顧客が求めているのは迅速な解決だけでなく、柔軟で親身な姿勢

 

顧客との間でロイヤルティの維持と信頼関係の構築とを同時に成功させるのは、かつてないほど難しくなっています。その点については、どのビジネスリーダーも同意するでしょう。実際、顧客の90% が「危機の最中にどのような行動を取るかで信頼できる企業かどうかがわかる」と回答しています。

企業が現在および将来にわたって顧客との信頼を構築し、ロイヤルティを高めていくうえで、カスタマーサービスは中心的な役割を担います。在宅でのコンタクトセンターの運営や新しいビジネスモデルに対応しながら、顧客の期待に応えるには、カスタマーサービスの戦略の鍵を見直す必要があります。具体的には、サービス担当者がこれまで以上に戦略的な役割を担うためのサポートや、就労時の安全確保などです。

本稿では全世界33か国、7,000名以上のサービスプロフェッショナルから得たインサイトをもとに作成した『第4回 カスタマーサービス最新事情』から、いくつかのアドバイスをまとめました。カスタマーサービス戦略の見直しの際に、お役立ていただければ幸いです。この記事は長いため、各セクションにジャンプしてお読みください。

 

 

セクション1:期待を超える

顧客が求めているのは迅速な解決だけでなく柔軟で親身な姿勢です。それでは、カスタマーサービスへの新たな期待に応える方法をご紹介しましょう。

 

 

“私はEQ(心の知能指数)を使って、顧客に共感し、最適な解決策を提供してきました。そうすることで、気に入らないものを糾弾する行為、いわゆるキャンセルカルチャーにつながるような顧客体験は未然に防ぎ、顧客ロイヤルティを向上させてきました”

 Shonnah Hughes氏 (英語)、Survey Monkey社、CXリード

 

共感する

71%の消費者 (英語)が、「パンデミックの最中に共感を示してくれる企業は顧客ロイヤルティを獲得する」と回答しています。ここからわかることとして、① EQ(心の知能指数) (英語)を使ったベストプラクティスを教育しましょう、② 顧客と組織の立場でロールプレイを行いましょう、③ サービス担当者に肯定的な言葉を使うように促しましょう。例えば、「それは当社のポリシーに反しています」と伝えるのではなく、「その問題には、このように対処することが出来ます」と伝えるようにしましょう。

 

サービス担当者をスーパーヒーローに変える

サービス担当者は、適切なデジタルツールを活用することで、顧客情報やこれまでのやり取りを検索せずに、時間を効率的に使うことができます。サービス担当者に包括的なサービスプラットフォームを用意して顧客の全体像を把握させましょう。 

電話での案内の例を見てみましょう(顧客はメールよりも電話を好みます (英語))。サービス担当者にクラウドテレフォニー (英語)を提供し、顧客対応に専念できるようにします。クラウドテレフォニーでは、通話が自動的に、リアルタイムで文字起こしし、画面に表示することが出来ます。同時に、サービス担当者は包括的な顧客情報にアクセスしてお客様の状況を把握し、パーソナライズされたサービスの提供が可能です。

 

“VIZIO社では、新型コロナウイルスの影響でビジネスモデルに課題が発生しましたが、今日まで滞りなくサービスを提供し続けています。当社はサービス担当者が仕事をしやすい環境の整備に専念してきました。以前から現場にはベストプラクティスがあり、適切なサービス管理ソリューションを導入していました。

 Jim Mitchell氏 (英語)、VIZIO社、シニアビジネスシステムアーキテクト

 

柔軟に対応する

83%のサービス担当者は、「パンデミックの最中に顧客に柔軟な対応をするためにポリシーを変更した」と回答しています。高い業績を上げるチームのサービス担当者(すなわち顧客満足度の高いサービス担当者)なら、おそらく明晰さを備え、勇気づける言葉に富み、柔軟に顧客対応する訓練を受けていることでしょう。 
重要なのは、最新情報を定期的に伝えるということです。オンライン学習モジュールを用意して、サービス担当者に新しいプロセスを伝えるトレーニングを提供しましょう。 そして組織のナレッジベースを常に確認し、最新の状態になっているかを確認しましょう。

 

