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Sales Change Makers データが導く営業の未来 -成長し続ける企業・組織の極意-(Day 1)開催レポート

Sales Change Makers 一度の機会から生涯のお付き合いへつなぐ至高のサービス体験(Day 1)開催レポート

顧客志向が多様化するなかで、営業スタイルも大きく変化し、データの活用が注目されています。 2022年5月25日と26日の2日間で開催したSalesforce Liveは「Sales Change Makers データが導く営業の未来 -成長し続ける企業・組織の極意-」ということで「営業」をテーマに。最新のテクノロジーを活用して売上目標達成と営業組織力強化を両立させる方法や、Salesforceを活用したお客様の成功事例、実践的なノウハウの紹介など、さまざまなセッションが展開されました。

顧客志向が多様化するなかで、営業スタイルも大きく変化し、データの活用が注目されています。

2022年5月25日と26日の2日間で開催したSalesforce Liveは「Sales Change Makers データが導く営業の未来 -成長し続ける企業・組織の極意-」ということで「営業」をテーマに。最新のテクノロジーを活用して売上目標達成と営業組織力強化を両立させる方法や、Salesforceを活用したお客様の成功事例、実践的なノウハウの紹介など、さまざまなセッションが展開されました。

本記事ではDay1の注目セッションの様子をお届けします(Day2のレポートはこちら)。

営業生産性の向上と「脱・属人化」の共通項を探る

オープニングの特別講演は「なぜ日本の営業生産性は低いのか? 営業デジタル化戦略がもたらす脱・属人化術」と題し、営業力強化支援のSaaS「ナレッジワーク」を提供する、株式会社ナレッジワーク CEO の麻野 耕司 氏をモデレーターとして、ソウルドアウト株式会社 代表取締役会長CGO 荻原 猛 氏、株式会社リンクイベントプロデュース カンパニー長 松田 佳子 氏、セールスフォース・ジャパン 常務執行役員 田村 英則が、これからの営業組織のデータ活用・戦略について議論を展開しました。

株式会社ナレッジワーク CEO 麻野 耕司 氏

麻野氏は冒頭で、McKinsey & Companyが2021年に公表したレポート「日本の営業生産性はなぜ低いのか 」を示し、すべての業種において日本企業の営業生産性がグローバル水準を下回っていることを指摘。営業のベストプラクティスでは、顧客への直接の営業活動は、業務時間の半分ほどが適切とされていることに対し、日本の典型的なBtoB企業は10%から25%しか使えていない状況に陥っていて、多くの時間を提案準備やレポートなど、営業活動ではない社内業務に費やしているというのです。

この状況をどう変えていけば良いのか-

麻野氏はセッションの前半で課題を整理し、後半でその解決策を議論したいとして、まずは営業生産性が低くなる要因をパネリストとともに深掘りしていきます。

中小・ベンチャー企業の成長支援サービスを提供する荻原氏は、企業の立ち上げ時期においては、トップ営業担当者に頼ってしまいがちだと指摘します。

ソウルドアウト株式会社 代表取締役会長CGO 荻原 猛 氏

「トップ営業担当が成績を上げれば上げるほど、他の営業担当者は『彼は独特の技術をもっているから』と属人化しているので真似できないといった感じになります。そこで思考停止の状態に陥ってしまうと思います」(荻原氏)

株式会社リンクイベントプロデュース カンパニー長 松田 佳子 氏

大手企業に対して組織風土づくりの支援をしている松田氏は、大企業は明確な役割分担をしているものの、組織横断的な連携の弱さによって生産性が低い状況にあるとして、「データがあるけれど活用や連携がされていない背景には、セクショナリズムが影響していると考えられます。たとえば、商品部門とマーケティング部門、営業部門に溝があり、成績の悪さを押し付け合うような面も」(松田氏)

金融業界の営業経験が豊富な田村は、エンタープライズ向けのソリューション営業は、専門性を持ったメンバーによるチーム編成が常識になっているとした一方で「個々人の経験や能力が高くても、チームの情報共有がしっかりできていない場合は、生産性もチーム力も低く、結果として良い成績を残すことができません」とコメントしました。

