この記事はSalesforceのパートナーであるCloudSense社が執筆しました。

最後にレンタルビデオを借りたのはいつだったか覚えていますか。では番組を見逃したのは。つまり再放送を見たのはいつでしょうか。映画やドラマをまとめて見るのは今やすっかり定番の週末の過ごし方になりました。人気番組を見逃した場合でも、オンデマンドで視聴できます。 

こうしたことが可能になったのは、ネット企業の台頭が通信業界に劇的な変化をもたらしたからです。長年にわたり、通信プロバイダーは商品による差別化に力を注いできました。しかし、AmazonやUberの成功を見ればわかるとおり、差別化をもたらす真の要素は「体験」なのです(Uberは商品の所有や取扱いをしていません)。

通信プロバイダーが優位を保つためには、小売業界のディスラプター(創造的破壊者)のやり方を取り入れ、体験でリードしていかなければなりません。それがさほど難しいことではないということに多くの人は気づいていません。

これまで世界中の通信プロバイダーをサポートしてきた私の経験にもとづいて言うなら、組織内部に大きな負担を強いなくても破壊的な変革をもたらすことは可能です。ここでは、変革を起こすために必要な実証済みの3つの方法をご紹介します。

 

1.購読者管理を見直す

顧客の多くは同一プロバイダーに複数のログインIDを持っており、当然ながらパスワードを紛失するので頻繁にリセットを行っています。また、問い合わせをしてもさまざまな部署をたらい回しにされる顧客もいます。

顧客が1つのプロバイダーで複数の商品やサービスを利用している場合に、複数のアカウントやプロファイルの管理が容易であることを「フリクションフリー」と呼びます。顧客にとってアプリやサービスの数が増えるのは好ましいことではありません。顧客がプロバイダーに求めているのは、簡単な操作で繰り返しサービスを利用できることです。その方法を紹介します。

 

データソースを限定しない

データはたえずリアルタイムに、そして局所的に存在しています。あらゆるパケットデータは分析が可能です。適切なエンゲージメントプラットフォームを使用すれば、サービスやアクティベーションレイヤーから情報を引き出し、実践的なデータとして活用できます。つまり、利用データにもとづいてパーソナライズされたサービスを提供できるということです。

 

統合を目指す

データを個別に活用するのでなく、さまざまな商品やサービス全体から得られたデータ資源を活用して、状況に合わせて的を絞った体験を提供しましょう。顧客が新しいデバイスを求めて店舗に足を踏み入れた時点で、その人がだれで、どのような提案を求めているかを販売担当者が知ることのできるシステムを構築してください。

 

どこよりもパーソナライズされた情報

小売業界では商品の推奨や、プロモーション、コンテンツ提供に人工知能(AI)が使われ、カスタマージャーニーの充実が図られています。しかし、小売店は限られた量のデータで対応しなければなりません。そこに通信プロバイダーにとってのビジネスチャンスがあります。豊富なデータがあるので、他の業界には不可能なレコメンデーションを提供できるからです(最初の手順を参照)。

 

セルフサービスへの移行

セルフサービスへの移行は急速に進んでおり、サポートに連絡してたらい回しにされるようなことがなくなりつつあります。顧客は1クリックですべてを把握できる利便性を求めています。Amazon Primeと同じようにすべての商品やサービスの情報に簡単にアクセスでき、TVを見ながら注文状況を確認できる状態が求められています。

 

2.顧客に即したコマース体験を構築

商品による差別化はますます困難になっているのが現実です。顧客体験の向上こそが収益を伸ばし、顧客を引き留めるための新しい道です。Walkerによれば消費者の86%は、より優れた顧客体験が得られるのであれば料金が上がってもかまわないと答えています。

通信業界における商取引は、1回限りの販売ではありません。継続的な関係を結ぶことであり、顧客がサービスプロバイダーを切り替えるまで関係は続きます。先見の明のある通信プロバイダーは、顧客の生涯価値を上げるようなサービスのパッケージを提供しています。 

  • 月額プランのようにパーソナライズされた便利な商品があれば、顧客は常に必要なサービスの提供を受けつつ、年間契約に加入することなくサービス契約を自由に変更できます。

  • 無料のアンチウィルスソフトウェアをWi-Fiサービスやプレミアム音楽配信サービスと組み合わせるなどのセット販売を行えば、収益の増加を見込めます。 

また、多くのプロバイダーでは音声テクノロジーのアドオン(SkypeやFaceTime)も提供しています。これらは顧客の要望が高く、商品やサービスの一部として組み込むことで、顧客定着率の長期的な向上に貢献します。  

 

3.顧客第一。商品はその次

かつて、通信プロバイダーはまず新しい商品やサービスを発表し、他のことはその後で考えていました。今日では、カスタマージャーニー全体を考慮した上で、それに見合った商品やサービスを当てはめていく方向へと変わっています。

私自身は、顧客の求める新機能を非常に短い期間で立ち上げていく開発手法を推奨しています。反復型の手法を取ることで結果をすばやく検証して、商品のラインアップを充実させていくことができます。 

  • ターゲット市場でテストするための商品のパッケージを選択します。

  • 高度な分析機能を組み込んでおき、パフォーマンスを追跡してパッケージの充実を図ります。

  • パッケージ内の商品を追加したり、より良いものにします。以上の手順を繰り返します。

貴社が業界に破壊的な変革をもたらさなくても、いずれ他社がもたらします。顧客の求める商品とサービスを組み合わせたパッケージを提案し、優れた顧客体験で業界をリードしましょう。Dreamforce 2019における弊社の講演を聞き逃した方は、ぜひこちらのセッションをご覧ください。通信業界に破壊的な変革をもたらすような体験を構築する方法についてご紹介しています。