Salesforceのプラットフォーム上で稼働する唯一のマーケティングオートメーションであるPardot。2019年はAI(人工知能)のEinsteinのパワーも加わり、ユーザーの皆さまの声を元に進化を遂げています。Pardotをご利用いただいている100社を超えるお客さまにお集まりいただき、2019年7月12日に「Pardot Customer Trailblazer Party」を開催しました。日頃の活用への感謝をお伝えするとともに、明日からのマーケティング活動に役立つヒントを得ていただく場として、複数のセッションを展開しました。

今回はVol.1としてイベント全体の雰囲気、Award受賞、ユーザー様によるパネルディスカッションをお伝えいたします。次回Vol.2では、株式会社WACUL 取締役 垣内 勇威氏(@yuikakiuchi)のご講演「デジタルマーケティングの本質と18種類の勝ちパターン」をお届けいたします。

 

日本国内で大幅に拡大するPardotユーザー

 

明治神宮前駅からキャットストリートに入り、パタゴニア東京・渋谷の先を左折したところにあるHOTEL TRUNK。ファッション通りの喧騒を少し避けるように佇むこの場所で、今年の「Pardotお客さま感謝祭」は開催されました。進行役を担当するセールスフォース・ドットコム Pardot営業部 部長の川越 悠右が壇上に立ち、パーティの趣旨を次のように説明しました。

「Pardotは国内MA市場で引き続きシェアを拡大しており、現在最も使われているMAツールになっています。そしてその用途も、マーケティングからプリセールス、カスタマーサポート、アライアンスに至るまで広がっています。本日はこの場を借りて感謝申し上げるとともに、ゲストスピーチやパネルディスカッションで、次の日からすぐに使える知識やノウハウを持ち帰っていただきたいと思います」。

次にセールスフォース・ドットコム 専務執行役員の千葉 弘崇が、次のように乾杯のご挨拶を行いました。

「今から5年前にPardotの国内での販売は、小さくスタートを切りました。しかし現在では多くのお客さまにPardotをご利用いただき、国内トップシェアを誇るマーケティングオートメーションツールに成長しました。このような成果が生まれたのも、この場にいらっしゃる皆さまの積極的な支援の賜物です。本日はリラックスしたなかで、交流を深めていただければと考えています」

 

デジタルマーケティングの「勝ちパターン」

 

今回は、Pardotのユーザーでもある株式会社WACUL 取締役 兼 WACULテクノロジー&マーケティングラボ 所長 垣内 勇威氏(@yuikakiuchi)にゲスト講演をいただきました。

株式会社WACULは2010年に設立された、デジタルマーケティングのコンサルティング企業。Web関連のデータ解析と改善提案を自動的にお届け化するSaaS型プロダクト「AIアナリスト」などによって、デジタルマーケティングのコンサルを人からAIへと進化させています。AIアナリストは累計29,000サイト(2019年7月現在)に導入されており、日本でGoogle Analyticsを使っているサイトであればほぼすべて対応カバーしています。ここから得られた膨大なデータから勝ちパターンを研究しているのですが、その施策の73%で成果が得られています。垣内氏は東京大学を卒業後、株式会社ビービットに入社し、コンサルタントとして多数のWebプロジェクトに参画した後に、WACULにコンサルタントとして入社。現在は取締役として「AIアナリスト」の運営責任者を担当しています。

「すでに累計29,000サイトに導入し、膨大なデータから勝ちパターンを研究しています」と垣内氏。膨大な学習によって施策の73%で成果が得られ、その多くが1.5倍以上の伸びを見せていると語ります。「これは業種を問いません。ゴールが明確なサイトであれば成果を創出できます。最近では大学との共同研究も進めており、勝ちパターンの蓄積を加速しています」

このように述べた上で、クイズ形式でいくつかの勝ちパターンを紹介。すでに勝ちパターンは決まっているにもかかわらず、デジタルマーケティング業界ではいつまでも「車輪の再発明」という悪しき習慣が続いていると指摘します。ここで紹介された「勝ちパターン」は、まさに今日からでも使えるノウハウ。その具体的な講演内容は、Vol2のブログで紹介しますので乞うご期待。

 

Pardot Customer Trailblazer Awardは3名が受賞

 

続いて行われたのは「Pardot Customer Trailblazer Award」の授与。今年は3名の方が受賞しました。

1人目はコニカミノルタジャパン株式会社 マーケティングサービス統括部 デジタルマーケティング推進部 企画グループの井田 有里紗氏。コニカミノルタジャパンは2013年から営業改革を推進しており、2018年2月からPardotの利用を開始。井田氏はその中心的な役割を果たしており、マーケティングファームで得たノウハウを社内実践しています。

 

2人目は株式会社クレスト 取締役 経営管理本部長の峯 拓也氏。クレストは社長自らMAの書籍を執筆するなど、MAを深く活用している会社です。以前は他社のMAツールを利用していましたが、業務の基幹となるCRMに合わせ、昨年Pardotへお乗り換え。峯氏はこの決断を下した理由とPardotへの期待を語り、CRMとMAを1つの基盤で活用するメリットを語りました。

