株式会社パイオラックスメディカルデバイス

ピンチをチャンスに変える発想の転換
環境の変化をきっかけにデジタル化を一気に加速

Salesforceの複数のクラウドを同時に導入
当初からPremier Success Planを活用し、運用・活用に向けた理解を深める

主に自動車部品を製造する株式会社パイオラックスの医療系子会社として、1999年に設立された株式会社パイオラックスメディカルデバイス。従来の営業・マーケティングスタイルは「直接訪問して対面で会話する」というものでしたが、新型コロナウイルス感染症の拡大と医療という特性から、このようなコミュニケーションスタイルに変化が必要となりました。

しかしこの変化を、体制転換のための大きなチャンスだと捉えた同社は、それまでなかなか進まなかったデジタル化を、一気に推進していくことを決断。七海副社長の後押しもあり、トップダウンでDXを推進していきます。その基盤として採用されたのがSales Cloud、Account Engagement、そしてExperience Cloudです。これら3つの製品を同時に導入すると共に、当初からPremier Success Planを活用し、導入から活用まで幅広く製品理解を深めた上で、本番稼働に向け準備を進めています。

 
 

1. 「直接訪問する」営業・マーケティングが不可能に

ビジネス内容について「医療には様々な領域がありますが、当社はより患者さんにとって負担の少ない低侵襲医療に特化した医療機器を製造販売しています」と語るのは、グローバルマーケティング部の部長牧野 健治 氏。

親会社が弾性を創造する金属製品を取り扱う会社であり、その技術を医療分野に応用することで、血管内治療製品や消化器内視鏡製品、脳神経外科領域製品などを開発・製造・販売をしています」と説明します。

営業部門の重要な役割は「我々が開発した商品を医療現場に届けると共に、患者様の安全を守るため、正しい使用方法等の重要な情報を確実に伝えることです」と牧野氏。またマーケティング部門は医療現場の状況を深く観察・理解した上で新たな商品を起案、製品を実現化すると共に、その製品を普及させる仕組みを作る業務を担っていると言います。

しかし新型コロナウイルス感染症の拡大によって、このような営業・マーケティングスタイルは、大きな課題に直面することとなります。学会等の活動や医療現場への訪問、医師とのコミュニケーションは、すべて対面で行われていましたが、当たり前に会える日常がなくなりました。

 

「直接訪問するという、私たちにとって当たり前のことができなくなった一方で、これは当社にとってこれまでの体制を転換する大きなチャンスでもありました。社内の情報集約・共有、営業が持つ情報の格差は以前から課題として認識していました。この課題をデジタル化で解決しようと考えていましたが、なかなか手を付けられずにいたところ、当社の副社長が号令を下し、トップの決断で一気にデジタル化に向けて動くことになったのです」。

 

 
 
 
 

2. デジタル化基盤にSalesforceを採用

営業・マーケティングのデジタル化を決断してすぐに、様々なソリューションの情報収集と、どれが自社に最適なのかという検討に着手しました。当初はまずSFA(営業支援ツール)を導入し、その後MA(マーケティングオートメーション)を導入するという「2段階導入」を考え、それぞれについて複数ベンダーから提案を受けていたと、牧野氏は振り返ります。

このプロセスの中で「SFAで何が実現できるのか」を次第に理解していった結果、情報の共有化や営業のコミュニケーション活性化、さらに案件の自己管理まで実現するのであれば、SalesforceのSales Cloudの採用が最適だと判断しました。さらにSalesforce側からMAであるAccount Engagement (旧 Pardot)も含めて包括的な提案を受け、最終的にSales Cloud、Account Engagement、Experience Cloudを同時に導入することに決定しました。

「以前は日々の活動を週報で管理していたのですが、お客様を軸として全体で共有し可視化するにはSalesforceが最適と、営業部門から意見が出ていました。他社のMAツールを導入しても情報が一方通行になることや、単なるメール配信ツールになってしまう危険性も感じていました。これに対してSalesforceなら、SFAとMAがシームレスに連携でき、営業とマーケティングの双方向で、お客様情報の共有が可能になります。またExperience Cloudも含めて設計することで、お客様に対する情報発信のあり方やコミュニケーションの変革も期待しました」(牧野氏)。

2022年9月にはSalesforce導入プロジェクトをキックオフし、外部のシステム構築ベンダーをパートナーに、設計・構築を進めてきました。2023年3月にはシステム構築を完了。同年4月1日からテスト稼働を開始しました。

