2021年9月9~10日の2日間にわたり、オンラインで44のセッションが行われた「Connections to You」。前回に引き続き、今回はその中からDay2に行われたライブセッションの内容を、簡単に紹介していきます。Day1(Day1のブログへのリンク設定)同様、各セッション終了後には、グラフィックレコーディングを用いたディスカッションの振り返りも行われました。

 

OMO ですべての顧客接点が結ばれる

顧客視点でデザインされたカスタマージャーニー

Day2最初のライブセッションは「OMO」がテーマ。TSIホールディングス 執行役員の渡辺 啓之 氏と、Bloom&Co. 代表取締役の彌野 泰弘 氏が登壇し、当社の向山 泰貴が進行役を務めました。

 


 

「O2O」から「OMO」へ(OMOを理解したい場合はこちら)。この流れの背景には、社会や顧客の変化があります。デジタルに慣れた結果、求められるものが機能的価値から情緒的価値へとシフトしているのです。そこでOMOでは、情緒的な価値をジャーニーにしっかりと組み込み、個人の心を満たしていくことが求められます。

そのためには、顧客行動の「原因」を定性調査で把握する必要があります。行動データから得られる定量調査はあくまでも「結果」であり、その「原因」がわからなければ、適切な施策を考えることはできません。まず顧客に関するインサイトがあり、それに対する価値提供を行うことで、結果に結びつく。この流れで考える必要があります。

自社にとってのロイヤルカスタマーが誰なのかを明確にすることも重要です。そこで求められている価値は何なのかを把握し、自社ならではの独自価値を提供することが、安売り合戦を避けて収益を上げていくためのポイントだからです。

OMOは目的ではなく、あくまでも手段の1つです。しかし企業戦略の中核に据えるべきものです。その本質はすべての顧客体験を結ぶことで、顧客理解の解像度を高めることにあります。これはビジネスの根幹であり、企業を永続させていく上で欠かせないものなのです。

 

組織の成長は人財にあり!

今考えるべき DX人財の育成と組織論

次は「DX人財の育成と組織論」をテーマにしたセッション。ANA人財大学 担当部長の新郷 雅史 氏と、アクサ生命保険 執行役員の齋藤 裕美 氏が登壇し、当社の三戸 篤が進行役を務めました。

 


 

日本ではDX人財が欧米に比べて圧倒的に不足しており、これが大きな課題になっています。日本でDXが遅れている要因の1つは、人的資本への投資が不十分なことだとも指摘されています。

なぜこのような状況になっているのでしょうか。大きく3つの要因があります。第1はDXで業務そのものをシンプルにするという発想に乏しいこと。第2はリカレント教育が不十分なこと。そして第3がIT企業にIT人材が集中しており、人材の流動性に乏しいことです。

DXを推進するには、ビジネスとITの両方がわかる人財が必要です。その確保について参考になるのがANAのケースです。

ANAでは全社員のDXリテラシー向上のため、ホームページでの情報提供やオンラインの教育コンテンツの提供、相談窓口の設置などを展開。また社内に「ANA人財大学」も設置し、人づくりとは「人間力✕専門性」という想いのもと、「知と技」「徳」「心」を伸ばす人財育成にも取り組んでいます。さらに、コアとなるDX人財の育成では、IT企業との人財交流や海外企業への出向も行っています。

その一方で外資系のアクサ生命保険では、積極的な外部採用でテクノロジー人財を確保。ここで重視されているのが、外部から来た人財がすぐに馴染んで力を発揮できる環境づくりです。そのために必要なのが「情報公開」「心理的安全性」「信頼と尊重」。また多様なバックグラウンドを持つ人々が力を合わせていくため、会社全体のビジョンである「私達の誓い」もしっかりと共有しています。

>>DX人材の育成に取り組む企業のやり方を知る

 

「ナラティブ時代」のブランディング論

~「物語的な共創構造」の生み出し方とその効果~

最後のライブセッションのテーマは「ナラティブ」。本田事務所 代表取締役の本田 哲也 氏、味の素冷凍食品 取締役専務執行役員の下保 寛 氏、当社の鈴木 祥子が登壇し、本田氏がナビゲーターとなり話が進められていきました。

 


 

ナラティブとは企業が生活者と一緒に紡ぐ物語です。演者が企業やブランドではなく消費者も参加すること、起承転結型ではなく終わりがないこと、舞台が社会全体であることが大きな特徴となっており、その起点は「創始者や企業の強い想い」です。

このBtoC事例の1つが味の素の餃子のケースです。Twitterへの「冷凍餃子を手抜きと言われた」という投稿に対し、味の素の公式アカウントが「手抜きではなく手”間”抜き」だとリプライ。これらが44万「いいね」、13.5万リツイートとなり、大きな議論を巻き起こしました。さらに味の素は「おいしい冷凍餃子の作り方」というビデオを制作し、工場で手間をかけていることを紹介。その最後に「仕上げはあなたのフライパンで」という余白を残すことで、消費者と共に紡ぐ物語を生み出したのです。

一方BtoBの事例としては、セールスフォース・ドットコムのケースを紹介。同社は顧客の変革を支援していますが、そのために全社員がブランドアンバサダーとなり、自分たちがどのようにSalesforceを活用し変革を起こしているのかを伝えながら、お客様を理解し、寄り添い、一貫した対応を行っています。ここで重視されているのが、信頼・カスタマーサクセス・イノベーション・平等という、自分たちが大切にしている価値観を、一人ひとりが自分の言葉で伝えていくことです。企業が自分らしくあり、それに共感して選んでもらうことで、これまで以上の次の世界を目指しています。

>>ブランディングに関するセッションを見る

 

ライブセッションの動画をオンデマンドで配信中

前回も述べたようにここに掲載した内容は、各セッションのエッセンスに過ぎません。「神は細部に宿る」の言葉通り、実際に登壇者が話し合っている様子を見ることで、エッセンスだけでは得られない気づきがもたらされるかも知れません。セッション動画はオンデマンドで配信されています。興味のあるテーマのセッションはぜひ、動画の視聴をお勧めします。