第3回:DX時代に成功するマーケティング施策の見いだし方と活用支援

 

多くの企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を志向するなかで、カスタマーサクセス(クライアントの成功)の実現には、どのような取り組みが必要なのでしょうか。見込み顧客を見つけ出し、優良顧客へと導く「最短ルート」を具体的に示し、カスタマーサクセスを最大化する、その取り組みにはマーケティングソリューションの活用が必須です。

そこで、マーケティングソリューションの導入前に踏まえておきたいポイントについて、「組織的課題」「ビジネスKPIの考え方と設定方法」「DX時代に成果を出すための具体的なソリューションの活用法」「有効なデータ収集と処理」をテーマに4回シリーズでお届けします。

第3回は、執行役員 カスタマーサクセス統括本部 デジタルマーケティング本部長の川崎 哲也が、DX時代にお客様のビジネスを成功に導くデジタルマーケティング施策の見いだし方と、その活用支援について解説します。

 

お客様を成功に導くためのマーケティング施策のあり方とは

デジタルマーケティングに取り組んでいる企業の多くは、競合他社の取り組みを参考にしているでしょう。ただし、同じ業界であっても各社でビジネスは異なりますし、目標も違ってきます。他社と同じマーケティングツールを活用し、同じような施策を実施するのが正しいとは限りません。ビジネスの手法や目指すべきゴールが違うなら、デジタルマーケティングのやり方も違ってくるはずです。

お客様にとっての本当のサクセス、カスタマーサクセスという観点に立てば、大切なのは「自社が定めたゴールにたどり着くための、自社オリジナルのマーケティング施策をいかにして生み出すか」ではないでしょうか。

そのためには、常にトライ&エラーを繰り返し、結果を分析して新しいオリジナルの施策を考えるというPDCAを回していくことが大切です。世の中の動向や自社のビジネスを踏まえて、お客様ご自身で考え、ツールを理解して使いこなし、行動を起こすことが必要になります。

つまり、お客様ご自身でオリジナルのマーケティング施策を見いだし、実施していくことが、DX時代に自社のビジネスを成功に導く鍵を握るのです。そのためにSalesforceではさまざまな支援策を提供しています。

 

お客様がご自身で理解し、実践できるようにするための支援

お客様の成功を支援するSalesforceのリソース、プログラム、サービスとしては、例えば、カスタマージャーニーワークショップがあります。これは、優良顧客と見込まれるターゲットをペルソナとして明確に定義し、購入に至るまでの理想的な流れを作るというワークショップです。このワークショップを通して、お客様が思い描く理想的な形、例えば「ペルソナに向けてどのようなタイミング、どのような形で自社の商品やサービスを売っていきたいのか」を、具体的なイメージとしてあぶり出していきます。

このワークショップを通して、本当の課題が明確に見えてくることもあります。例えば、あるクリーニング店では、「新規顧客を増やしたい」という要望を持っていました。その店は、価格帯が同業他社に比べて高いこともあって、クオリティの高さを理解していただいている消費者には利用されているものの、新規顧客を増やすことが困難になっていました。

そこでワークショップを通して見つけた答えが「工場見学」という施策でした。クリーニング工程を実際に見学してもらうことで、多くの消費者に「これだけ手をかけているのだから、あの価格帯には納得できる」と感じていただけました。そして、この施策を実施したことで、価格とクオリティをご理解いただける新規顧客を増やすことに成功しました。

この事例は、自社のサービスのクオリティを理解していただいたことが、「価格が高くても納得できる」と考える新規顧客の増加に結びついたケースです。もし、同じ価格帯、もしくは安価にサービスを提供する同業他社の施策を参考にしていたら、「値引きキャンペーン」などを実施していたかもしれません。一時的に新規顧客を増やすことには成功しても、クオリティの高さを理解してもらえる新規顧客を獲得するという中・長期的な目標を達成することはできなかったでしょう。

このワークショップには、Salesforceのカスタマーサクセスマネージャー(CSM)が参加し、ワークショップが成功するようにお客様を支援しました。ただし、ワークショップの主役は、あくまでお客様ご自身です。大切なことはお客様自身が、オリジナルのマーケティング施策とは何かを理解し、実践できるようになることです。