この導入プロジェクトで注目したいのが、設計・構築をパートナーに依頼する一方で、並行してPremier Success Planの活用も行っていることです。

Premier Success Planは、Salesforce製品の導入・活用のための支援をSalesforceのエキスパートから直接受けられるサポートプランです。テクニカルサポートでは、問題の重要度に応じて24時間365日での迅速な対応も可能となっています。

Premier Success Planを契約した理由について牧野氏は、次のように説明します。

 

「システム構築はパートナーにお任せできますが、それを実際に運用・活用するのは私たち自身です。しかし当社にはITの知識を十分に持つ人材がいないため、どう実現するかが大きな悩みになっていました。ソリューション検討の段階から製品機能の説明などを受けていましたが、理解が難しい部分があった程です。この悩みを解決するには、当社と並走してくれるサポートが必須だと考えました」。

このプロジェクトの中で、グローバルマーケティング部の2名の社員が中心となって、Salesforceの運用・活用を進めていくことに決定。その1人である御嶽 清人氏は、次のように語っています。

「私たちはシステムの専門家ではないため、デジタル化のためにシステムを導入すると言われても、使われる用語が横文字ばかりでなかなか理解できません。そこでエキスパートコーチングを中心にPremier Success Planを活用し、用語の意味から丁寧に教えていただきました。自分でネット検索しながら調べていたのでは、なかなか理解が進まなかったと思い、エキスパートコーチングの有効性を日々実感しています」。

 
 
 
 

3. 営業活動の効率化と顧客と双方向コミュニケーションの実現を目指す

エキスパートコーチングは製品機能別の豊富なメニューから選択できる定型の支援プログラムで、Salesforceのエキスパートから機能の使い方や課題の解決に必要なガイダンスをオンラインにより1:1で受けることができるほか、ウェビナーやオンデマンド動画による情報提供もあります。

もう1人の中心人物である羽鳥 知宏 氏は、次のように述べています。

「お客様がご覧になるランディングページを作るにはどうするか、メール配信をどう行うのかについて、エキスパートコーチング・セッションで相談しました。事前にメールで2~3回やり取りして相談したい内容をお伝えした上で、セッション当日を迎えますので、効率的です。セッション開始後に最初から説明するのでは時間がかかってしまいますが、事前のやりとりのお陰ですぐに回答をいただけ問題が解決します。またエキスパートコーチングは、Salesforceの担当者が私たちとの過去のやりとりで状況を全て把握しているため、私たちの理解度に合わせて説明してくれるのも、大きな魅力だと感じています」。

またエキスパートコーチングを受けながら、機能設定などの操作(ハンズオン)を行うことも少なくないと羽鳥氏。「その内容は毎回録画しており、Salesforceのエキスパートが私たちに寄り添って、プロジェクトを前に進める支援をしてくれています。電話でのテクニカルサポートで迅速に問題解決できるのも、Premier Success Planの大きなメリットの一つだと思います」。

テスト稼働を2か月後に控えた2023年2月には、Premier Success Planのメニューの1つである「Premier活用相談室」も活用しました。

「ここで、Salesforceの各機能をどう使うのが適切なのか、効果的・効率的な運用はどう実現していくべきなのかを、改めて相談しました。私たちの目的はシステムを作ることではなく、それを使って新たな形の情報共有やコミュニケーションを実現し、ビジネスを変革することです。製品機能の観点ではなく、ビジネスの観点で相談に乗ってくれるPremier 活用相談室は、とても役に立ちました。」(御嶽氏)。

本番稼働を開始した後は、営業担当者間の情報格差を解消することによって営業活動を効率化すると共に、お客様との双方向コミュニケーションを行うマーケティングを実現していきたいと言うのは羽鳥氏です。今後も社会やビジネスをとり巻く環境の変化に応じて自分たち自身も柔軟に変化し、お客様が求める支援ができる組織になっていきたいと語ります。

「当社は従業員の平均年齢が比較的高く、その多くはデジタル教育を受けている世代ではありません」と牧野氏。デジタル世代の若い人たちにとって当たり前のことも理解に時間がかかり、悩むことも多いのだと言います。「Premier Success Planはわからないことも含めて本音ベースで語り合い、次のアクションのための一歩を踏み出せる、極めて貴重なサービスです。Premier Success Planを通じてSalesforceのエキスパートが私たちに寄り添って、プロジェクトを前に進める支援をしてくれたことにとても感謝しています。自信を持っておすすめしたいサービスです」。

 
 
 
 
※ 本事例は2023年4月時点の情報です
 

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