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人材育成にも役立つ?!営業の現場力を革新するインサイドセールスとは Vol.1

人材育成にも役立つ?!営業の現場力を革新するインサイドセールスとは Vol.1

大企業から中小企業まで全535の国内企業の経営企画部門、営業・販売部門、マーケティング部門のマネージャークラス以上を対象にアンケートを実施。営業活動の実情を把握するとともに、これからの営業を大きく変える可能性を持つインサイドセールスという新しい営業手法についてご紹介します。

経済産業省の「2018年度版ものづくり白書」によると、社会的な人手不足の中、国内の製造業において約8割近くの企業が「人材育成」に何らかの問題があると答えました。なかでも課題として多くあげられたのが、若年層、さらには指導する側の人材不足、IT人材の育成です。

人手不足が深刻化する現場では、デジタル技術革新に伴いAIやIoTなどのツールを利活用して業務効率を上げ、従業員の労働を高付加価値なものにしていく人材育成が重要だと考えられています。さらに、現場のデータを分析して問題や課題を発見、部署を超えて連携・協力関係を築き問題解決の道筋を見出すといった「現場力」を再構築することが経営課題であるとの指摘も出ています。

このような人材育成の問題、現場力の再構築は、ものづくりだけでなく製品やサービスを売るセールスの最前線においても同様と言えるでしょう。

そこでセールスフォース・ドットコムでは、大企業から中小企業まで全535の国内企業の経営企画部門、営業・販売部門、マーケティング部門のマネージャークラス以上を対象にアンケートを実施。日本企業における営業活動の実情を把握するとともに、営業部門を取り巻く課題を解決しこれからの営業を大きく変える可能性を持つインサイドセールスという新しい営業手法についてご紹介します。

アナログな手法が中心の人材育成。
営業マンが育つには手間も時間もかかる

アンケートによると、多くの企業が今後、営業・販売部門で人手が足りなくなると予測しています。その割合は企業規模に関わらず軒並み60%以上となりました。力のある営業マンを効率よく育てなければならず、人材育成の仕方にも工夫が求められることが分かりますが、企業ではどのような方法がとられているのでしょうか。

人材育成のアプローチとして、多くの企業が「職場での業務訓練(OJT)」と「適材適所な人材配置」を採用しています。反対に、ITツールを導入している企業はどの企業規模でも20%を下回り、アナログな方法が主流なようです。

さらに、人材育成に関する困り事を見ていくと、「指導者となる人材が不足している」、「モチベーションとなるキャリアパスを明示するのが難しい」、という悩みに加え「人事評価法が難しい」「日々の業務を可視化できておらず、把握が難しい」といったものが挙げられました。ひとつ前の設問でもITツールの導入率が低かったことを鑑みると、データの活用に関する悩み事が生じているのは妥当と言えるかもしれません。

さらに、営業担当が独り立ちするのに必要な年数は「3年以上」と答えた企業の割合が一番多く、次いで「2年から3年」という結果になりました。人材不足に苦しむ企業にとって一人前の営業マンを育てるのに数年も費やさねばならないのは、かなりの痛手といえるでしょう。

新規見込み客を獲得できる人材をスピーディーに育成することが今後の課題

このような状況下で利益を上げるには、少ない人手で効率的に営業活動をおこなう必要があります。多くの企業が、営業の生産性を上げるために行っていることとして、「営業プロセスの見直し」を挙げていました。次いで多かったのが「情報の可視化」ですが、その次には「わからない/施策は行っていない」と答えた割合が高く、生産性の向上はしたいが、どうすればよいか分からないと感じている企業も多いようです。

こうした中、営業活動における一番の課題については、すべての規模の企業で「新規見込み客の獲得」がトップという結果に。さらに、新規見込み客に対して効率的なアプローチができていないと感じている企業の割合は70%にものぼり、解決すべき課題であるということが浮き彫りになりました。

新規見込み客の獲得に効く!
インサイドセールスという新しい営業のかたち

近年、欧米ではITシステムを利用した「インサイドセールス」という営業手法が主流になってきています。

インサイドセールスとは従来の訪問型営業に対し、顧客を訪問することなく行う営業活動のことです。マーケティング部門が収集したデータを分析し、見込み度合いに応じて顧客情報を整理、それぞれの確度に応じて電話やメールで営業をかけ、見込み客の購買意欲を醸成していくことで無駄のない営業が可能になります。

さらに、データによって商談の動きが管理でき、営業活動が可視化されるので人事評価の基準としても利用できるといった利点もあります。

このようにインサイドセールスは、日本の企業が抱える人材育成や営業活動の生産性向上に関する課題を一挙に解決してくれる可能性を秘めていることがうかがえます。

Vol.2では、日本におけるインサイドセールス活用の現状と、導入企業ではどのような効果が実感されているかを詳しくご説明します。

参考文献:『2018年版ものづくり白書』(経済産業省 2018年)

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