Skip to Content

「個人アカウント」が陥りやすい悩み、絶対にやってはいけない設定!

炎上させない、しても慌てない、ソーシャルメディア防災マニュアル

ソーシャルメディア収益化プロジェクトの第10回は、 「個人アカウント」が陥りやすい悩み、絶対にやってはいけない設定を株式会社ISSUN 代表取締役 宮松氏がご説明します。

オン・オフを切り替え、プライベートも楽しむ。

フェイスブックページを作成したら、自分が管理者であることをファンに公開している読者も多いだろう。だが、一方では「プライベートが無くならない か」と心配する声も聞く。実際、ファンとしてはできれば見たくないような、ブランドの印象と異なる「ごく私的な」発言・写真をうっかりと投稿しているケー スに遭遇することもある。「個人の行動」=「企業の看板」とすることで、よりブランドイメージが高まるケースは多いが、逆効果は避けたい。 こうした呪縛から解かれ、今まで通り、楽しくフェイスブックを利用するためにも、投稿の際に「オンとオフと切り替える」ことが大切だ。個人のスタンスもあると思うが、自分の投稿の公開範囲は、毎回「友達だけ」「全員に公開」と、オンオフを切り替えることが可能だ。

図

プライベートな投稿が多いスマートフォンも切り替えが可能だ。

図

さらに、上図のように、「友達リスト」として、「親しい友達」「会社の仲間」などより細かく設定ができるので、必要に応じて調整すれば、シェアされても、その範囲以外のユーザは見ることはない。こうすることで、オン・オフを上手く使い分けることができる。
参考:交際関係によって友達を分類する方法:facebook公式ヘルプ

変更時の注意点 一点、注意が必要なのは、「公開」以外を選択すると、次回投稿時もその設定をひきついでいる現象を何度か経験しているので、投稿前には確認しておかれることをお薦めする。 いずれにせよ、フェイスブックページの管理者としてファンから個人アカウントの投稿を見られる事は良くある現象と心得て、うまくオンオフを切り替えて欲しい。

フェイスブックページに管理人として登録するメリット

話題はフェイスブックからややずれるが、ライバルよりも頭一つ抜きん出た実績を出しているweb担当者なら「会社概要」ページの重要性をよく知っているはずだ。商品詳細やサービス紹介も大切だが、「会社概要」を作り込むほど、高い収益性が生み出される。

理由は簡単で、購入前のユーザほど、会社概要をよく見るからだ。これはアクセス解析をすれば、すぐにわかる。特に、社長はじめ役員やスタッフが顔出しで紹介されるコンテンツは、より高い効果が得られる。 フェイスブックページにおいても同様だ。さらに、利用ユーザが実名を公開しているのに、事業者のページ管理者が誰だかわからないと「不透明」という印象す ら持たれかねない。有名企業であればユーザも気にしないだろうが、今からソーシャルでそうした「印象づくり」に取り組む事業者であれば、できる限り管理者 は公開しておいたほうがよいだろう。あなたが運用している「ようこそページ」や「基本データ」には、管理人は表示されているだろうか。 今回は、こうしたフェイスブックページを運用している「個人アカウント」が陥りやすい悩みや、絶対にやってはいけない設定、より効果的な運用などを説明してゆきたい。

会社概要ページについて もしあなたが物販やサービス提供などのビジネスサイトを運営しているなら、自社サイト内の「会社概要」にアクセスしやすいか、また、会社概要のページ自体が、住所などを列記しただけの殺風景なものになっていないかチェックしてもらいたい。 例えば、事業が商品やサービスを通じて顧客に何を届けようとしているのか、その独自性やめざす社会貢献性、あるいは社内の様子などが記述されていないので あれば、すぐに素材を揃えてコンテンツを追加しよう。このとき、品格も大切だが、平易な文章やイラストで分かりやすくこれらが表現できているサイトであれ ば、収益性は向上する傾向にある。

図

「プロフィール写真が、勝手に差し替えられる。」アカウント乗っ取りに備える。

「最近、プロフィール写真が勝手に変更されて困っています。」「突然パスワードが変わってログインできなくなりました。」数ヶ月に1度だが、こうした類の相談が弊社のフェイスブックページに持ち込まれる。いずれも個人アカウントが何者かに乗っ取られているケースが多い。

