新型ウイルス(COVID-19)のパンデミックの中で、消費者や労働者たちはどう対処しているのか。その動向を知るために、Salesforce Researchでは2週間ごとに調査を実施しています。この調査でわかったことと、企業に求められる対応策のヒントをご紹介します。調査の詳細データはこちら(英語)でご覧いただけます。

多くのビジネスパーソンにとって、仕事の質は大きく様変わりしました。今や米国の労働者の62%がリモートワーク(在宅勤務)をしていますが、そのうち80%は新型コロナウイルスが発生後にリモートワークを導入しています。企業のリーダーたちは突如として、生活に影響を及ぼす先の見えない危機に直面している従業員一人ひとりに対して、離れた場所からリモートワークのやり方を指示し、機器を支給し、連絡手段を整え、やる気を起こさせ、気配りをしなければならない状況に追い込まれました。長期的なリモートワークへの関心の高まりを考えると、今取っている行動が今後に大きな影響を与えそうです。(詳しくはこちら(英語))

この調査では、自分でその働き方を選んだかどうかに関係なく、現在リモートワークをしている幅広い人たちを対象に、生産性についてや利用できるリソース、この難しい状況で雇用主に期待するコミュニケーションや気配りについて尋ねました。

そこから見えてきたことと、今後に役立つヒントをご紹介します。

 

コミュニケーションを強化する

リモートワークを成功させる基本は、透明性と一貫性のあるコミュニケーションだとされています。しかし、これを実現するのは言うほど簡単ではありません。米国のリモートワーカーの87%は、経営幹部からの定期的なメッセージが重要だと考えていますが、経営幹部の最新メッセージを伝えるメールや全社向けビデオ通話などを強化した企業はわずか32%です。

リーダーからの定期的なメッセージは、心理的安定や、気配り、共通目的を少しずつ浸透させる機会となります。(参考記事はこちら(英語))プロジェクトの目標、計画、進行に変更がある場合は、その最新情報を明確かつタイムリーに伝えることがきわめて重要です。その他に、あまり知られていないトピック、たとえば新型コロナウイルスについて信頼できる情報源などを共有したり、個人的な心配ごとをざっくばらんに話して気持ちのつながりを築いたりすることも大切です。(参考動画(英語))

チーム間での効果的なコミュニケーションは、生産性や士気をあげるうえで重要な要素です。しかし、米国でリモートワークをしている人たちのうち、同僚およびマネージャーとのコミュニケーションは良好であると回答した割合は、それぞれ40%と36%にすぎません。マネージャーは、定期的な面談とチームの集まりを大切にすることで、大きな違いを生み出すことができます。ここで重要なのは、自分自身のためにミーティングの機会を作るのではなく、オープンで明解な会話のリズムが自然にできるようにすることです。(参考記事はこちら(英語))

ミーティングの頻度や、取り上げるトピック、使用する通信手段(英語)についてはメンバーの意向を聞くようにしましょう。これは場所を問わない親密なコミュニケーションの文化を育むために重要なポイントです。

 

リモートワーク環境を整備する

米国でリモートワークをしている人のうち、オフィスでの業務に比べて自分の生産性が低下したと回答した人は、全体の17%にすぎません。その一方で、自分の今の生産性を非常に高いと評価する人は42%にとどまっています。ここで生まれるのが、通常時の効率はどうだったのかという疑問です。労働環境が急激に変化した今は、この現状を改善する機会です。

机や周辺機器など、満足がいくハードウェアが雇用主から提供されたという回答はわずか38%です。ホームオフィスの環境整備に割く予算がない可能性もありますが、その場合でも、雇用者はホームオフィスのベストプラクティスのヒント(英語)をあらかじめ伝えることで、労働者の健康に配慮する姿勢を示すことができます。(参考記事はこちら(英語))

もちろん、物理的な環境はリモートワークの問題の一面にすぎません。会社からソフトウェアやアプリが支給されていると回答した米国のリモートワーカーは39%にとどまります。今はSalesforceをはじめ、複数のテクノロジー企業(英語)が製品の無料体験版を提供しているため、それを利用してさまざまなソリューションを試し、変化するニーズに一番合ったものを選ぶことが可能です。(Salesforceの無料提供プログラムはこちら) リモートワークの間に新しいテクノロジーやアプリを初めて試したという人は32%にとどまり、この数字は、実験の余地が十分にあることを示唆しています。

