2019年9月25~26の2日間にわたり、ザ・プリンスタワー東京と東京プリンスホテルで開催された「Salesforce World Tour Tokyo」。創業20周年の節目を迎えた今年も初日から大きな盛り上がりを見せ、事前登録者数13,000名以上、来場者数 10,000名以上、オンライン視聴数 20万以上と大勢のお客様にご来場・ご参加いただきました。

85社のスポンサー企業と多くのTrailblazerの皆様のご協力のもと、2日間で200を超えるプログラムと120を超えるブース展示が行われた今回のWorld Tour Tokyo。まずは基調講演の概要をレポートします。

 

企業と顧客の関係性がより深くなる、つながりの時代

 

今回のテーマは「A Celebration of Trailblazers」――。「Trailblazer(トレイルブレイザー)」とは、「先駆者」を意味します。それは、会場に集まった方々すべて。今、第4次産業革命のうねりの中で、新しいテクノロジーを駆使してデジタルトランスフォーメーション をリードする人、新しい未来を創造し、イノベーションを起こす人たちのこと。

セールスフォース・ドットコム日本法人代表取締役会長兼社長の小出伸一は、「今日はそんなTrailblazerの皆様の日々の努力と成功を祝う日」と語り、感謝を伝えました。

 

 

そしてTrailblazerの代表として登場したのが、株式会社ユー・エス・イーの新美啓子氏です。新美氏は「Japan Women In Tech」コミュニティのリーダーであり、Salesforce MVPの一人でもあります。新卒でエンジニアとして入社後、営業職へ異動したのをきっかけにSalesforceを知り、Trailblazer コミュニティに参加。知識と経験を重ねながら、仲間からの刺激を受けて、女性活躍のコミュニティを立ち上げました。現在は人事部へ異動し、さらなるキャリアを築いています。Salesforceとの出会いによって、新美氏は視野や働き方が大きく広がったとし「Salesforceはまさに私の人生を豊かにしてくれたもの。コミュニティに関わることで劇的に変化しました。そして、その機会は平等。誰もがTrailblazerになれます」と参加者にメッセージを送りました。(新美氏のTrailblazer Storyはこちらでご覧ください)

 

(写真:Salesforce共同創設者のハリス(右)より「Golden Hoodie」を贈られた新美氏(中央)。

Salesforce日本法人代表の小出(左)と一緒に記念撮影。)

 

小出は、現在私たちが直面している第4次産業革命の変化点について「すべてのモノがつながり、その先にお客様がいること。つまり、企業と顧客が非常に関係性の深い、つながりの時代に入ってきた」と語ります。顧客の期待値を越える最高の顧客体験を提供できるかどうかが、企業の大きな差別化戦略になってきます。Salesforceは、あらゆるデバイス、データがつながり、部門を超えて一貫した顧客体験の提供を実現するためのプラットフォーム「Customer 360」を発表しました。小出は、「Customer 360を活用することで、顧客を360度の視点で理解して寄り添うことができる」と語りました。

 

Consumer Goods CloudとManufacturing Cloudを発表

 

ここで、米国セールスフォース・ドットコム共同創業者兼CTOのパーカー・ハリスが登場。

「テクノロジーは刻々と進化している」と語り、Trailblazerがこの第4次産業革命時代に必要なスキルを習得するオンライン学習体験プラットフォーム「Trailhead」をデモを交えて紹介しました。さらに、「Customer 360も顧客サービス向上のために最新技術を取り入れている。ソーシャルメディアやモバイル、IoT、音声、ブロックチェーンなど、テクノロジーが進化することを前提にプラットフォーム自体も進化させ続け、企業を支援する」と語り、日本において2つの業界に向け、新たな製品をリリースしたことを紹介しました。

「1つは、リテールのオペレーションの最適化を図る『Consumer Goods Cloud』で、様々な小売りのオペレーションを自動化することができます。もう1つは、需要をサプライチェーン全体において予測できる『Manufacturing Cloud』。製造の在庫予測が立てられ、ネットワークを通じて共有することができます」。

