この記事は、米国で公開した「PPE to the People: How 3M Is Managing Sales Teams From Home」の翻訳版です。著者は、Salesforceを活用いただいているお客様であり、世界有数の化学企業3M社のCRM Chief Product Owner、Andy Moldenhaeur氏です。

 

Leading Through Change  - いま、私たちができること。- 

私はこの数ヶ月、これまでのキャリアのなかでも特に難しく、やりがいのある仕事を担当しています。3Mの顧客関係管理(CRM)を率いることになったのです。使い捨てN95マスク、医療用洗浄剤、PPE(個人防護具)の主要製造メーカーである3Mは、新型コロナウイルス(COVID-19)との闘いに欠かせない物資を供給すべき立場にあります。(詳しくはこちら(英語))。この責務を果たすため、以下のような取り組みを行っています。 

  • 世界各地でのPPEの増産

  • 粗悪な模造品への対策

  • 当社製品を最も必要とする人々への優先的供給

顧客関係や生産性を維持しながら販売アプローチを一晩ですばやく転換できたのは関係者の皆さまのご協力のおかげです。この詳細は先日のWebセミナーでもお話しました。ここからは、当社がさまざまな変化にどう対応したかを紹介します。

 

変化への迅速な対応

PPEの高額転売や3M製を名乗る粗悪な模造品に対抗するために、一刻も早く手を打つ必要がありました。そこでただちに、悪質な転売や商品の報告を受け付けるサイトを開設(英語)しました。このサイトでは、フリーダイヤルの電話窓口とサービスキュー、多言語対応、メールサポートを用意し、インサイドセールス担当者を配置換えして新しいインバウンドトラフィックに備えました。

すでに他の部門でService Cloudを使った同様のサービスを構築していたため、プロジェクトチームはこの新しい模造品ホットラインを48時間以内に立ち上げることができました。

すばやい対応の例をもう1つご紹介しましょう。この危機が始まって間もない頃、CEOから当社の対応を詳しく知らせるメールをすべての顧客に送るよう指示がありました。火曜日の夜8:30頃に、数百万件の連絡先へ明日中にメールを送るよう言われたのです。幸い、顧客データはすべてSalesforceに登録されていたため、重複もなくコンプライアンス的にも問題がない、すぐに使える有効な連絡先リストを期限内に用意することができました。

 

自宅からの営業活動

フィールドセールスは3M社の営業の大きな柱であり、営業担当者は取引先を直接訪問するのが通例でした。それが突然、フィールドセールスからインサイドセールスへ、さらに言えばリモートセールスへの切り替えを迫られたのです。幸い、3M社では単一インスタンスのSalesforceを83の国に13言語で展開しているため、経営幹部は営業の状況とパイプラインの全容を見渡すことができ、フィールドセールス担当者は自宅でも同じツールを使ってこれまでと変わらない活動をすることができます。営業担当者が普段使っている取引先、取引先責任者、商談、ケース管理といったCRMの中心機能も、同じように利用できます。これらの機能は、おそらく今までになく重要なものになっています。

3M社が利用しているSalesforceインスタンスは1つであるため、あらゆるチームがナレッジを広く共有できます。その好例が、フィールドセールス担当者がベテランのインサイドセールス担当者に学ぶ仕組みです。現在、社内のトレーニングチームが、対面トレーニングで使われる資料のオンライン化を進めています。

さらに、Sales Cloud内にCOVID-19の項目を作り、新型コロナウイルスの影響を受けた商談にフラグを付けるようにしています。これは簡単に追加でき、コーディングも不要なタグですが、商談の効率的な処理に役立ちます。そのおかげで、PPEやその他の必要資材を最前線の医療従事者にタイムリーに届けることができます。この項目は、新しいビジネスを把握するだけでなく、潜在的な機会損失を明らかにする目的にも利用できます。この損失予測から、セールスリーダーはパイプライン全体の動向を把握できます。

今は誰もがオンラインセールスに乗り出しているので、私たちもこの機会に取引先の更新、活動の記録、リストの作成といったSales Cloudの基本機能をマスターするよう販売担当者に奨励しています。

チームメンバーがスキルアップできるようサポートすることで、今できることを増やすとともに、将来役立つ武器を与えることができます。すべては強力かつ効果的な顧客関係を築くためです。

 

生産性とアジリティ(機敏性)の重視

私がこの1か月で痛感したのは、透明なコミュニケーションの重要性と地域や国が違っても人々をつなぐことができる、テクノロジーの力です。

3M社の営業組織は分散型になっていて、営業チームと販売業者の間のビジネスプランを見直す必要がありました。新型コロナウイルス感染が広がる前に、当社はQuipというプロダクティビティプラットフォームのパイロットを実施し、Sales Cloudと連携するカスタムテンプレートを使って重要な取引先の見直しと整理を行っていました。現在は、Quipで新しいプロセスをロールアウトし、販売業者ごとに大きく異なるビジネスを標準化する取り組みを進めています。Quipは多用途で直感的に操作できるため、営業担当者もパートナーもすぐに使い方を覚えています。

Sales CloudとQuipの組み合わせなら、コーディングやITチームのサポートなしで、内部取引先の外部パートナーの情報を更新するといったリモートコラボレーションの課題を解決できます。

 

一元的なプラットフォーム

Salesforce Customer 360と単一インスタンスのSalesforceのおかげで、3M社のアナリティクスとデータは1か所にまとめられています。そのため、何が起きてもすばやい対応が可能です。

私たちは営業チームとサプライチェーンを効果的に管理するためにアナリティクスを大いに活用しています。CRMの真価が現れるのは、プロセスの上流で得たデータからインサイトを抽出するときです。その価値は、プラットフォームに投入するデータポイントの量ではなく、それを使って何をするかで決まります。今のような状況下において特にそうです。

3M社は全体で数百億ドルを売り上げる複合企業ですが、Einstein Analyticsのパイロットを積極的に進め、インテリジェントなパイプラインダッシュボードを実現しようとしています。このダッシュボードがあれば、ビジネスリスクを把握し、最も効果的な場面でアクションを起こせます。

チーム、地域、事業部門の間でデータが標準化されているため、これを指針として、最も重要な目標へ向かっていくことができます。

この危機が去る頃には、私たちは多くを学び、プロセスを良い方向へ変革できているはずです。皆さんもこの危機を自分たちのコミュニティを変えるチャンスと捉え、変革に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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