み、そこから必要な情報を読み解くのはまさに至難の業であり、大変な労力を要するため、結果として「そもそも読まない」や「内容を流し読みする」ということになりかねません。それでは何のために日報を記載しているのか自体があやふやになってしまいますね。

データの二次利用がしにくい

Excel(エクセル)は、数値計算のためのソフトですから、テキストの扱いは得意ではありません。また、さまざまな条件でデータを抽出するには、複雑なマクロを組む必要がありますし、時系列でデータを扱うのも苦手です。こうした性質のため、蓄積されたデータを二次利用しにくいという面があります。 日報には、担当者がその日どこへ行って何をしたかが記録されています。「◯◯社を訪問、アップセルの提案」「△△社から依頼された見積もりを提出」。こうした日々の出来事を顧客ごとに抽出し、時系列で並べて分析してみるとどうでしょうか。

アップセルの提案や、見積もりの提出などの行動に関して、その何日後にどんなフォローを行ったかというところまで見渡すことができれば、「そのフォローは適切だったかどうか」の検証ができます。スケジューラーと連携できれば「見積もりを出したら、◯日後にフォローの電話を入れるようアラートを出す」というしくみも作れるでしょう。 このようなデータの二次利用がしにくい点は、Excel(エクセル)による日報の大きな弱点です。

リアルタイムに内容を共有できない

Excel(エクセル)は、数値計算のためのソフトですから、リアルタイムでの情報共有には向いていません。Excel(エクセル)の共有もデータ上は可能ですが、セルやシート間の移動がもっさりとして編集がしづらかったり、編集履歴を管理することが難しいといった結果に陥りがちです。また、担当者の日報への記載がその日の業務終了間際となってしまうと、複数の日報数値を基にした正確な売上見込みの算出もリアルタイムに算出することは出来ません。分析の情報が欲しいと思ったその時のデータがリアルタイムで見られないことは、Excel(エクセル)による日報の大きな弱点です。

記載情報の追加・変更がしにくい

日報に記載する情報は、多いほどいいはずですが、あまりに多くなりすぎると入力作業が大変になります。ですから、記載情報は絞り込む必要がありますが、使っているうちに「やはりこの情報も入れておきたい」ということはよくあることです。

そんな場合、一度出来上がったフォーマットに新たな項目を追加すると、その前後の整合性が取れなくなります。空欄を数値やテキストで埋めていくだけのシンプルなスタイルならまだしも、関数やマクロを使っている場合、正しい結果が表示されなかったり、エラーが出たりということもあります。また、追加・修正のために手間も時間もかかりますから、効率的とはいえません。

 
 

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Excel(エクセル)から、SFAを活用した日報で売上伸ばす!

SFAとは「セールスフォースオートメーション」の略です。日本語で「営業支援システム」と呼ばれるように、営業業務に関わるあらゆるデータを管理し、活用できるツールです。

似たようなツールとしてCRMがありますが、こちらは顧客との良好な関係を構築・維持するためのツールです。本来の目的はSFAとは異なりますが、機能の上では重複しているところが多く、混用されていることも多いようです。

さて、このSFAにも日報作成機能も備わっているのですが、この機能を使うと日報を情報源として活用し、売上増大に結びつけることが可能になります。

入力の負担がなくなる

Excel(エクセル)による日報管理と異なり、SFAでは日々活動の度に入力する情報がそのまま、日報となります。

つまり、商談の記録や顧客とのメール・見積書のやり取り、顧客からの指摘などをわざわざ思い出してExcel(エクセル)に入力することなく、日々の活動記録だけで完結し、後から日付や顧客を軸に検索、分析することも容易で、個別の予定に対するリマインダーの設定も可能です。

あらゆる情報を抽出・分析できる

SFAはExcel(エクセル)と異なり、蓄積された情報をさまざまな切り口で抽出・分析することができます。ある顧客についてこれまでのコミュニケーションを時系列で並べることも、商談の進捗状況やこれまでの履歴を一覧することもできます。提出した見積書やメールについても、SFA上から検索するだけで、すぐに確認することができます。

一連のプロセスの中にもしも問題があれば、上司はそれを指摘しつつ、メンバーにアドバイスすることができますし、ケアやフォローに回ることもできます。SFA上の情報を分析することで、現状を正確に把握し、より良い「次の一手」を打つことができるのです。

リアルタイムで入力・共有できる

SFAに入力した情報は、リアルタイムで反映され、参加者全員で共有されます。メンバーにとっては「自分の行動も実績も、すべてオープンにされてしまう」わけで、そこに抵抗を感じる人もいるでしょう。しかし、こうしたリアルタイムの共有は、チームに大きな恩恵を与えます。

まず、入力した情報がすぐに反映されますから、メンバーも上司も、常に最新の情報を得ることができます。また、情報が共有されていれば、細かな数値報告が不要です。担当者の不在時にトラブルが起こったとしても、ほかのメンバーが最新情報を基に迅速な対応をとることができます。

Excel(エクセル)による日報では、こうはいきません。チームとしての機動力・スピードを高めることができるのは、リアルタイム共有という機能があればこそです。

現場・管理・経営のすべてにメリットがある

SFAを使った日報は、メンバーと上司の双方にとって有益です。たとえば、顧客情報やスケジュール、ToDoリスト、顧客とのメールのやりとりなどをすべてSFAで管理してしまえば、メンバーはわざわざそれを日報に書き直す必要がなくなります。

また、上司はSFA上に蓄積された多くの情報のうち、その日のメンバーの業務内容や商談の進捗状況など、Excel(エクセル)を開いて全ての内容を読まずとも、日報に必要な情報を抽出して確認すればそれで済みます。そして、「この案件についてもっと詳しく知りたい」と思ったら、絞り込みをかければ欲しい情報がすぐに手に入ります。その情報を基に営業プランを立てれば、それまで取りこぼしていた売上もすくい取ることができるでしょう。

各案件の確度や提示金額なども、最新の数値をリアルタイムで知ることができますから、日報のページを行き来することなく、正確な売上見込みを立てることができます。それは、経営側にとっても、とても有用です。

このように、SFAを利用することで日報はその価値を高め、現場・管理・経営のすべての場面で、その情報を活かすことができるのです。

 
 

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情報を活用して売上の増大につなげよう

日報を書く意味がわからない――こんな思いを抱いた人はかなり多いことでしょう。そう感じてしまうこと自体、日報が有効活用されていない証拠かもしれません。

しかし、日報は単なる報告書ではなく、貴重な情報源です。それを日々の業務に活かすには、SFAといったツールがとても有用です。

そこに気づいたならExcel(エクセル)による日報を脱却し、埋もれた情報を積極的に活用してみてはいかがでしょうか。

 

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