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法人営業とは?やりがいやスキル、向いている人の特徴を解説

法人営業とは、企業や団体などの法人を対象とした営業活動のことです。本記事では、法人営業の概要から個人営業との違い、向いている人の特徴、やりがい、必要なスキルなどを解説します。

法人営業とは、企業や団体などの法人顧客を対象とした営業活動で、企業の成長と収益を支える重要な役割を担っています。経営者や購買担当者との商談を通じて、大規模な取引を成立させ、長期的なビジネス関係を構築することが求められます。

個人営業とは異なり、意思決定プロセスへの対応や経営課題に対するソリューション提案など、より専門的なスキルと戦略的なアプローチが必要です。本記事では、法人営業の概要から個人営業との違い、やりがい、向いている人の特徴などを詳しく解説します。

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法人営業とは

法人営業とは、企業や団体を対象に商品やサービスを販売する営業活動を指し、Business to Business(BtoB)とも呼ばれます。法人営業で取り扱う商材は、大きく以下の2つに分類されます。

  • 有形商材:不動産・精密機械の部品・OA機器・洋服など
  • 無形商材:人材サービス・コンサルティング・金融商品・ITシステムなど

法人営業の主な目的は、個人営業と同じく、顧客との信頼関係を築き最終的に契約を結ぶことです。しかし、個人営業よりも商談の規模や商材の金額が大きくなり、複数の意思決定者が関与、さらに商談期間も長期になります。そのため法人営業は、高度なビジネススキルと人間関係構築能力が求められる職種であり、市場環境や業界動向への深い理解も求められるため、常に情報収集と自己研鑽が必要です。

法人営業と個人営業の違い

法人営業が企業や団体に対して行う営業であるのに対して、個人営業は一般消費者を対象とした営業活動です。

「誰に対して営業を行うか」という点における法人営業と個人営業の違いを、以下3つの視点で解説します。

  • 意思決定プロセス
  • 商談内容
  • 報酬

詳しく解説するので読み進めてみてください。

意思決定プロセスの違い

法人営業では、複数の関係者が介在するため、意思決定プロセスが複雑になりやすいです。一般的に、商談の窓口となる購買担当者は、最終的な決裁権をもっていないことが多く、上司である管理職や経営層の承認が必要となります。さらに関係部署も事業部、システム、購買部門など多岐に渡ります。そのため、提案内容が素晴らしくても、社内での調整や承認プロセスに時間がかかることは避けられません。

一方、個人営業では、商品やサービスの購入を決定するのは消費者本人です。住宅や自動車などの高額商材の場合は家族の意見も考慮されますが、基本的には顧客本人の判断で契約が決まります。そのため、法人営業と比較して初回アプローチから受注までの期間が短く、顧客のニーズに合致した提案ができれば、比較的スピーディーに成約に至ります。

商談内容の違い

法人営業の商談では、ROI(投資対効果)やビジネス目標との整合性など、経営的な視点での提案が求められます。顧客企業の経営課題を深く理解し、解決策として自社の商品やサービスを位置づける必要があります。また、詳細な仕様書や見積書の作成、カスタマイズ要望への対応など、技術的な知識も欠かせません。

一方、個人営業では、顧客個人の生活や趣味に関連した提案が中心となります。商品の機能や価格といった具体的な特徴と、生活のなかでどのような恩恵があるのかが主な訴求ポイントです。そのため、商品知識と接客スキルが重要な要素となります。

報酬の違い

法人営業は、一件あたりの取引金額が個人営業と比べて大きくなる傾向にあり、営業成績に応じてインセンティブを受け取れる場合には、高年収を狙いやすいです。また、取引先企業の担当者との綿密なコミュニケーションや、決裁者への的確なプレゼンなど、専門的なスキルや知識が求められるため、基本給も比較的高めに設定されているケースが多くみられます。