セールスフォース・ジャパン 常務執行役員
エンタープライズ金融&地域DX営業統括本部 田村 英則

続いてセッション後半は、McKinsey & Companyの提唱する、営業生産性向上のための4つのアプローチ「プロセスの見える化と改革」「専門性知見の集約と共通化」「顧客の優先順位付け」「デジタル化」を基に、前半に提起された問題の解決策を探ります。

本編では、どのようにして営業生産性の向上、そして脱・属人化をし、お客様起点の組織を構築していくか、経営視点、リーダー視点、そして顧客視点での議論が白熱していきます。ぜひ続きはオンデマンド配信でご覧ください!

非IT人材の採用から積み上げた「V字回復」という実績

続いて紹介する注目セッションは、明和工業株式会社 代表取締役社長 土本 謙吾 氏による「3年で売上 20% & 利益率 80% 増! V字回復を遂げた明和工業の歩み」です。多くの課題に悩まされながらも、非IT人材の採用とSales Cloudの活用によって大きく成長したストーリーが共有されました。

明和工業は、福井県にある従業員42名の建設業。主に山の斜面を保護・修復し、土砂災害から人々を守る法面保護工事を手掛けています。業務の80%が下請け案件となっているため、営業活動が重要ですが、以前は営業担当の受注見込みや原価管理表などが個人単位のExcelファイルで管理されていて共有もなく、また営業部員が時間をかけて資料を作る作業も無駄だと感じていました。

土本社長は、IT関連イベントでSalesforceを知り、リアルタイムに情報を管理できることでこれまでの課題を解決できると感じ、導入を決意します。ところが、別の役員から、顧客管理は名刺や年賀状の住所録があるから必要ないと反発されました。しかし営業担当を監視するのではなく、顧客の情報を知りたいと、土本社長は2016年にSalesforceの採用を決め、同時にIT人材の採用に踏み切りました。

明和工業株式会社 代表取締役社長 土本 謙吾 氏

採用した人材は当時専業主婦のNさん。ITの知識は少ないものの、Salesforceのサポートによって3ヶ月後には簡単なカスタマイズができるよう成長します。そして、営業担当者にはデータを入力すると「褒め称える」といったモチベーション向上の取り組みをし、定着を促しました。顧客の情報を捉えるために、営業担当者の報告書の必須項目も工夫し、情報収集することで、予測をしながら営業活動ができるようになりました。

情報共有のメリットは、営業担当だけでなく、総務や工事部門などにも浸透します。パソコンが苦手な印象のある職人さんたちには、スマートフォンアプリでの利用を促し、全社の情報が集まるようになりました。その結果、Salesforce導入から3年で売上20%、利益率80%アップという成果を得ました。

土本氏は「世の中やお客様のニーズの変化をデータで把握をする。その変化に集中して挑む体制(Salesforce)と姿勢が重要だと思っています」と最後に成長を続けるポイントについて明かしてくれました。

コロナ禍でもメンバーの働きぶりがわかり、事業と人材の成長を実感

続いての注目セッションは、株式会社日本財託 マーケティング部 インサイドセールス課 課長 小林 和徳 氏による「営業を変える日本財託のMA活用 ~DX時代を生き抜くマーケティング戦略」。Salesforceを2015年に導入した日本財託は、成果につながるアクションを追求し、商談件数を増加させました。

中古ワンルームマンションなど、不動産投資のための物件紹介、賃貸管理、売買など、個人の不動産オーナーの支援を行う日本財託。以前はリアル会場でのセミナーで集客し顧客発掘をしていましたが、コロナ禍以降はオンラインでのセミナーも実施しています。なかには意欲の低い参加者も含まれるため、成約につながる商談を増やしていく必要がありました。

