トイレットペーパーの買い占めが発生した時期からすれば、私たちはかなり前進しました。顧客の期待と高度なテクノロジーによって、小売店が生き残るためにすべきことは大きく変わっています。

2020年は、小売業がその姿をすっかり変えた1年となりました。新型コロナウイルスが国境を越えた緊急事態を生み出し、食料品 (英語)をはじめとした生活必需品の需要が劇的に増加すると、デジタルも急激な成長 (英語)を示し、第2四半期単独で前年比71%増という前例のない成長を遂げました。店舗の営業再開後も、健康と安全に関する懸念が広がっている中で、非接触型決済、宅配、オンライン注文・店頭受け取り(BOPIS)、セルフチェックアウトなどの機能が重視されました。

 

 

カテゴリーやチャネルにさまざまな選択肢が登場し、消費者の購買行動が変化する中、小売店は俊敏性と危機対応力を発揮して、この難局に立ち向かい続けています。ここからは、小売の新時代において、すべての小売業者が取り組める課題対処方法と信頼構築方法をご紹介します。

 

マーチャンダイズの俊敏性と可視性を改善

新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた当初、買い物客はパニックになって手指消毒剤やミネラルウォーター、トイレットペーパー (英語)の陳列棚に殺到し、買い占めました。パンや缶詰類まで品薄になったほどです。3月13日~15日の3日間で、米国の食料品購入者の44% (英語)が、健康を維持し、次に起こりうる事態に備えるために、クリーニング用品、医薬品、パーソナルケア製品、食品を買いだめしたと回答しています。

そして現在、新型コロナウイルスの第2波が世界中に押し寄せています。商品需要の突然の予期せぬ変化には、以下のベストプラクティス(最善策)を念頭に置いて対処する必要があります。

 

 

非接触型のエンゲージメントを導入

感染拡大防止のために買い物客が自宅にこもるようになり、宅配の需要が飛躍的に増加しています。事実、Salesforceの予測どおり、業界ではラストワンマイル(商品を顧客へ届ける物流の最後の区間)の人材がひっ迫し、サイバーウィークの前の週からクリスマスの翌日までの期間(11月24日~12月26日)は、従来の運送業者が運搬可能な容量を5%オーバーする (英語)状態に陥っており、非接触型のエンゲージメントがこれまで以上に重要な課題となっています。

小売業界において、非接触型のエンゲージメントは次の3つに分類されます。

 

  • 非接触型の決済:これには、Apple PayやPayPalのようなモバイルウォレットだけでなく、携帯電話やウェアラブルデバイス、タップアンドゴーを用いるカード決済も含まれます。Salesforce消費者アンケート (英語)によると、顧客の37%が、新型コロナウイルス感染が広がる前よりも非接触型の決済手段をよく使うようになったと回答しています。

  • 非接触型の配送:人との対面を避けられる受け取り・配送サービスの拡充について、検討しましょう。小売業者はQuick Start Commerceソリューションを使用することで、顧客が希少商品を求めて複数の店舗に足を運んだり、店舗内で不要な接触をしたりしないよう予防策を取ることができます。 買い物客は、来店して注文品を受け取るか、もしくはカーブサイドデリバリーを利用できます。

  • 非接触型のサービス:接触を回避しつつ、より良い購入体験を提供するサービスの例として、オンライン試着や、商品受け取り場所に設置したデジタルスクリーンを通しての商品展示(購買意欲の喚起 (英語))、AI(人工知能)によって対面でのスタイリングなしで最適な商品を見つけられるようにサポートするサービスなどがあります。

 

安全対策の強化

健康と安全がかつてない脅威にさらされたことで、実店舗には、これまで必要でなかった対策が必要になっています。対面式のショッピングについては、次の対策を検討しましょう。

 

  • 高齢者や体が弱い顧客が買い物するための時間帯を指定する。Salesforce顧客アンケート (英語)によると、顧客の42%は、感染リスクが高い層のために営業時間を調整することを望んでいます。高リスク層の顧客については、店舗が最も清潔で在庫が潤沢にある朝の開店直後に迎えるとよいでしょう。

  • ソーシャルディスタンスを徹底する。アメリカ疾病管理予防センター(CDC)のガイドライン (英語)に従い、店舗内にいる人の人数を制限し、買い物客に2m間隔を空けるように案内する必要があります。一部の食料品店では、床にテープを貼って、買い物客が入店や精算を待つ際に立つべき位置に印を付けています。 

  • 清掃を強化する。営業時間を変更して、徹底的な清掃を定期的に行いましょう。店舗内の至るところに手指消毒剤のディスペンサーを設置し、買い物客と従業員がいつでも使えるようにしてください。

 

共感と創造力を発揮してエッセンシャルワーカーに報いる

食料品や医薬品の分野の従事者、特にレジ係や在庫担当者など、不特定多数の人と接触する業務に就いている人々は、新型コロナウイルス感染拡大の最前線で戦うヒーローです。人との距離が近い倉庫業務の担当者も、自らの健康を危険にさらしているといえます。責任者は、次のようなさまざまな方法でこうした人を継続的に支援できます。

 

 

 


 

 

Rob Garfはインダストリー戦略およびインサイトを担当するVice Presidentであり、Salesforceの小売業向けクライアントアドバイザリーボードの議長を務めています。プラクショナー(Lids、Marshalls、Hit or Miss)、業界アナリスト(AMR Research)、戦略コンサルタント(IBM)、ソフトウェアリーダー(Salesforce)としてグローバルな小売業における25年の経験を持ち、業界および小売業が直面する課題を熟知しています。Robのチームは現在、インダストリーリサーチを開発し、世界中のシニアエグゼクティブに統合エンゲージメント戦略に関するアドバイスを提供しています。業界イベントの講演も頻繁に行い、NRF(全米小売業協会)のDigital Councilのメンバーでもあります。

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