CRM で売上が上がる理由

CRM(Customer Relationship Management)とは、顧客や商談に関する情報をシステムで一元管理し、それらを従業員の間で広く共有してさまざまな形で活用することにより、企業 の売り上げを向上させる取り組みのことを指します。本稿ではCRMの取り組みがなぜ企業の売り上げを向上させるのか、例を挙げながらより具体的に解説して いきたいと思います。

CRMは業務効率化ではなく売り上げアップに直結する「攻め」のツール

企業が収益を上げるための方法は、大まかにいって2つしかありません。1つは「コスト削減」。そしてもう1つは「売り上げアップ」です。

これまで企業にとっての情報システム(IT)は、主に業務効率化や人件費の削減による収益性の向上、つまり専ら前者の「コスト削減」に貢献するもの でした。そして多くの方がいまだに、ITはコスト削減や業務効率化のためにだけに導入するものだと信じているきらいがあります。

無論、ITによる業務効率化やコスト削減の余地がまだ多く残されている企業も、決して少なくないでしょう。ただし、今日のITはそれだけでなく、売 り上げアップを目的としたものも多く存在しており、CRMはそうしたITの代表選手といえる存在です、実際に数多くの企業がCRMを有効に活用して成果を 挙げています。そしてCRMは、そうしたITの代表選手とも言える存在なのです。

しかし、これまでITを長らく「業務効率化のための道具」としか認識してこなかった方にとっては、「CRMが売り上げ向上に貢献する」といっても、 なかなかピンと来ないかもしれません。そこで以降では、CRMが企業の営業業務にどんな影響を及ぼして、そして一体どのようにして売り上げ向上を実現する のか、もう少し具体的に見ていくことにしましょう。

営業管理の課題とは?

日々の営業活動の記録はどのように管理しているでしょうか? 恐らく最も多いのが、営業日報を使った報告でしょう。日報形式で毎日の商談の進捗や状況を報告します。

営業管理職は、こうして現場の営業マンから日々の営業活動の実績情報を集め、その内容をチェックすることで、商談の進捗度合いや状況を把握し、さら にはそれを基に今後の売り上げ予測や営業活動計画の策定などを行います。こうしたもろもろの管理作業には、一般的にはExcelが使われることが多いよう です。さらには、上層部へ業績を報告したり、会議資料を作成する際にも、いったんExcelで作成した資料を基に、別途報告用の レポートをやはりExcelを使って作成するケースが多いようです。

このような営業管理のやり方が、長い間多くの企業で実施されてきました。この一連の業務フローの中に、特に問題になるようなことがあるようには見えないかもしれません。しかしよくよく観察してみると、この中には実に多くの無駄やリスクが潜んでいることが分かります。

  • 例えば、情報の二重入力や三重入力の発生。
    上記のようなやり方では、営業活動の実績・進捗情報は、現場の担当者が日報に入力し、それをマネジャーが管理用のドキュメントに転記し、さらにその内容が 報告用のレポートに転記されます。同じ情報が3回にも渡って人手によって入力されているわけで、これは明らかに無駄な手間だといえます。
  • さらには、人を二重・三重に介するが上に時間もかかる上、恣意的に情報操作されたり、重要な情報がこぼれおちたりすることもあり、レポー トが正確であるかどうかなどの確認にも時間がとられます。管理職の本来のマネジメント業務である戦略立案や部下へのアドバイスといった本業とは違うことに 時間をとられてしまいます。
  • 情報が一方通行になりがちで、主観的・属人的になっています。日々のちょっとした報告や、売り上げ数値の推移からは、次に打つべき施策を導き出すための重要なヒントが隠されていることがあります。しかし、一方通行的な活動報告を手作業で何度も入力したり転記したりする内、そうした情報がこぼれ落ちがちです。また複数で情報を共有することが前提になっていないため、主観的な報告となり、他からの気づきが得られていないのです。
  • そして、人手を何度も介した情報の伝達にはどうしても時間がかかります。管理職にレポートが回ってきたときには、もうそこに記された情報 や数値が古くなっており、既に市場の状況を正しく反映していないかもしれません。そんな情報を基に経営戦略をいかに練っても、実効性のある施策を打ち出す ことはできないでしょう。経営にスピードが求められている環境において、対策の遅れは企業や組織にとって致命的になります。

CRM 導入前の課題点

まずはCRMをしていないケースに多い課題を整理してみました。第二回では、より具体的に、CRMを導入した企業はなぜ営業力が向上するのか?ということをご説明いたします。