「エシカル」という言葉を耳にしたことはありますか?もともとは「倫理的な」を意味する英語で、近年では持続可能な社会のための考え方や行動を示す言葉として耳にする機会が増えています。実際に日本でも「エシカル消費」が注目され始め、人、社会、地域、地球環境に配慮した商品・サービスを選ぶ必要性に消費者は気づき始めています。それとともに、取り組みを始める企業も増えてきました。未来の地球にとって欠かせない「エシカル消費」の考え方やビジネスにおける重要性についてご紹介しましょう。

 

持続可能な社会づくりへ、国も普及・啓発

今、人類は気象変動、貧困、人権などの課題に直面しています。これらの課題は「もっと豊かに、もっと便利に」と経済活動優先で利益を追い求めてきた結果であり、同じように活動を続ける限りさらに深刻な問題に発展することは明らかです。現に環境破壊によって生物多様性は大幅に失われ、人口増加によって化石燃料・水資源は不足。途上国の多くの人々が、資源不足や紛争により劣悪な環境での暮らしや貧困に苦しんでいます。

このような状況を打開するため、2015年9月の国連サミットで「将来の世代が必要とするものを損なうことなく、現在の世代の要求を満たせる持続可能な社会」を実現するためにSDGs(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)が採択されました。SDGsでは17の目標が掲げられていますが、そのうちの一つ「12. つくる責任つかう責任」達成に向けて効果が期待されているのがエシカル消費です。

エシカル消費とは消費者が製品・サービスを選ぶときに、人、社会、地域、環境に配慮されて生産されたものを選ぶこと。例えば私たちの衣服に欠かせないコットンは約90%が途上国で生産されていると言われています。しかしそこでは、深刻な児童労働が行われていたり、知識のないまま殺虫剤を使って健康被害や環境破壊が発生したりといった事実も報告されています。このように人や動植物を犠牲にして叶えられた、安くて簡単に手に入る製品を選ぶのではなく、例えば途上国の人々の生活改善や自立を目指す“フェアトレード”の考え方でつくられた製品を選ぶ―――そういった、消費者のもとに届くまでのプロセスに配慮した消費行動がエシカル消費なのです。

日本でも消費者庁によりエシカル消費の普及・啓発活動が行われ、消費者・事業者・行政の3つの視点での取り組みが推進されています。2007年には企業が商品の売上に応じて、途上国への支援を行うキャンペーンを実施。それをきっかけにエシカル消費の意識は広がり始め、東日本大震災では被災地の商品を買って応援する「被災地応援消費」の動きも拡大しました。実際に、次世代を担う若い人たちを中心にエシカル消費への関心は高まりつつあると言われています。

 

◾️エシカル消費において配慮の対象となるものとその具体例


 *出所:消費者庁「エシカル消費普及・啓発活動 - 倫理的消費(エシカル消費)とは?」をもとに作成。

 

エシカル消費から、SDGsをはじめるメリット

関心が高まる中、企業がエシカル消費に取り組むことには、大きな意味があります。グローバル社会で求められるSDGsの達成に貢献できるだけでなく、消費者や優秀な人材に選ばれる優位性を得られるというメリットが考えられます。つまり、エシカル消費の考え方に基づいて事業活動を考えることが、企業の未来の鍵を握っていると言えます。

 


 

エシカル消費を意識した事業活動において重要なのは、商品・サービスが消費者に届けられるまでのプロセスを見える化することです。実際に多くの企業が活動の内容を発信しています。アパレルメーカーが世界各地の縫製工場のリストを公開し適切な労働環境の実現に取り組んだり、メーカーが製造工程で必要となる材料を100%リサイクルできるようにしたりと、さまざまな取り組みが消費者から見えるようになってきました。

2017年の消費者庁が行った消費者意識調査では、「エシカルな製品を購入したい」と考える消費者が全体の6割を占めており、エシカル消費に貢献するプロセスの見える化は、企業にとって欠かせないものになりつつあります。

Salesforceでは2019年9月に、事業活動における再生エネルギーの総消費量、二酸化炭素排出量といったKPIを追跡し見える化するカーボンアカウンティング製品「Salesforce Sustainability Cloud」を発表。顧客のCO2排出量の削減を強力にサポートするとともに、気候変動対策への取り組みを顧客が対外的に開示することを可能にしています。(Sustainability Cloudは、昨年12月より一般提供が開始されていますが、日本語への対応や提供時期は現時点では未定です。)

 

ステークホルダーと共に、より良い世界へ

Salesforceは「ビジネスの本分は、世界をより良い場所にすること」だと考え、持続可能な社会の実現のために取り組んでいます。創業以来、人、社会、地域、地球環境などすべてのステークホルダーを考慮しながら、よい影響を与えられるようにテクノロジー会社としてイノベーティブな企業文化を育んできました。とくに大切にしている価値観は「平等」であり、あらゆる人が平等に生きられる世の中を目指しています。社内に対しても同様で、Salesforceの従業員すべての基本的人権が守られ、従業員が誰もが平等に自分らしく生き生きと働ける職場づくりを大切にしています。

より良い世界をつくるために、一歩一歩。エシカル消費をはじめ、持続可能な社会をつくるためのSalesforceの取り組みと進捗については「2019年度 ステークホルダーインパクトレポート」をご覧ください。また、サステナビリティへの取り組みはこちらのページでもご紹介しています。ぜひご覧ください。

 


 

参考:消費者庁 『倫理的消費(エシカル消費)』に関する意識調査- 倫理的消費調査研究会 取りまとめ ~あなたの消費が世界の未来を変える~(平成29年4月)