本ブログは米国で発表された「Three Coaching Mistakes New Sales Leaders Make」の翻訳です。著者のBilly Martinは、Salesforceのイネーブルメント(人材開発部門)のSenior Directorです。

 

生まれながらの優秀なマネージャーなど存在しません。時間をかけてコーチングスキルを開発し、経験を積むことで、優れたマネージャーになるのです。新人マネージャーはミスをするものであり、そのミスもまた新たなスキルを学ぶプロセスの一部です。そして私たちもまた、彼らの経験から学ぶことができます。私のチームでは、新人営業リーダー向けに継続的な育成プログラムを実施していますが、その中で数千人のAE(営業担当者)と数百人のファーストラインマネージャーを対象に調査を実施し、なりたての営業リーダーに必要とされるスキルとは何かをたずねてみました。

その調査データから明らかになった、新人のファーストラインマネージャーがやりがちな間違い、上位3つをご紹介します。

 

間違いその1: ハンドルを握る手に力が入ってしまう

 

過去2年間の調査で最も重視されてきた管理スキルは、コーチングです。 AEは営業リーダーに対して、顧客との現実的なシナリオにもとづいて準備するために必要な支援をしてくれるよう望んでいます。逆にAEが望んでいないこと、それは成約に向けて商談をまとめようとするタイミングでマネージャーがハンドルを握ってしまうことです。「商談の成約をサポートする」ことと、顧客との面談やプレゼンを積極的にリードすることは、別のものなのです。

 

ポイント: 自分自身に問いかけてみましょう。 リーダーとして、あらゆる商談に"実際に立ち会う"(つまりハンドルを握る)必要があるだろうか? チームをがむしゃらに引っ張って成功に導いた過去の営業実績を思い出して、"スーパーAE"になろうとしていないか?部下の商談を成約に導くことは、リーダーの役割ではありません。それは部下の仕事を自分がやっているだけです。チームのために安全な設定で顧客との商談をシミュレーションしたシナリオを用意し、成果をあげているほかのチームメンバーのやり方をAEが見習えるようにします。一定の距離を置いたサポートを心がけましょう。

運転の教習と同じです。教官は、危険が迫った場合のみハンドルを操作します。縁石をこすったり、バンパーが少しへこんだりしたとしても、それも習得プロセスの一部なのです。チームメンバーに失敗の余地を与えることで、その失敗から成功の秘訣を学ぶことができます。

 

間違いその2: コーチング(または修正)しようとする項目が多すぎる

 

今回の調査でわかった2つ目の重要な事実は、「自分の生産性を高めるためにリーダーにしてほしいことを1つ挙げるとすれば何ですか?」という質問に関係しています。回答は突破口を開くためのハイレベルなコーチングと、業務タスクを細かく管理するマイクロメントマネジメントとの違いに集中しました。

 

ポイント: AEとの1対1の面談時に、同じ質問をしてみましょう。「今週、あなたの生産性を高めるために、マネージャーとして私にしてほしいことを1つ挙げるとすれば何ですか?」これは非常に効果的な質問です。この回答から、リーダーとして部下のために取り除いてやれる障害を見つけ出すことができます。先を見越して突破口を開くための"よりハイレベル"なコーチングスキルに重点を置き、重要な質問をするように心がけましょう。業務に関する気さくな会話は別の機会や、1対1の面談の後の方で行うようにします。

たいていの場合、AEは個人的なコーチングを望んでいますが、 質問するのは良いことです。

 

間違いその3: ネガティブに偏ったコーチング

 

営業リーダーに関する最近の調査(英語)で、チームに与えるコーチングコメントの種類に注目し、ポジティブなフィードバックとネガティブなフィードバックの割合を調べました。その結果、82%ものコメントがネガティブなものだとわかりました。建設的なフィードバックは歓迎されますが、こうしたネガティブな見方はチームのやる気に悪影響を及ぼしかねません。

 

ポイント: 3つの重要な"チェックイン/フィードバック"の質問と、私たちが水差しの例と呼んでいるものについて考えてみましょう。これは私たちがリーダーシップトレーニングで行う一つです。営業リーダーが満杯になった水差しを持っているとします。リーダーは水差しが空になるまでAEのコップに水を注ぎながら、フィードバックを切れ目なく伝えていきます。コップから水があふれたら、AEにフィードバックを与えすぎていることになります。次に、このプロセスを逆にして、先にAEが自分のコップの水をリーダーの水差しに注ぎます。水差しに余裕があれば、リーダーは自分の水を追加します。この例は、AEが先にコップを空にする(話す)ことができるようにして、その後でフィードバックを与えるプロセスを表しています。

建設的なフィードバックに移る前に、次の3つの簡単な質問をすることから常に始めましょう。

  1. 今、うまくいっていることは何か?

  2. 行き詰まっているのはどこか?

  3. 前に進むために、何のやり方をどう変えればいいと考えているか?

 

先にAEに答えてもらうことで"コップを空に"し、その後で自分が同じ質問への答えを示します。こうすることで、建設的な批判をポジティブなフィードバックで挟むことができます。自分の意見を述べる前に、AEが自分の考えを言えるようにしましょう。そうすれば、批判のことばを口にする前に、親身になってくれる聞き手としての役割がAEに印象付けられ、生き生きとした関係が生まれます。

 

まとめ

コーチングは営業リーダーの最優先事項であり、AEが常にリーダーに期待する資質と言えます。コーチングは管理スタイルの不可欠な要素として考えましょう。コーチングプロセスの完全な透明性を確保しつつ、AEが求めるものに応えるためのスキルを重点的に開発しましょう。何を求めているのかは、問いかければ答えてくれるはずです!

 

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