Skip to Content

Trailblazerが明かす独創的なメールマーケティングのヒント

Leading Through Change

先進的な取り組みを続ける10人のTrailblazer(先駆者)のみなさまに、世界中に送信されるメッセージを最適化し、より良いメールマーケティング戦略を設計するためのヒントを伺いました。

Leading Through Change – いま、私たちができること。-

顧客は常に新しいコミュニケーションチャネルを求め、マーケティングチームは常に新たな市場展開戦略を模索しています。しかし、メールマーケティングが顧客とつながるためのすばらしい方法であることに変わりはありません。

マーケットリサーチ企業Statista社の調査によると、1日あたり約3,060億通のメールが送信されています(詳しくはこちら(英語))。また、ピープルベースドマーケティングプラットフォームを提供するLiveIntent社の発表によると、新型コロナウイルス感染症の危機が始まって以降、メールニュースレターのエンゲージメントは向上しています(詳しくはこちら(英語))。

Salesforceを活用してビジネスを改革するTrailblaer(先駆者)が集まるコミュニティ「Trailblazer Community」では、カスタマーエンゲージメントを向上させる方法を日々研究しています。なかでも注目されているのがメールマーケティング戦略です。今回の記事では、世界各地に送られるメッセージを最適化するにはどのようなメール戦略を構築すべきか、10人のTrailblazerにヒントをいただきました。

早速、彼らのの言葉を聞いてみましょう。

Patricia Babischkin氏 | ListEngage社 ストラテジー コンサルタント

Q: メールを作成する際、最近はどんなことから発想を得ていますか?

A: メールは自分のことではなく、顧客のことを考える必要があります。

顧客が何をしてくれるかではなく、顧客のために何ができるかを考えます。自分の都合よりも顧客のニーズを優先すれば、マーケティングの成果が上がり、顧客の支持が得られます。さらに、自分の仕事に大きな喜びを感じられるでしょう。

Najee Bartley氏 | U.S. Bank社 メールマーケティング担当

Q: あまり知られていない、メールの書き方のコツを1つ教えてください。

A: スクロールせずに読める分量にすることです。

スクロールの問題を考えていないマーケターが多いように思います。スクロールが必要なほど長いメールは読む人の負担になります。メールは短く、ポイントを押さえたものにしましょう。

Q: この3月以降、難しい時期への対応として、メールマーケティング戦略にどのような変更を加えたか教えてください。

A: 共感的アプローチを取り入れています。

現在は、思いやりの気持ちを前面に出したキャンペーンを実施しています。マーケティングキャンペーンのペースを落とし、読み手の経済的な不安を和らげ、元気づけることに重点を置いています。

Jen Kazin氏| Greenkey社 プリンシパルマーケティングオートメーションストラテジスト

Q: あまり知られていない、メールの書き方のコツを1つ教えてください。

A: 登録解除のリンクではなく、受信設定センターへのリンクを置くようにします。

多くの企業が、メール中のリンクがブラックリストに登録されたものではないかを確認するスキャンツールを導入しています。こうしたツールでは、メールをネットワーク内に入れる前に、sandbox(テスト環境)や隔離された仮想マシンでリンクを試し、悪意があるかどうかを確認できます。受信設定センターを用意しておけば、スキャンツールによって意図せず登録が解除される事態を回避できます。

Q: ナーチャリング目的のメールキャンペーンを設計する際に、送信するメールの数をどうやって決めていますか?

A: 顧客のライフサイクルに合わせてメールを送信するようにしています。

代表的な顧客の購入サイクルとプロファイルを思い浮かべてみてください。洋服のように、購入サイクルが比較的短い商品を取り扱っている場合は、1週間に何度かメールを送信しても大丈夫でしょう。購入サイクルがもっと長い商品の場合は、メールの送信頻度を2週間に一度にしてみましょう。適切なコンテンツをタイムリーに配信してこそ、意味のある顧客接点となります。

Tigh Loughhead氏 | RentBoost社 創設者

Q: あまり知られていない、メールの書き方のコツを1つ教えてください。

A: メールでストーリーを語るようにします。

人々はストーリーを求めています。商品の背景にあるストーリーをうまく伝えれば、ブランドと長く付き合ってもらうことができます。メール開封率とクリック数の向上だけを目的としたやり方は、真のカスタマーエンゲージメントを遠ざける結果になりがちです。商品ではなくストーリーを語るメールを心がけましょう。

Amanda Luanglath氏 | Amazon Business マーケティングマネージャー

Q: あまり知られていない、メールの書き方のコツを1つ教えてください。

A: 見込み客のジャーニーの各段階に合わせて、セグメントを作成することです。

Webセミナーに登録してくれた見込み客にフォローアップメールを送りたい時は、バイヤージャーニーのこの段階に当てはまるセグメントを作成します。こうすることで、見込み客の関心に合うコンテンツを作成し、成約率を上げることができます。

Webセミナーに登録しただけの見込み客と、Salesforceで商談が進んでいる見込み客では、送るメッセージの内容も大きく変わります。これまでの関係性を無視した一般的なメッセージを一斉配信するのではなく、状況に合わせたメッセージを送ることで、見込み客との商談につなげることができます。