 

3タイプの支援メニューをラインアップ

ワークショップ以外にもSalesforceでは支援メニューを大きく3タイプに分けて取り揃えています。お客様ご自身が、オンラインで好きなタイミングでデジタルマーケティングについて学習できる「いつでも利用できるリソース」と、主にCSMがお客様に寄り添う形で支援する「定着化プログラム」、そして、コンサルティングやアドバイザリーサービスなどの「プロフェッショナルサービス」の3タイプです。

 

3タイプの支援メニューを用意

 

「いつでも利用できるリソース」には、自ら学習するためのTrailheadや、困ったときに調べられるヘルプポータル、お客様同士のコミュニティなどがあります。Marketing CloudなどのSalesforceのツールは、機能が豊富で、導入されたお客様がすぐにすべての機能、有効な活用法を把握して使いこなすことは、残念ながら「容易である」とはいえません。また、各ツールも随時機能を追加しています。そこでTrailheadには機能の紹介や活用法解説のためのコンテンツも用意されています。

ちなみにTrailheadは、Salesforceの製品やサービスに限定せず、AIやIoT、第4次産業革命など、幅広いテーマを取り上げています。デジタルマーケティングを実践するには、マーケティングに限らず、世の中全般、IT業界のトレンドについて知っておく必要があるからです。このTrailheadは無償で受講でき、Salesforceユーザー以外のすべての人にも公開しています。

 

自ら学習するためのTrailhead

 

「定着化プログラム」には、ワークショップやイベントなどが含まれます。定期的に開催されるイベントでは、CSMなどのSalesforceのスタッフがデジタルマーケティングに役立つセミナーなどを開いています。先にご紹介した「いつでも利用できるリソース」が、世の中のトレンドも含めて理解を深めるものであるのに対し、「定着化プログラム」は自社のビジネスにオリジナリティをもたらし、デジタルマーケティングを定着させるためのものといえます。

「プロフェッショナルサービス」には、コンサルティングやアドバイザリーが含まれ、実際にSalesforceの製品を導入、構築、活用する段階で提供されるものです。自社オリジナルのデザイン、機能のカスタマイズといったご要望、「さらなる成果を求めたい」といったご相談をいただいた際に、お客様のビジネスをレビューして課題発見などのアドバイスを提供しています。

 

最適なタイミングで最適な支援を受けられるようCSMがサポート

このように、さまざまな支援メニューがラインアップされていると、どれを利用すればいいのか迷うかもしれません。そのため、CSMがお客様ごとに必要なコンテンツを選んでいただけるよう支援しています。

 

効率よくSalesforceの製品やサービスを活用できるように学べるフローを用意

 

まず、ご契約後には、「このメニューをこの順番で利用すると、これだけのノウハウ、知識が習得でき、デジタルマーケティングを推進できるようになる」という活用促進ラーニングパスを作ります。

一つ一つの支援メニューは「点」にすぎませんが、適切なタイミングで適切なメニューを順番にこなしていくことで、点と点が有機的につながり、やがて大きな知見となり、DX時代に必要なデジタルマーケティングを推進するための力となっていくでしょう。

 

Salesforceでは、ソリューションの提供だけでなく、ワークショップなどさまざまな支援メニューを用意しており、このようなプロセスがうまく回るよう支援しています。デジタルマーケティング推進に不安をお持ちであれば、ぜひコンサルティングを含めてご相談ください。

 

【解説者紹介】

株式会社セールスフォース・ドットコム
カスタマーサクセス統括本部
デジタルマーケティング本部長
執行役員
川崎 哲也


次回は、「有効なデータ収集と処理」について解説します。


Salesforceプロフェッショナルサービスに聞く!

マーケティングソリューション導入前に踏まえておきたいポイント

第1回:マーケティングソリューション導入の成否を分ける「組織的課題」

第2回:成果に結びつくビジネスKPIの考え方と正しい設定方法

第3回:DX時代に成功するマーケティング施策の見いだし方と活用支援

第4回:デジタルマーケティングを成功に導くデータの「収集と整理」の仕方