一方、個人営業は、一件あたりの受注金額が比較的小さく、成約までのハードルも法人営業ほど高くないため、年収の上限も法人営業と比べると低い傾向にあります。

法人営業の種類

法人営業には、以下のように新規開拓営業とルート営業という2種類があります。

両者はそれぞれ独自の専門性と手法を必要とし、組織全体の営業目標達成に向けて補完的な関係を築きます。それぞれ詳しく解説するので、参考にしてみてください。

新規開拓営業

新規開拓営業は、これまで取引のない企業に対してアプローチを行い、新たなビジネス関係を構築する営業活動です。最初に飛び込み営業やテレアポで顧客にアプローチし、初回訪問の獲得を目指します。

初回訪問を成功させたあとは、複数回の商談を経て受注に至るまでが新規開拓営業の仕事です。新規開拓営業の担当者は初回の接点作りから商談、受注獲得までを行い、そのあとはルート営業にバトンタッチするケースが一般的です。

新規開拓の手法には、飛び込み営業やテレアポだけではなく、以下のような方法も挙げられます。

  • セミナーや展示会でのブース出展
  • SNSやウェブ広告による見込み顧客の獲得
  • メールマガジンやステップメールによる情報提供
  • 既存顧客からの紹介 など

新規顧客の開拓と受注が重要なミッションである新規開拓営業は、行動力やコミュニケーション力、顧客理解が求められます。

ルート営業

ルート営業は、既存顧客との関係を維持・強化するために、訪問する順番を決めて巡回していく営業手法です。定期的に顧客を訪問し、商品やサービスの提案、アフターフォローを行うことが主な業務となります。

ルート営業により顧客の要望を把握し、適切な商品やサービスを提案することで、アップセルやクロスセルの機会を創出します。また、継続的なフォローアップにより、顧客満足度を高め、リピートオーダーや追加契約につなげることも可能です。

ルート営業には安定した売上確保が求められ、契約解除や取引停止などが起きないよう既存顧客と深い関係性を構築するスキルが求められます。法人営業において、新規開拓とルート営業のバランスを取ることが重要です。

法人営業のやりがい

意思決定プロセスや報酬面など、個人営業と大きな違いのある法人営業には、以下のようなやりがいがあります。

  • 規模の大きな仕事に関われる
  • さまざまな経営者との人脈形成が期待できる
  • スキルアップにつながりやすい

それぞれ詳しく解説します。

規模の大きな仕事に関われる

法人営業の魅力のひとつは、企業の経営戦略に影響を与えるような大規模なプロジェクトにも関わる機会が多いことです。たとえば、企業全体のシステムを刷新するプロジェクトや、新規事業の業務フロー構築など、数千万円から数億円規模の案件を担当することも珍しくありません。

法人営業として大きな取引やプロジェクトに携わることは、プロジェクトマネジメントスキルの向上や複数部門を跨ぐ調整力の養成など、実践的なビジネススキルの習得や専門性の向上につながります。

さまざまな経営者との人脈形成が期待できる

法人営業の仕事では、顧客の経営者や幹部と直接話す機会が多くあるため、経営者との人脈形成が期待できます。経営者や幹部とコミュニケーションをはかることで、市場動向や経営課題に関する深い洞察を学ぶ機会を得られます。

また、これらの人脈は新規案件の紹介やビジネスチャンスの創出につながることも多く、ビジネスパーソンとしてのキャリア形成において大きな価値があると言えるでしょう。

スキルアップにつながりやすい

法人営業で求められる能力は、ビジネスパーソンとして普遍的な価値をもつものばかりです。たとえば、法人営業を通して以下のような能力を習得・研鑽できます。

  • 複雑な提案内容をわかりやすく説明するプレゼンテーション能力
  • 財務指標を理解し経営的視点から提案を行う分析力
  • 組織的な意思決定プロセスを理解し適切に対応する調整力
  • 数字結果や事実から仮説を立てる論理的思考力 など

プレゼンテーション能力や論理的思考力など、さまざまな業界や職種において必要とされる能力を身につけることが可能です。また、デジタルツールやAIの活用など、最新のビジネステクノロジーに触れる機会も多く、常に自己成長を続けられます。