 

専門スキルの向上をサポートする

リモートワークをしている人たちの目標は生産性だけではありません。成長や向上も重要な目標です。米国でリモートワークをしている人の53%は最新スキルの習得や習熟に意欲を見せており、56%は専門技能を維持するためのトレーニングが雇用主から提供されていると回答しています。従業員が離れ離れになっている状況でも学びの文化を維持することは、従業員の上昇志向とビジネスの競争力を保つために必要不可欠です。

まずは、従業員にV2MOMの作成を促してみてはいかがでしょうか。これは、Salesforceが個人とチームの目標、成功指標、戦術を定義するために採用している手法です。Salesforceが無料で提供しているTrailheadのような能力開発リソースを提供するのも、従業員の成長を停滞させない1つの方法です。ただ、それと並行して、マネージャー側からマイルストーンの設定、阻害要因の排除、説明責任などの方法で彼らの成長に関心を見せることが、特に重要です。

 

柔軟なスケジュールや勤務形態を容認する

今の状況においては、一人ひとりがそれぞれ異なる困難を抱えています。すべての従業員にまったく同じやり方を当てはめようとするのは、現実的ではありません。従業員の個別の事情に理解を示し、家族や個人のニーズを大切にしながらできる限り質の高い業務をこなすためのリソースを提供することがとても大切です。

実際、米国でリモートワークをしている人の88%は、今の状況下においては柔軟な業務スケジュールが重要であると回答しています。これは特に、子どもを持つビジネスパーソンにとっては重要です。彼らはフルタイムで子供の面倒と勉強を見ながら、通常の仕事をしなければならない状況に置かれています。それにもかかわらず、雇用主が柔軟な業務を認めていると回答したリモートワーカーは38%にとどまります。リーダーは柔軟性に対する潜在的なニーズを先回りし、新しい現実に即したスケジュールやワークフローを取り入れようとする姿勢を見せることで、従業員の信頼を獲得できます。

 

心の健康に気を配る

今の状況では、当然ながら身体の健康が最優先となります。しかし、先が見えない不安、ストレス、孤独状態が続くなかでは、心の健康にも気を配る必要があります。実際、調査に回答した米国民の70%は、心の健康に関する不安を挙げています。この数字は、Z世代では85%、ミレニアル世代では81%と高くなっています。

働く世代もこの問題と無縁ではありません。(参考記事はこちら(英語))雇用主は、どのように手を差し伸べたらいいか模索している状況なのではないでしょうか。米国でリモートワークしている人のうち、このパンデミックを受けて雇用主から心の健康に関する情報が提供されたと回答した人は、わずか22%にとどまります。

こうした懸念に対応するために、雇用主は福利厚生プログラムを見直して、現在の従業員の個別のニーズを満たすサービスを提供する必要があるかもしれません。たとえばSalesforceでは、従業員、コミュニティ、エキスパート向けに福利厚生の説明をするB-Well Together(英語)というライブWebセミナーシリーズを立ち上げました。さらに、Thrive GlobalおよびStanford Medicalとのパートナーシップにより、従業員とその家族の精神的健康を促進するThriving Mind(英語)というグローバル福利厚生プログラムを導入しています。

従業員エクスペリエンスに関する調査結果について、さらに詳しく知りたい方はSalesforceのインタラクティブなリサーチダッシュボード(英語)をご覧ください。また、新型コロナウイルスに関するデータ、インサイトにご興味があればTableau COVID-19データハブ(英語)をご欄ください。連載「Leading Through Change  - いま、私たちができること。-」では、リモートワークにおけるコツや事業継続のために必要な情報など、ビジネスに役立つ情報をお届けしています。メルマガ登録いただければ最新情報を定期的にお届けします。よければぜひ、ご登録ください。ご登録はこちら

 

調査方法について

この記事で取り上げたデータは、米国、英国、フランス、ドイツ、ブラジル、オーストラリアのフルタイム労働者とパートタイム労働者から構成される一般の人を対象としたダブルブラインド調査にもとづいています。データ収集期間は2020年5月1日~5月2日、回答数は3,542件。調査対象者の構成比を正確に反映するために、データの重み付けを行っています。