“83%のサービスプロフェッショナルは、「パンデミックの最中に顧客に柔軟な対応をするためにポリシーを変更した」と回答しています。

 Salesforce『第4回カスタマーサービス最新事情』

 

セクション2:縦割り型思考から脱却する

67%の顧客が、部門間での一貫性のあるやり取りを期待しています。しかし、53%が「全般的に営業、サービス、マーケティングの部門間で情報が共有されていないように感じる」と回答しています。

次のようにして、部門間の協力体制を構築できます。

 

チームの足並みを揃える

組織内の全員が顧客体験に影響を及ぼします。顧客を中心にチームをまとめる必要があります。共通の目標を設定しましょう。継続的なコミュニケーションとコラボレーションを促しましょう(こちらの『Customer 360プレイブック』が役に立ちます)。

 

IT部門の協力を得る

カスタマーサービスのチャネルの複雑化、デジタル化が進んでいます。別の言い方をすると、IT部門とのパートナーシップが欠かせないということです。88%のサービス部門の意思決定者が、IT部門を戦略的パートナーと呼んでいます。テクノロジーに関する戦略と選択を、IT部門と共同で行いましょう。

 

“88%のサービス部門の意思決定者が、IT部門を戦略的パートナーと呼んでいることをご存じでしたか?

 Salesforce『第4回カスタマーサービス最新事情』

 

全体像を把握する

「必要な情報を1つの画面で確認できる」と回答したサービス担当者は半数未満(48%)でした。質の高いサービスを確実に提供できるようにするには、サービス担当者がサービス履歴、これまでのやり取り、顧客の嗜好データにアクセスできる必要があります。それには、Salesforce Customer 360のようなプラットフォームが役に立ちます。プラットフォームを使えば、データを単一の情報源に集約し、誰もが顧客の全体像を把握して、顧客が望むパーソナライズされたサポートを提供できるようになります。

 

データを活用する

「戦略的なビジネス判断をするうえで優れたデータ活用能力 (英語)を備えている」と回答したのは、サービス部門の意思決定者の3分の1以下(30%)でした。これは、複数のシステム上に分散しているデータを分析するのが難しいためです。データを統合するには、MuleSoftのようなツールが役に立ちます。MuleSoftは、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)でデータを統合するインテグレーションソフトウェアを備えており、サービスのパフォーマンスを包括的に把握できます。

 

セクション3:規模の拡大に適応する

顧客からの問い合わせが増加しているのに、サービス部門の予算と人員は大抵、現状維持か削減の憂き目に遭っています。

少ないリソースで多くの業務を遂行するためには、次のようなヒントが役に立ちます。

 

チャットボットでサポート業務を拡大する

サービス部門では、2018年以来、チャットボットの導入が約3分の2(67%)も増加しています。チャットボットは、注文状況やパスワードリセットなど、よくある問い合わせに対応するうえで重要な役割を果たします。サービス担当者による対応が必要なケースでは、チャットボットが顧客データを収集してサービス担当者と共有し、ケースの解決に必要なすべてのデータをサービス担当者が確保できるようにします。

 

"当社でもオンラインでのやり取りを望む顧客は増えています。ボットのようなテクノロジーを活用することで、電話による問い合わせを削減し、効率化を図る余地は大いにあります。

Janet Cutler氏 (英語)、Modern Star社、セールスフォースイノベーション責任者

 

タスクを自動化する

77%のサービス担当者が、「ルーティンタスク(基本情報や顧客からのフィードバックの収集など)を自動化することで、より複雑な業務に集中できるようになる」と回答しています。オートメーション機能を活用 (英語)することで、サポート業務を拡大し、ケースをより迅速に解決し、ケースを分類して適切なスキルを持った対応可能なサービス担当者に割り当てることができます。オートメーション機能の活用によって、チャットボットに情報を収集させて、よくある問い合わせを解決させることもできます。

 

"77%のサービス担当者が、「ルーティンタスク(基本情報や顧客からのフィードバックの収集など)を自動化することで、より複雑な業務に集中できるようになる」と回答しています。

 Salesforce『第4回カスタマーサービス最新事情』

 

アクションを予測する

AI(人工知能)はデータを分析し、さまざまなアクションを開始する機能を持っています。そのため、顧客から配送先の変更方法に関する問い合わせがあった場合、AIがサービス担当者に次に必要なステップを促すことができます(AIをカスタマーサービスにどのように適応させるか (英語)については、こちらをご覧ください)。

