新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大をきっかけに、オンライン営業を取り入れる企業が増えてきています。対面を伴わずにインターネット上で営業する手法ですが、実際にどのように進めればいいのか、しっかりと理解できている人はまだそれほど多くはないでしょう。

そこで今回は、オンライン営業が現在どのぐらい行われているのか、また成功させるには何を意識すれば良いのかについて解説します。

 

オンライン営業が普及しつつある

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大とそれに伴う外出自粛下では、会議や打ち合わせでビデオ通話を使う機会が増えました。そうした流れを踏まえ、営業手法の一つとして確立されつつあるのが「オンライン営業」です。経営者向けマッチングサイト運営などを事業とするオンリーストーリー社の調査では、オンライン営業の導入に関して以下のような結果が報告されています。

 

コロナ禍前の営業手法…「オンライン」12%、「オフライン」76.8%、「どちらともいえない」11.3%

コロナ禍後の営業手法…「オンライン」36%、「オフライン」38.3%、「どちらともいえない」25.8%

今後中心とする営業手法…「オンライン」28.5%、「オフライン」32.3%、「どちらともいえない」39.3%

 

この結果から、対面を必要とする営業スタイルは確実にその割合を減らしており、その一方で新しい営業スタイルとしてオンライン営業が台頭し始めていることがわかります。

 

オンライン営業のプロセス

従来の訪問営業とオンライン営業では、そのプロセスがまったく違います。それぞれのプロセスについて見てみましょう。

 

従来の営業のプロセス

対面を必要とする従来の営業の基本的な流れは、以下の通りです。

 

見込み客リスト作成

アポイント獲得

商談

クロージング

成約(契約・受注)

 

見込み客リストの作成からアポイント獲得までは社内で行い、商談から成約までの過程において実際に訪問して営業活動をするというのが一般的な流れです。

 

オンライン営業のプロセス

オンライン営業においても、基本的な流れは訪問営業と変わりません。最も大きな違いは、商談から成約までのすべての流れをオンラインで行うということです。

商談ではWeb会議ツールなどを利用し、リアルに対面することなく話を進めていきます。商談に必要な資料やプレゼンテーションも画面上で共有します。また、成約後は電子契約サービスを活用し、契約書を結びます。このようにして商談~成約まで基本的に非対面でのやりとりが可能となるのです。

 

オンライン営業を導入するメリット

従来の対面営業に慣れている人にとって、オンライン営業の導入はハードルが高いことかもしれません。オンライン営業にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

 

コストカットにつながる

オンライン営業を導入すると、様々なコストの削減が可能になります。会社と取引先の間を行き来する交通費、対面時に手渡す資料などのコピー代や紙代、インク代などは、長期的に見ると非常に大きな出費となるものです。

 

時間効率が良い

取引先への移動時間が削減できるため、その時間を他の業務に充てることができるようになり、生産性の向上につながります。また、一度の訪問で多くの事柄を伝えなくてはいけない対面営業に比べ、短時間で、かつ複数回に分けて商談を行うケースが多く、商談回数を増やすことで信頼を獲得することもできます。

 

営業対象の拡大

対面の場合、時間や交通費の問題でどうしても営業に行けない取引先もあります。しかしオンライン営業であれば、遠方の企業とも気軽にコミニケーションができます。エリアにこだわらず全国各地、また世界を舞台に営業活動を展開することが可能となります。

 

オンライン商談の注意点

もちろん、オンライン営業が良いことばかりであるとは限りません。商談において注意すべき点をしっかり押さえておくことも必要となります。

 

対面とは異なる表現方法

訪問営業で重要なテクニックとなるボディランゲージは、身振り手振りを使ってお客様に伝えます。しかしオンライン商談の場合、ボディランゲージを画面越しに伝えるのは難しいことです。これまで対面でボディランゲージを駆使してきた人は、画面上でも伝わるよう工夫する必要があるでしょう。

 

ストレスを与えない環境づくり

オンライン営業では、取引先や自社の通信環境によっては通信障害が起こる場合があります。仮に自社の通信環境をしっかり備えていたとしても、相手側の通信環境が悪ければ商談をうまく進めることはできません。しかし、自社の通信環境のせいで取引先にストレスを与えないよう、万全の通信環境を整える必要があります。

 

ゴールを明確化する

対面を伴わないがゆえに、話がまとまりにくいという難点もあります。本当に話したい内容にたどり着くまでに時間がかかったり、その話を切り出すタイミングが難しかったりすることも珍しくありません。そこで重要なのが「この商談では何を決めたいのか」をお互いにはっきりさせておくことです。

そのための対策となるのが、「目的スライド」の作成・共有です。目的スライドについては下記記事で紹介しています。

オンライン化した営業現場のリアル Salesforceの営業はいま フィールドセールス編

 

ツールを導入する

オンライン営業に活用できるのは、ビデオ通話ツールだけとは限りません。うまく利用することで効率的に商談することが可能となる便利なツールが他にもあります。

 

Quip

Salesforceのコラボレーションツール「Quip」を使えば、課題を常に共有しておくことができます。次回の商談までに思いついた新しいアイデアや意見を記載することができるので、より質の高い商談を実現できるはずです。

次回商談までにやるべきタスクも書き込めますし、営業進捗もリアルタイムに共有が可能。今、どこの会社と何を話しているのかを簡単に見える化できます。

 

Salesforce Essentials

顧客管理用のためにこれまでよく使われてきたのは、スプレッドシートやメールなどでしょう。しかし、これらのツールで顧客を一元管理するのは容易ではありません。そんな時に手軽に使える顧客管理システム(CRM)が「Salesforce Essentials」です。

顧客データを一元化できるので、営業プロセスを管理し、顧客の迅速な獲得につなげることができます。

 

まとめ

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、未だ私たちに大きな影響を与えています。そのため、今後も対面を伴う訪問営業を全面的に続けるのは難しいでしょう。それを考えれば、オンライン営業の台頭は自然の流れともいえます。

そうした時代の流れにうまく適応しながら新しい営業スタイルを構築することは、営業活動を行うすべての企業において欠かせないものです。今回の記事を参考に、より良い営業環境を見つけてください。

 

参考文献:コロナ禍で成約率3割悪化、“オンライン営業”は3倍に