新型コロナウイルス感染拡大による日本での緊急事態宣言発令から、1年が経とうとしています。保険業界も大きな影響を受け、例えば現状の運営方法には弱点があり、柔軟性と可視性を高めなければならないことが明らかになりました。一方で、技術的にも、生活者のニーズへの対応としてもテクノロジーの進化をみることが出来ました。新型コロナウイルスの危機は、このテクノロジーを活用することで保険業界を再建し、よりアジャイルかつ強力で、優れた業界に変えるチャンス    にもなり得ます。

 

パンデミックが及ぼす被害

被害の全貌はまだ明らかにはなっていないものの、おおよその傾向や影響は明らかになっています。

  • 世界の GDP は最低でも 5.2%減少するとみられており、それに応じて保険市場も縮小するでしょう。
  • 請求件数が増加し、訴訟が起こり、政府がシャットダウン期間の影響緩和を図る中、保険市場に出回る商品も変化するはずです。既存の商品に変更が加わり、新商品(そして新しい商品カテゴリー)が登場し、エコシステム全体が変化への対応を迫られるでしょう。
  • 世界中でシャットダウンが行われた結果、保険業界だけでなく社会全体がデジタル化しました。新型コロナウイルス危機の影響で初めてデジタルチャネルを使用した人の割合は 75% に達しています。

インシュアテックへの投資、顧客からの要求、他業界で進むデジタル化などの影響を受け、保険会社も過去数年にわたって徐々にデジタル変革を進めてきました。そこに世界規模のロックダウンの影響が加わり、この流れが飛躍的に加速したことにより、業務のオンライン化のニーズが高まり、より包括的なデジタル化が進むでしょう。2020 年 1 月の時点では、多くの保険会社はデジタル変革を戦略上「あると便利」なものとして、また、競争優位性を獲得するための手段として捉えていました。それが、2020 年 6 月の時点では、大半の保険会社が、今後業界で生き残っていくためにはデジタル変革が不可欠だと考えています。

保険会社と直接関わってきたSalesforceの経験に即して言えば、保険会社の約半数が、クラウド化など何らかの最新デジタルテクノロジーを業務支援のために導入しています。この半数の企業は、テクノロジーに投資してこなかった企業と比べて、在宅勤務への移行にかなり成功しています。パンデミックの影響はまだ続いており、今後学ばなければならない教訓も残っています。しかし、今は再建に取りかかるべきときです。今こそテクノロジーを最大限に活用し、“バイオニック”な保険会社となるべきなのです。

 

"バイオニック"になる

保険業界でも効率化とコスト削減のために情報テクノロジーを導入する企業は増えていますが、保険業界での業務の主役は変わらず人であり、人と人とのやり取りがビジネスと信頼関係構築の大部分を支えています。これは、損失を被った保険金請求者に共感を示す査定担当者や、代理店との人間関係を構築する引受担当者など、あらゆる業務に言えることです。保険会社が市場にもたらす価値や、競合他社との差別化を図る要因の大半は、この人の力によるものです。

テクノロジーを活用し、“バイオニック” になるということは、こうした人の力をテクノロジーで代替するということではありません。その目的は、人の力を強化することにあります。“バイオニック” になるということは、保険業界の人間的な側面にテクノロジーの力を融合し、拡張することで、保険業界をよりアジャイルかつ強力で、優れた業界に変えることです。

保険業界には、人間のスキルとそれをサポートするテクノロジーを融合するための下地が十分に整っています。人間が発揮している能力をテクノロジーによって強化することが最重要課題です。その方法は、セルフサービス機能の改善のほか、接客中の営業担当者に対して、顧客に関する詳細なインサイトや次の打ち手を提示するなど、多岐にわたります。

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『テクノロジー変革の責任者として私が常に模索してきたのは、人間をテクノロジーで置き換える方法ではなく、人間の能力をテクノロジーで強化する方法です。人々が保険に加入するのは、車を守り、家を守り、そして、家族と家計を守るためです。知識豊富な代理店を適切なテクノロジーでサポートすることが、最高の顧客体験の提供につながると考えます』

Drew Burks 氏 Goosehead Insurance

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考え方そのものを変える

業務のオンライン化・プロセスの自動化・新商品の展開など、“バイオニック” になるために保険会社が身につけ、展開していかなければならない能力は多岐に渡りますが、しかし最も重要なのは、考え方を変えることです。

保険会社は、今後業務に取り組んでいくにあたり、変革的な考え方に適応していく必要があります。失敗を恐れたり、対応を数年先延ばしにしても平気と感じてしまうことで、業界内でイノベーションが起こりにくくなりがちですが、このような状況を打開していかなければなりません。

新型コロナウイルスは、保険業界の問題点を映し出す鏡の役割を果たしています。そうした問題を解決して今後の危機や業界内の変化に備えるには、まずは日常の変化に適応し、変化に必要なシステムや環境を構築していく必要があります。不適切なテクノロジーを選んだからというだけの理由でプロジェクトが失敗することはまれです。失敗のほとんどは、企業が変化を受け入れられなかったこと、適応できなかったことが原因です。

変革的な思考は、経営陣から推進しなければなりません。さらに、変革プログラムを成功へ導くには、チェンジマネジメントを変革プログラムと完全に一体化させなければなりません。

 

 

"バイオニック"な保険会社への道はマラソン

"バイオニック” な保険会社になるための道のりは簡単なものではありません。変革を成功へ導くために重要なことは 2 点。経営陣がビジョンを明確に提示すること、そして変革はスモールスタートして少しずつ進めていくことです。

マラソンでも、練習初日から 42.195km を走りきる人はいません。まずはマイルストーンを設定して、徐々に距離を伸ばしていきます。たしかに最初は大変ですが、多くのランナーはトレーニングが進むにつれて得ることができるベネフィットの価値にすぐに気がつきます。

変革とはマラソンであり、短距離走ではありません。それそのものが、生活の一部となるべきものです。

 

Salesforceができること

Salesforce はこれまでも、そしてこれからもデジタルファースト企業であり続けます。Salesforce は自社のクラウドモデルを活用し、長年にわたって保険会社の営業、サービス、マーケティング、アナリティクスをサポートしてきました。

2020年に買収したVlocityを統合した世界No.1の保険特化型デジタルプラットフォームであるFinancial Services Cloudは、保険に特化したデータモデルによる顧客情報の行動な一元管理だけでなく、新商品の設計から見積、契約、保全、保険金請求まで、保険のコアトランザクション業務を全てシングルプラットフォームで実現することができるようになりました。

新型コロナウイルス拡大の影響で、不可欠と考えられるようになったデジタル変革を、迅速に、かつエンドツーエンドで御支援することが可能です。

Salesforceが見ている保険業界の環境変化と、その変化に対応するためにどのように"バイオニック"な保険会社を目指すべきかを明らかにしたebook「"バイオニック"な保険会社になる:新型コロナウイルス危機を乗り越え、よりアジャイルかつ強力で、優れた業界に変える」は以下のリンクから無料ダウンロードいただくことが可能です。是非ご覧ください。