「法人営業はきついからやめとけ」と言われる理由

法人営業は、大きなやりがいを感じられる仕事である一方「きついからやめとけ」という声があるのも事実です。ネガティブな意見が出てくる背景として、以下のような課題が挙げられます。

  • 新規開拓営業では受付で拒絶されて担当者に会えないケースも多い
  • 専門知識やトレンド情報のインプットに多くの時間を割く必要がある
  • 結果が出るまでのサイクルが長い

新規営業における最初の壁として、アポイントメント獲得の困難さが挙げられます。多くの企業では受付段階での厳しい選別があり、担当者にたどり着くまでに何度も足を運ぶことも珍しくありません。商談にいたっても、複数の決裁者の理解を得る必要があり、説明や調整に膨大な時間と労力が必要です。

また、専門知識やトレンド情報の継続的なインプットには多大な時間と労力を要します。とくにIT業界のような技術革新や市場動向の変化が激しい業界では、短期間での知識のアップデートが不可欠です。

さらに、法人営業の特徴として、結果が出るまでのサイクルが長いことも大きなストレス要因となります。個人向け営業と比較して、商談から成約までの期間が長期化することが多く、ときには半年から1年以上かかることもあります。具体的な成果が見えにくいなかで、モチベーションを維持し続けることは容易ではありません。

たしかにきつい面が多々ありますが、報酬や人脈形成、スキルアップなど、法人営業だからこその魅力と大きなやりがいがあるのも事実です。

なお、近年では業務効率化ツールを用いて、より効果的な営業活動も実現しています。たとえば、Salesforceの「Sales Cloud」のようなAIが搭載された営業支援システムを導入することで、顧客のあらゆる情報を一元管理し、売上アップを目指せます。また、リモートワークやオンライン商談の普及により、移動時間の削減や効率的な商談スケジュール管理も可能です。

法人営業に向いている人の3つの特徴

法人営業に向いている人の特徴は、以下の3つです。

  • 顧客の経営に強い興味・関心をもてる人
  • 仮説を立てるのが得意な人
  • 大きな仕事に積極的にチャレンジしたい人

それぞれ詳しく解説します。

顧客の経営に強い興味・関心をもてる人

法人営業では、顧客企業の課題に向き合い、本質的な解決策の提案・提供が求められます。顧客に価値を提供するためには、経営戦略や財務状況、業界動向など、顧客の経営全般に興味をもち、自発的に知識を吸収する姿勢が大切です。

たとえば、新聞やビジネス誌を読む際も、単なるニュースや情報ではなく、顧客企業に与える影響やビジネスチャンスの視点で考察できる人は法人営業に向いていると言えるでしょう。

また、経営者や意思決定者との会話において、業界特有の課題が経営に影響を与える要因について意見交換ができれば、より深い信頼関係の構築が期待できます。結果として、長期間にわたる受注につながったり、新規顧客の紹介を得られたりします。

仮説を立てるのが得意な人

顧客企業の課題や需要を的確に予測し、効果的なソリューションを提案するためには、仮説構築力が欠かせません。

たとえば、市場分析や顧客の行動パターンなどから仮説を立て、提案を効果的に組み立てる力が重要です。データや情報をもとづいて将来的な展開まで見据えた仮説を立てられることで、より説得力のある営業活動を展開できます。

大きな仕事に積極的にチャレンジしたい人

法人営業では、数千万円から数億円規模の大型案件を扱うことも珍しくありません。高い目標設定力と達成するための強い意志が必要になるため、大きな仕事に果敢にチャレンジしたい人に法人営業は向いていると言えます。

また、大型案件では予期せぬ障害や競合との厳しい競争に直面することも多々あります。そのような状況でも、常に新しいアプローチを模索し、創造的な解決策を見出す姿勢が重要です。失敗や挫折を恐れず、あらゆる物事を学びの機会として前向きに捉えられる強靭なメンタリティは、法人営業としての成功には欠かせません。