図

結果的に「社内のいたずら」といった程度ですむケースが多いが、数の大小に関係なく、ファンを抱えるフェイスブックページを運用している管理人なら、こうした、個人アカウントの「のっとり行為」は、もはや自分や事業者だけの問題では無くなる。 承諾を得ている範囲である相談者の事例を紹介すると、自分のノートパソコンで会社からフェイスブックを使うたび、自分のプロフィール画像が子犬の画像に書き換えられるという。何度修正しても、数時間後には子犬になってしまう。 そこで、相談者のフェイスブックのセキュリティ設定を確認したところ、ある条件下で「乗っ取り」が可能な状態となっていた。ネットセキュリティに関わる方 なら”Session Hijack”をご存じだろう。このときは、社内による「いたずら」であることが判明した。相談者には、すぐに設定を変更してもらうとともに再発防止策を とり、事態は解決した。 このケースでは社内の悪ふざけですんだものの、悪意ある第三者にログインされたケースもあり、最終的に、自身の個人アカウントを放棄するしか方法がなく なったケースがある。しかも、こうした相談は意外に多く、特にフェイスブックを古くから利用しているユーザの事故が目立っている。

要注意は、2011年10月より以前からのユーザ

こうした「のっとり行為」は、特に知識が無くとも簡単に行えてしまう上に、フェイスブックページを運用している個人アカウントであれば、ページアカ ウントや個人アカウントを削除されるだけでなく、人知れず情報を盗聴されていたり、クレジットカードの不正利用など、致命的な事故に発展することもある。

そうなると、自分だけの問題では無くなる。もしあなたが、2011年の10月よりも以前からフェイスブックを使っているなら、個人の設定を見直しておこう。それ以降のユーザも念のためチェックしておく必要がある。

図

フェイスブックの、ホーム>アカウント設定>セキュリティ から、

  • セキュア接続:オン
  • ログイン通知:オン
  • ログイン承認:必須
  • アプリのパスワード(必要に応じて:skypeなどを連動させている場合は設定できない)

となるよう、設定を各項目の「編集」から変更しておいて欲しい。 また、

  • 認証済機器
  • 進行中のセッション

をチェックして、見覚えのないアクセスがないか確認しておこう。

こうしておくことで、無線LANなどで発生する事故(Session Hijack)を回避することができる。2011年10月以降にフェイスブックに登録したユーザであれば、初期設定で「セキュア接続」はオンになっている はずだが、アプリなどを利用していると、設定がオフとなるケースもあったので念のため確認しておいて欲しい。 さらに、セキュア接続などがオフになっていた場合は、上記の設定を変更するとともに、念のためパスワードを変更しておくことが好ましい。 少々きゅうくつな話になってしまったが、ネット全般にいえることなので、ビジネス活用する場合はファンやスタッフ、事業を守るためにも、こうしたリスクにも配慮しておく必要がある。

外出先でのwebサービスや、ワイヤレスLANの接続について これはフェイスブックに限らず、他社の「ウェブメール」などのオンラインサービスでも「常に、https:// で接続する」という設定がある場合は、そ れをONにしておこう。ただし、それでもセキュリティ上の不備が予想されるので、くれぐれも外出先などでは、パスワードも設定されていない公共無線LAN や、管理者が誰かわからない無線LANを安易に使わない、という配慮が必要だ。

図

フェイスブックページから個人アカウントへリンクさせる

前述のとおり、事業の規模にもよるが、もしあなたがフェイスブックページの担当者であれば、可能な限りフェイスブックページ上に「管理人」として 個人アカウント情報を公開しておくことをお薦めする。

フェイスブックページを誰が運営しているのかをオープンにしておくことで、フェイスブックページの信頼自体も増してゆく。既にブランドが周知されており、 そうした信頼づくりが特に不要なら、無理に表示させる必要は無い。逆にいえば、こうした設定をおこなわない限り、そのフェイスブックページをどの個人が運 営しているかは、外部からは一切わからない。管理人個人を明かさずに運用する事も場合によっては可能だ。 前回触れた「炎上」の回避策としても有効だ。「このフェイスブックページの管理人出せ!」と激昂した外部ユーザが、1人のファンからの「運営陣はプロフィールを公開されてますよ」の一声で沈静化した例もある。

手順は、フェイスブックページを編集>管理人 から、

図

管理人として招待したいユーザを追加しておく

図

次に、フェイスブックページの基本データに表示させたいユーザを、左メニューの「掲載コンテンツ」で表示非表示を選択すれば完了だ。 また、このとき各管理者の権限を以下の様に区分することも可能だ。

図

管理者の権限の設定は、フェイスブックページを編集>管理人 から、

図

プルダウンメニューから権限を変更することができる。

図

一般的には、フェイスブックページを削除できる権限を持つ最高権限の管理者には「マネージャ」、日々の運用を任せているスタッフには「コンテンツ作 成者」にしておけば問題は無いだろう。特に、いったん削除したフェイスブックページは2度と復旧することはできない。「作業中に、ページをうっかり削除し てしまいました」といった事故も防げる。

