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保険もオンラインで買う時代へ

保険もオンラインで買う時代へ

オンラインで加入し、サービスを受けられる保険への期待が高まっています。デジタルを活用したダイレクトな保険を提供しましょう。

住宅、自動車、ペット、貴重品、健康、生命など、大切なものには、ほとんどの場合、保険をかけます。その保険が、オンライン化の傾向を強めています。調査結果(英語)によると、73%の顧客が保険プランのオンライン見積もりを希望しており、1/4近くの顧客はそれを強く要望していることが明らかになりました。オンラインで加入し、サービスを受けられる保険への期待が高まっています。デジタルを活用したダイレクトな保険を提供しましょう。

「効果的な意思決定を可能にするスピードでインサイトを得ることができている」と強く感じているマーケターは、わずか33%にとどまっています。

デジタル化への需要の高まりに対する業界の反応

保険のデジタル化とは、デジタルで加入できるようにすればいいという話ではありません。世界のさまざまな地域でパンデミックにより経済活動が制限されたため、多くの生活者や企業にとってはオンラインでの加入が唯一の選択肢となりました。その後1年を経て保険加入者は、デジタルの商品やサービスに対して、さらに充実したサポートを求める(英語)ようになっています。

これは保険業界にとって、まちがいなく大きなチャンスです。D2C(ダイレクト トゥー カスタマー)モデルへのテクノロジーの活用を進める革新的インシュアテック企業への投資も盛んに行われており、そこに未開拓の巨大な市場が眠っていることは明らかです。既存の保険会社も、デジタル技術の導入に積極的です。保険会社の経営幹部の64%(英語)は、今後D2Cの拡充を進めていく予定だと答えました。 

この分野で競争優位性を獲得するための3つのポイントをご紹介します。 

デジタル保険ジャーニーの全体を通じて顧客に対応

保険会社は、すでに他の業界に匹敵する効率的なショッピング体験を実現しています。だからといって、保険加入ジャーニーがスムーズに進むとは限りません。  

オンラインの顧客は、クレジットカード情報は躊躇なく提供しますが、見積もりのために個人情報を入力することはためらう傾向があります。Baymard Instituteの調査によれば、全業界におけるオンラインのカート放棄率が70%(英語)であるのに対し、保険と金融サービスにおけるカート放棄率は、83%(英語)に達しています。したがって、自動化されたリターゲティング戦略で、カート放棄された顧客に見積もり再開を促すのが効果的です。

しかし、効果的なアプローチを行うためには、そもそも顧客がなぜ保険に加入しようと思ったのかを理解しなければなりません。人が保険への加入を考えるのは、多くの場合、家を購入した、子どもが生まれたなど、人生に転機が訪れたことがきっかけです。 

つまり、保険はそうした顧客の立場に即したものでなければならないのです。保険会社が、市場をセグメント化し、いっそうパーソナライズされた提案を行うためには、顧客の置かれた状況についての情報をいかにして入手するかが課題となります。そのためには、顧客との直接的な関係を確立し、定期的なデジタルタッチポイントを提供することが重要です。オンラインなら、多くの顧客に瞬時に、しかも人間を介するよりも低コストでのアプローチが可能です。 

当社は、あらゆるデジタル体験を通じて顧客にアプローチ可能です。新しい市場にすばやく参入し、データを最大限に生かしたクロスセルや体験のパーソナライズを行っています。

Rafael Gonzalez氏
SingularCover社CEO

たとえばSingularCover社(英語)では、中堅中小企業や、個人事業主や、フリーランス向けにシンプルで柔軟な保険プランを提供しています。保険ソリューションを完全にデジタル化し、カスタマイズされたプランを提供することで、顧客満足度を向上させました。最近行われたSalesforceのWebセミナー(英語)で、SingularCover社CEOのRafael Gonzalez氏は次のように語っています。「当社は、さまざまなデジタル体験を通じて顧客にアプローチします。新しい市場にすばやく参入し、データを最大限に生かしたクロスセルや体験のパーソナライズを行っています」

さまざまなチャネルを駆使し、顧客の好みのデバイスでアプローチ

顧客のメディア消費時間の56%(英語)はオンラインに費やされており、したがって、多くの顧客がデジタルチャネルで取引を開始しています。事実、保険会社へのモバイルアプリからのアクセスは2021年に26%(英語)増加しました。しかし、顧客が特定の補償範囲についての問い合わせや、商品の選択が適切かどうかの確認のために、担当者と直接話をしたい場合もあります。そうした需要に応えるには、オンライン体験と対面のやりとりをつなぐオムニチャネルのプロセスを構築し、包括的な顧客インサイトにもとづいたアドバイスを提供しなければなりません。  

スムーズで一貫した対応が求められます。最初にスマートフォンからサイトにアクセスして見積もりを中断した顧客が、後で別のデバイスを使って再度アクセスした場合でも、データを入力しなおすことなくシームレスに見積もりを出せるようにしなければなりません。または、カスタマーサービスに問い合わせた場合に、一から説明しなくても担当者が経緯を把握でき、必要に応じて見積もりを出せるようにしておく必要があります。

適切なメッセージをタイミングよく送付する

デジタルでの保険加入を成功に導くには、オンラインの見積フォームを用意するだけでは不十分です。パーソナライズされた体験を提供し、信頼できるアドバイスを適切なタイミングで提供して、顧客を引きつけなければなりません。

ネット検索、見積もり、加入、契約の見直し、補償請求など、カスタマージャーニーにおける重要な局面をすべてケアしましょう。各段階でパーソナライズされた指針やレコメンデーションを提供することで、顧客のロイヤルティを育て、幅広い顧客獲得につなげることができます。

多くの保険会社では、ガイダンス表示がなされる販売プロセスを採用することで、顧客に対する質問や入力項目を最小限にとどめ、さらに外部データを活用してカスタマイズしたプランの見積もりをリアルタイムで提供しています。SingularCover社のアプローチがその典型です。「SingularCover社のビジネスの中核は、顧客別のリスクプロファイルに合わせて保険プランをカスタマイズするとともに、バリューチェーン全体のデジタル化を通じて顧客体験を最適化することにあります」とGonzalez氏。「当社では拡張性の高いD2Cビジネスモデルとエクスペリエンス主導の保険モデルを採用することで、この両方を実現しています」。

James Webb

James Webbは、Salesforce Industriesの損害保険会社ソリューション部門の責任者です。Guy Carpenter社の再保険部門でキャリアをスタートし、さまざまなテクノロジー企業でソフトウェアの製品管理やマーケティング部門を率いてきました。主に損害保険や生命保険会社のコア事業や顧客エンゲージメント、リスク管理のためのデータ、分析、プロセスソリューションに携わっています。CoreLogic Eqecat社、SunGard Financial Systems社、FIS社などを経て、2020年にSalesforceに買収されるまではVlocity社に所属していました。現在は、ロンドンを拠点に活動しています。

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