そして3人目は、株式会社ブレインパッド マーケティング本部 プロモーション部長の上村 篤嗣氏。ブレインパッドは2年間のPardot活用によって、リード数5.7倍、商談数2.2倍という、目覚ましい成果を実現しています。上村氏は具体的な活用ナレッジをユーザー会でも積極的に共有しており、その講演はユーザー会アンケートで満足度No.1になっています。

 

 

パネルディスカッションで語られたPardotユーザーの「リアル」

 

最後に行われたのはパネルディスカッションです。モデレーターとしては、先ほどアワードを受賞された株式会社ブレインパッドの上村氏、住宅・店舗のフロアコーティング等の内装事業を手掛ける株式会社エコテックの千葉 清香氏、収益不動産の販売とその後の管理を手掛ける株式会社日本財託の小林 和徳氏が登壇、モデレーターはtoBeマーケティング株式会社 代表取締役CEOの小池 智和氏にご担当いただきました。テーマは「あなたのMAを屍にしないために」。これはシンフォニーマーケティング 代表取締役 庭山 一郎氏が昨年のお客さま感謝祭の講演で話された「私の肌感覚では日本のMAの9割は屍」という言葉を受けたものです。

 

写真:左から、小池氏、上村氏、千葉氏、小林氏

 

小池氏からの質問は大きく2つ。「このままの活用ではまずいと感じたタイミング」と「最初の成功を実感した瞬間と継続のポイント」です。これに対してパネリストの皆さまは、次のようにお話くださいました。

 

上村氏:「日本のMAの9割は屍であり、メールの発射台としてしか使われていない」という言葉を聞いたとき、確かにその通りだと思いました。当社も1~2か月間はメール発射台としてしかMAツールを使っておらず、これでは駄目だと思い、シナリオの作成に取り掛かりました。しかし複雑に分岐するフォローシナリオを作っても、成果は出ませんでした。MAを使っているのではなく、MAに使われていたのです。まさにこのとき「このままではまずい」と感じました。最初の成功を実感したのは、シナリオ作成に着手してから3か月後、発想を根本から変えた頃です。ある会社の社長に話を聞く機会があり「お客さまがサイトに来た瞬間に電話すれば早い」と言われ、「重要なのはシナリオ作りではなく結果」だと考えるようになったのです。そこでまずステップメールをやめました。サイトに来たお客さまの状況がわかることこそがPardotの価値であり、それを最大限に活かせばいいのです。マーケティング、インサイド、営業の仕事をPardotでつないでいけば、必ず効果が出ます。売る人と一緒に使うことが、MAを成功させる鍵だと考えています。

 

千葉氏:私が入社した頃の当社では、MAツールがメルマガ配信ツールとして使われていました。そこで感じたのは、改善サイクルがきちんと回っていない、ということです。その最大の理由は、マーケティングの深い専門知識を持つ人が社内に不在であったからです。マーケティングを回すには、結果だけを見るのではなく、目標を明確にし、そこに到達するにはどうするかを考えなければなりません。その後いくつかの取り組みを行ったのですが、「Pardotで成功できる」と確信した瞬間が2回ありました。1つ目は、営業に対してPardotの勉強会を行ったときです。その頃はリードのままロストしているケースが多く、営業も「もったいない」と感じており、勉強会に熱心に参加してくれました。ここで「Pardotは営業とのコミュニケーションツールになる」と思ったのです。2つ目は、訪問者のメールアドレスを取得するためのホワイトペーパーダウンロードページの改善施策を打ったとき。目に見える成果につながり、「これならうまくいく」と感じました。PardotはMAツールという位置づけになっていますが、私にとっては営業のサポートツールとしての役割を担う存在です。

 

小林氏:毎日のように「これではまずい」と思っており、日が経つほどに「もっとこうしたい」という思いが募ります。そこで最近ではMAの役割を変えつつあります。以前は見込み客の獲得を目的にしていたのですが、今では「まずは自社の存在を知ってもらう」ためのツールに位置づけるようにしたのです。不動産のような商材では、MAでメールを配信しても購入には直結しません。購入にまで行き着くには、メール配信のような1対Nの関係から、1対1の信頼関係を創り出すタイミングが必要なのです。このような信頼関係への第一歩が認知であり、この認知を創り出すのがMAだと考えています。実際にお客さまにアプローチするのは、お客さまが行動を起こしたときだけです。シナリオの中に架電まで組み込んでおり、サイト内の行動から直接架電につながるようにしています。このやり方は、当初から思った以上に大きな効果を出せました。インサイドセールスの生産性は、以前の20倍になっています。これは当社に豊富なリードがあり、十分なコンテンツが用意されていたことも重要な要因です。土台となる準備をしっかりやっておくことも、MAを成功させるための必須条件だと考えています。

 

会社の売上に貢献することがマーケターの役割

 

パネルディスカッションの後、シンフォニーマーケティングの庭山氏が登壇。「これまで私は過去数年米国でマーケティングツールのユーザーが集まるユーザー会にいくつも参加してきました。そして『日本のマーケターのユーザー会もこうなって欲しい』と思い描いていた姿を、今日この感謝祭で見ることができて本当に嬉しい」と語りました。その上で「目指すべきは会社の売上に貢献し堂々と予算を獲得すること、『売上に貢献するから自分に投資すべきだ!』とはっきり言えるよう、これからもマーケターの皆さんにはぜひ頑張っていただきたい」と締めくくりました。

Vol.2では垣内氏のゲスト講演をお届けします。