 

 

小売りができるIT企業を目指す三越伊勢丹

 

ここで、セールスフォース・ドットコム マーケティング本部プロダクトマーケティングマネージャーの前田恵が登壇し、Customer 360を活用してデジタルトランスフォーメーションに取り組む企業の例として、三越伊勢丹ホールディングス社のケースを紹介しました。

株式会社三越伊勢丹ホールディングスでは、Customer 360を活用して店舗とデジタルをつなぎ、お客様のあらゆる買い物スタイルに合わせて、全方位で寄り添い、お客様一人ひとりに合わせたきめ細かいサービスを提供しています。

カスタムオーダーシャツの購入を例に、スマートフォンのアプリで来店予約から店舗での採寸、生地、襟、カフス選び、出来上がり、さらに2着目のオーダーの際にチャットで担当者と相談しながら購入するまでの顧客体験を、Customer 360がどのように支えているかデモを交えて紹介しました。同社では、最高のおもてなしをすることによって、お客様の人生を豊かにすることを目指しています。その実現のために必要な、より深い顧客理解をCustomer 360は提供しているのです。

 

 

さらに、三越伊勢丹ホールディングスの代表取締役社長執行役員(CEO)である杉江俊彦氏が登壇し、次のように語りました。 

「百貨店は高付加価値の商品を扱っています。単にオンラインで商品を売るのではなく、従業員がお客様の困りごとにきちんと答えを出すようなサービス、店頭と同じレベルでお客様に対応するようなシステムにすることが必要です。最高の顧客体験をしていただくには、新しいテクノロジーを取り込んでお客様に提供していく。店舗でも例外ではありません」

そして今後のビジョンについて「三越伊勢丹のMIカードの会員は300万人います。このデータをきちんと活用し、取引先とも共有してお客様とつながっていける仕組みを構築したいです。これからの三越伊勢丹はデータを集め、活用する『小売りができるIT企業』にならなければいけない」と明示しました。

 

 

クボタはテクノロジーで農業を成長産業に変革する

 

デジタルトランスフォーメーションは、農業にも変革を起こしています。ここでセールスフォース・ドットコム マーケティング本部 マネージャーの秋津 望歩が登壇し、農業を中心に様々な事業を展開している株式会社クボタの事例をデモを交えて紹介しました。

 

 

2020年に創業100年を迎えるクボタは、全世界で400万台のトラクターを生産するなど、農業を支えてきました。しかし、今、農業は農業人口の減少や高齢化など、様々なチャレンジに直面しています。

そうした中で、グループ全体で取り組むデジタル変革プロジェクトを支援し、全国に展開する販売拠点の業務効率化ならびに担い手農家(法人農家)へのサポート対応力強化のために、プラットフォームとしてSalesforceを採用。Salesforceのクラウドを中心とした最新のデジタル技術を利用することで、求められる情報をタイムリーに共有し、営業の課題解決提案や現場でのより迅速なサービス対応が可能になりました。

 

 

 

さらに、株式会社クボタの取締役専務執行役員である吉川正人氏が登場。同社のデジタルトランスフォーメーションについて、次のように語りました。

「ビジネスにおけるすべての情報、データをデジタル化することで、事業の運営の仕方、構造、事業自体を変えていきたいと考えています。それには、営業や生産の現場で起こっていること、また起こりそうなことの情報をタイムリーに入手し、共有するのが重要です」

また、今後の展望について、「クボタがお客様に提供できていない価値を提供しなければと考えています。キーワードは『On Your Side』、お客様に寄り添っていくこと。お客様と接点を持って、お客様が求めるサービスや製品、価値を提供できるか。デジタルトランスフォーメーションはそれを生み出す機会にしたい」と答えました。

 

 

このように、今回の基調講演では最新テクノロジーを活用して、デジタルトランスフォーメーションに取り組むTrailblazerのチャレンジが具体的な事例で紹介されました。企業と顧客がより深くつながる時代に「Trailblazerが描く、新しい成功のカタチ」が示されました。