個人アカウントからフェイスブックページにひもづける

また逆に個人アカウントからフェイスブックページへとリンクさせておけば、より深い交流をしている友達にも運営しているフェイスブックページを見て もらいやすくなる。具体的には、個人の「勤務先」をフェイスブックページとリンクさせる。リンクさせるには、「勤務先」と「フェイスブックページ」の名称 を合致させれば良いのだが、上手くいかない場合も多いのでその場合は、こちらの記事を参照して欲しい。

フェイスブックの「勤務先」を「Facebookページ」に正しくリンクさせる方法 また「勤務先」以外にも、フェイスブックページの管理者として追加されている場合は、個人アカウントの「基本データ」で管理しているフェイスブックページを表示させることが可能だ。

中小企業担当者が知っておくべきデジタルマーケティングの基礎

個人ブランディングで、フェイスブックページとの相乗効果を期待したい

一方では、個人の活動をより知ってもらうことで、事業組織のイメージを向上させたり、あるいは、自分単体の名前を売ることに役立てたい、という意欲的なユーザも存在する。 フェイスブックの個人アカウントには、「フィード購読」という機能がある。友達ではないけれど、その人の発信する情報は知っておきたい、といったユーザに も個人アカウントの発信を見てもらう設定だ。ビジネスを目的としたフェイスブックページに興味を持ったファンが、管理人のフィードを購読することで、より 親近感を感じたい、というケースは多い。フェイスブック上の「ようこそページ」や、自社のブログに「フィード購読ボタン」を設置しておけば、積極的に個人 アカウントからの情報を発信することも可能だ。 フィード購読ボタンの作成

「個人」を知ることで「誰もがネットで豊かになれる」

フェイスブックは、そもそも個人のためのツールだ。「フィード購読」などの機能があるといっても、もともとは友達や家族などの身内で交流を楽しむこ とが目的だ。そのような場所で「パーソナル・ブランディング」や「セルフ・ブランディング」という言葉を掲げて、一個人が、今回のように積極的にアピール してゆく必要はあるのだろうか?

「ソーシャルでは、誰もがネットで豊かになれる」

2011年の10月に日本で行われたフェイスブック社のイベント「f8 Tokyo」に参加した際、フェイスブックの Alexander Kleinberg氏が基調講演でそのように説明していたことを思い出す。「検索」から「発見」、ネットで「誰でも豊かになれる」時代をめざしているとい う。 つまり今までは「検索スキル」がなければ、価値ある情報にたどりつけなかった。そんなネットで、「最近どう?」と、普段から友達と交流するだけで、価値ある情報にたどり着けるしくみをフェイスブックはめざしている。 例えば今回の「iPhone5発表」の話題にしても、テレビやニュースではなく、フェイスブックの友達から知った、というケースは多いのではないだろうか。 さらに言えば、北海道に旅行するときでも、レストランを検索せずに、「食通の北海道にすむ友達」に聞けば、ベストアンサーが返ってくるはずだ。その友達と 日頃から交流していれば、「君がよく行ってるお店から察すると、北海道ならこんな店はどうかな。」と、自分では絶対に見つけられなかったようなお店にたど り着くこともあるかもしれない。 このように、「個人」をよく知ることは「あの人に聞けば良い」「この人の言うことなら間違い無い」といった情報の判断規準を生み出す。 つまり、フェイスブックページでは紹介できない、「●●と一緒に●●にいました。」「●●という本を読みました」「●●を、いいね!といっていま す」・・・こうした個人の行動を公開、共有することは、ユーザが生活を豊かにできることにつながるのだ。今回ご紹介した機能を使って「プライバシー」を確 保しながら、オンオフを切り替え、社会にも貢献しながら、プライベートでもフェイスブックを楽しんで欲しい。

© Copyright 2012 ISSUN All Right Reserved.

Toshihiro Miyamatsu 株式会社ISSUN 代表取締役

2000年よりEC数社を立ち上げ、2005年に株式上場、事業の保有株を売却した後、シリコンバレー等、海外の次世代eコマースの現場を研究しながら、ソーシャルとの連携による新たなマーケティング手法を確立。2011年にウェブ制作・マーケティング会社、ISSUNを設立し、先細りしつつある従来のマーケティング手法を改善しながら「心の通うオンラインマーケティング」で売上改善を行っている。全国各地でのセミナーやコンサルティングなども手がける。

Toshihiro の他の記事
Astro

ビジネスに役立つコンテンツを定期的にお届けします