 

セクション4:チームをサポートする

多くのサービス担当者は、将来を楽観的に捉えています。「明確なキャリアパスを描いている」と回答したサービス担当者は、2018年の59%から67%に増加しました。

 

チームの成長を促進する方法をご紹介しましょう。

 

トレーニングに投資する

サービスチームは、顧客満足度を維持するという主な業務に加えて、価値の高い新しいセールスチャネルとして機能するようになり、ますます評価が高まっています。myTrailhead (英語)のようなデジタルトレーニングツールを活用して、クロスセルやアップセルのテクニックを提供しましょう。 一方で、一時的な店舗の閉店や一時解雇の影響を受ける従業員にトレーニングを提供して、サービスやサポートの業務を行えるようにしましょう。62%のサービス部門が、「パンデミックの最中に他部門の従業員がカスタマーサービス業務を行った」と回答しています。

 

"サービス担当者は、将来を楽観的に捉えています。「明確なキャリアパスを描いている」と回答したサービス担当者は、2018年の59%から67%に増加しました。

 Salesforce『第4回カスタマーサービス最新事情』

 

多様性の尊重に取り組む

多くのブランドが、多様性の尊重とアクセシビリティを後押しする姿勢を明確に打ち出しています。しかし、やるべきことはまだまだあります。5人中4人のサービスプロフェッショナルが、「顧客と従業員のアクセシビリティを確保するために、正式なポリシーを設定している」と回答していますが、真の意味で誰もが利用しやすいサービスやキャリアはほとんど提供されていないのが現実です。サービスをより誰もが利用しやすい (英語)ものにし、障がいのある従業員が業務を遂行するために必要なツールを確実に利用できるようにしましょう。

 

コラボレーションを促す

大半のサービスプロフェッショナルが、「2021年も引き続きリモートワークをしている、あるいは将来の働き方は不透明だ」と回答しています。コラボレーションドキュメントのようなデジタルツールをチームに提供して、リアルタイムでどこからでも共同作業ができるようにしましょう。 企業向けソーシャルネットワーク従業員コミュニティでチームの連携を促して、士気を高めましょう。 

 

ビデオによるサポートを提供する

70%の消費者が、依然として他のサービスよりも対面でのサービス (英語)を希望すると回答しています。現場にいる時間を短縮するか、または実際の訪問をすべて廃止して、Visual Remote Assistant (英語)を使ってモバイルワーカーの安全を確保しましょう。電話やビデオで顧客とモバイルワーカーを繋ぎ、顧客の必要とする手順をリモートで案内しましょう。また、経験豊富なモバイルワーカーには、リモートで現場の技術者に問題解決方法をサポートしてもらいましょう。

 

従業員の安全を確保する

82%の顧客が、「今年の危機的状況下での従業員への対応が、その企業から商品を購入する際の判断に影響を及ぼす」と回答しています。企業が新しい働き方に適応できるようにサポートするWork.comのソリューションが役に立ちます。従業員の衛生と健康を評価し、従業員に新しい安全に関するトレーニングを提供し、ウイルス感染の可能性を減らすようシフトを管理しましょう。

 

"従業員の安全は、最優先事項です。当社は、現場の作業員と信頼関係を構築し、顧客に対するのと同様に作業員の健康と安全の確保に取り組んでいることを伝えるために、新型コロナウイルス対策の就業前チェックリストを作成しました。

 Greg Peckham氏 (英語)、Snap Install社、技術責任者

 

次のアクションに繋げましょう

次のサービス戦略の策定に移る準備はできましたか?まずSalesforce『カスタマーサービス最新事情』の最新の調査結果を確認し、ハッシュタグ#StateofService を使用してソーシャルメディア上での会話に参加しましょう。

顧客との信頼関係を構築し、ロイヤルティを獲得・維持しながら、期待を超えるカスタマーサービスを提供する方法については、Service Cloudをご覧ください。

 


 

 

Mark Abramowitzは、インターネット業界での豊富な経歴を持つ、マーケティングおよび製品部門を統括するSenior Vice Presidentです。

Markが執筆した記事 (英語)