Natasha Martin氏 | Love’s Travel Stops社 Salesforce Marketing Cloud プロダクトマネージャー

Q: あまり知られていない、メールの書き方のコツを1つ教えてください。

A: インタラクティブなコンテンツや、ライブコンテンツなど、他の企業とは一味違う要素を取り入れることです。

さらに、しっかりとしたパーソナライズ戦略を用意し、これまでのやり取りを踏まえたコンテンツを顧客に提供するようにします。見当違いのコンテンツを提供すれば、顧客の関心を失うことになります。

Kaleem McGill氏 | Kelly Services社 Candidate Experience スペシャリスト

Q: あまり知られていない、メールの書き方のコツを1つ教えてください。

A: マーケターとして、マーケティングジャーニーの途中からやり直せる余地を残しておきます。

顧客の行動を予測することは難しく、今のような状況ではなおさら困難です。もし物事が思い通りに進まないようなら、進捗が止まったところで状況に合わせてやり方を変えてみましょう。

Q: この3月以降、難しい時期への対応として、メールマーケティング戦略にどのような変更を加えたか教えてください。

A: 各段階でナーチャリングの時間を取るようにしています。

最近学んだことですが、ジャーニーの中の特定の段階においては、見込み客を見守り、ナーチャリングする時間が必要です。たいていの人は決断を下す前にできるだけ多くの情報を集めたいと考えるため、成約に向けてひと押しする前に、ブランド認知度を上げるよう努める必要があります。状況が今より安定してくれば、彼らも企業側の配慮と本当の絆を思い出してくれるでしょう。

Lucy O’Brien氏 | タイドウォーター・コミュニティ・カレッジ マーケティングマネージャー

Q: この3月以降、難しい時期への対応として、メールマーケティング戦略にどのような変更を加えたか教えてください。

A: 変化するニーズについて戦略的に考えるようになりました。

今のような非常時には、普段とは異なる大きな決断や浅はかな変更をしてしまいがちです。しかし、マーケターの強みは、顧客の関心に合ったメールをタイムリーに配信するため、変化するニーズを通して物事を戦略的に考えられるところです。

新型コロナウイルス感染症の影響を受けるなかで、当社では、メールの内容を臨機応変に調整し、学生や見込み客に響くコミュニケーションのあり方を見つけるために、セグメンテーション戦略を大いに活用するようになっています。

Brent Patrick氏 | Scale Computing社 シニアマーケティングマネージャー

Q: この3月以降、難しい時期への対応として、メールマーケティング戦略にどのような変更を加えたか教えてください。

A: 既存のセグメンテーションを見直しています。

新型コロナウイルス感染症は、顧客、パートナー、見込み客それぞれに影響を与えています。そのため、長期的な視野に立って既存のセグメンテーションを見直し、大きな変更を加えることを余儀なくされています。

特に今のような状況では、有益でありながら楽観的すぎないコンテンツが必要です。当社のメール戦略にもその考えが反映されています。戦略の一環として、この時期でもつながりのある特に限定されたセグメントに対して、世間の状況に合ったメールを配信しています。

Alex Stanton氏 | Slalom社 コンサルタント

Q: あまり知られていない、メールの書き方のコツを1つ教えてください。

A: テストが必要なことは大半のマーケターが知っていますが、1回すれば終わりではないと気づいている人は少数派です。

個々のメール、ナーチャリングキャンペーン、そして自動応答機能でさえ、継続的にテストする必要があります。

テストは分析を伴いますが、ほとんどのマーケターは開封率とクリック率を出したところでやめてしまいます。信頼性の高いアトリビューションモデルを使った、より成熟した環境ならば、キャンペーンを収益に結びつけてROIを意識しながらテストを実施できます。たとえば次のようなテストを検討する必要があります。

  • セグメントをどこまで細かくすべきか。
  • CTA要素はHTMLボタンにすべきか、それともテキストのハイパーリンクにすべきか。
  • レイアウトにカラフルなヘッダーを入れるべきか、それとも省くべきか。
  • メールの適切な長さはどれくらいか(文字数、段落数)

高校の生物学の授業を思い出し、科学的な手法(英語)を適用しましょう。テストする要素は一度に1つとし、測定と記録を繰り返します。好奇心を持ち、予想外の出来事を楽しみ、変化を受け入れてください。

このたび貴重な時間を割いて、共感的なアプローチや顧客との個人的なつながりを維持する方法について豊富なナレッジを紹介してくださったマーケティング分野のTrailblazerの方々に心から感謝します。ここで取り上げた内容が、皆さんの今後のメールマーケティング戦略のお役に立てば幸いです。

Leading Through Change – いま、私たちができること。-」シリーズでは、ビジネスとリーダーシップのヒントになるさまざまな記事をご紹介しています。他の記事もぜひご覧ください。Salesforceのブログニュースレターにご登録いただければ、最新情報をいち早くお届けします。ご登録はこちら

ビジネスに役立つコンテンツを定期的にお届けします