そこでデジタル活用によって業務効率を高めようと、2015年にSales Cloudを導入、2017年にAccount Engagementを導入し、インサイドセールス組織を設立します。これまでの営業担当者は顧客に伝えるべきことを伝え、あとは判断を待つというスタイルで取り組む人もいましたが、それに加えて接客後の確認など、アフターフォローをしていくことの重要性を認識し、お客様ごとの状況から、取るべきアクションを把握するべく、最適なツールを選んでいきました。

株式会社日本財託 マーケティング部 インサイドセールス課 課長 小林 和徳 氏

見込み客への電話を行うIP電話サービスとSales Cloudを連携し、Sales Cloudからコールができるようにします。同じ画面で応対の記録も残せるようにして情報を収集・共有して効率のよいアクションができるようになりました。そして、インサイドセールスやカスタマーサクセスなど一人一人のメンバーのアクションが現在の売上を創出しています。

インサイドセールス組織を作った2017年から5年経過した2022年には、商談創出件数が240件から1923件と、8倍もの成長を実現しています。

小林氏は「コロナ禍によってメンバーの頑張りが見えづらくなっているかもしれません。でもSalesforceならば、メンバーの行動を可視化でき、しっかりと評価ができます。結果だけではなく、頑張っている過程こそ成長に繋がると考えています」と語りました。

非エンジニアの営業担当者も、データに基づく意思決定が可能に

Day 1最後のセッションは、「アイスタイルのTableauを活用したデータドリブン営業」です。化粧品クチコミサービスから始まり、月間アクセス1,500万ユーザー、クチコミ件数1,700万件のメディア「@cosme」を有し、ECや実店舗のリテールビジネスも手掛けるアイスタイル。そのアイスタイルが保有する大量のデータを営業戦略にどのように活用しているのか、データ分析のスペシャリスト2名が語りました。

メディアやECサイト、実店舗とさまざまな消費者接点を持っているため、トレンド把握、商品認知、情報収集、口コミ検索、比較、購入、口コミの投稿と、生活者の購買行動を一気通貫に取得・理解できるデータが集まっています。顧客である化粧品ブランドへの営業のプロセスはSalesforceで管理しており、ブランドのマーケティング支援のための自社サービス「Brand Official」では、Tableauも活用しながら生活者データをブランド担当者が分析できる環境を提供しています。

株式会社アイスタイル 戦略企画本部 シニアデータアナリスト 古谷 快 氏は「Tableauを活用することによって、アドホックな分析をスピーディーに行い、提案のブラッシュアップを図っています」と説明しました。

株式会社アイスタイル 戦略企画本部 シニアデータアナリスト 古谷 快 氏

アイスタイルでは、営業メンバー全員がTableauのアカウントを持ち、各ブランドの状態を把握したり、提案資料の作成に活用したりしています。株式会社アイスタイル ブランドコミュニケーション本部 の杉本 拓聡 氏は「以前は営業担当がその都度エンジニアにデータ抽出を依頼し、複数のツール提案資料を作っていましたので、トップセールスのノウハウを横展開できませんでした。Tableauの導入によって、非エンジニアでもデータに触れられるようになり、提案資料を横展開できるようになりました」とコメントしました。

株式会社アイスタイル ブランドコミュニケーション本部
ブランドデータアナリスト部 部長 杉本 拓聡 氏

データが身近になることで提案の精度やスピードが上がるだけでなく、営業の現場からプラットフォーム改善の意見も出るようになり、事業そして企業全体の成長につながる組織横断的な会話が多く生まれています。多くのメンバーがデータ活用の理解を深める学習を進めており、今後もデータによって事業の価値を高める活動を続けていくと言葉を強めました。

Sales Change Makers Day2では、基調講演での日本電産やネットプロテクションズのほか、さまざまな企業の「営業」におけるSalesforce活用事例が共有されます。クロージング講演では、近年注目を集めているのが CRO (チーフ・レベニュー・オフィサー)をテーマに、収益を高めるデータ活用や、カスタマーエクスペリエンス向上のノウハウが展開されました。

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