法人営業に欠かせない5つのスキル

法人営業として活躍する上で欠かせないスキルは、以下の5つです。

  • コミュニケーションスキル
  • 課題発見力
  • プレゼンテーションスキル
  • 情報収集スキル
  • 計画立案スキル

それぞれ詳しく解説するので参考にしてみてください。

コミュニケーションスキル

法人営業における基本的かつ重要なスキルは、コミュニケーション能力です。法人営業では、顧客との信頼関係を構築し顧客のニーズや課題を理解することが大切です。そのため、顧客と円滑なコミュニケーションを行い課題を的確にヒアリングすることが求められます。

コミュニケーションスキルで重要なのは「傾聴力」です。顧客の発言の背後にある課題や懸念を理解し、それに対する適切な提案を行うためには相手の話を深く理解する力が不可欠です。また、効果的なコミュニケーションには、表情やジェスチャー、声のトーン、適切な間の取り方などの非言語的な要素も重要な役割を果たします。特に、オンラインでのコミュニケーションが増加するなか、傾聴力や非言語コミュニケーションを磨くことが大切です。

課題発見力

法人営業において課題発見力は、顧客のニーズを正確に把握し、潜在的な問題を特定するための重要なスキルです。この能力は、単に顕在化した問題を解決するだけでなく、顧客がまだ気づいていない潜在的な課題を見つけ出すことが求められます。

市場分析やトレンドの把握を通じて、競合他社や業界全体の動向にもとづいた提案を行うことで、顧客にとって価値ある情報提供が可能です。

プレゼンテーションスキル

法人営業におけるプレゼンテーションスキルは、ビジネスの成功に直結する重要な要素と言えます。効果的なプレゼンテーションにより、自社の製品やサービスの価値を顧客に明確に伝え信頼関係を構築可能です。

プレゼンテーションスキルの重要な要素には、明確な目的設定やシンプルでわかりやすい内容、効果的な構成作成、視覚的要素の活用が挙げられます。さらに、プレゼンター自身の存在感や話し方も重要で、自信をもって話すことやアイコンタクトを取ることで、聞き手に対してより説得力のあるプレゼンテーションを実現できます。

情報収集スキル

情報収集スキルは、業界動向や競合情報、トレンド、顧客の商品など、幅広い分野の情報を効率的に収集するスキルで、営業活動の成功に欠かせません。

たとえば、商談先の企業に関連するニュースやトピックを事前に調べておくことで、顧客と同じ視点で会話ができ、信頼関係の構築につながります。ただし、受け身の姿勢では必要な情報を得られないため、自ら積極的に情報収集を行うことが重要です。

スケジューリングスキル

営業職は多岐にわたるタスクを抱えているため、プロジェクトを効果的に進行するためにはスケジューリングスキルが不可欠です。適切なスケジュール管理は、顧客との信頼関係構築や商談成功率の向上、営業チーム全体の生産性向上に直結します。

効果的なスケジューリングには、日々の業務を細分化し、緊急度と重要度にもとづいて優先順位を設定することが重要です。各タスクに適切な時間を配分し、余裕をもった計画を立てることで、予期せぬ事態にも柔軟に対応できます。

さらに、業務プロセスの最適化を通じて生産性を向上させることで、顧客満足度の向上と営業成績の改善を実現できます。

法人営業の成果を高めるためにはAIの活用も効果的

法人営業におけるAIツールの活用は、業務効率化と成果向上の両面で欠かせない要素と言えます。

先進的な営業支援ツールでは、従来の営業プロセスを根本から変革することが可能です。Salesforceの「Sales Cloud」では、蓄積された過去の商談データや顧客とのコミュニケーション履歴を自動的に分析し、営業活動の成果向上に寄与します。

また「Sales Cloud」にはAI機能「Einstein」を搭載しており、予測AI機能により、見込み顧客の発掘や最優先案件の見極めを効果的に行えます。さらに生成AI機能では、顧客との会話内容から重要なポイントを自動抽出し、商談の進行状況の分析に役立てることも可能です。

AIツールの導入により、データ入力や報告書作成などの定型業務が大幅に効率化され、営業担当者はより創造的な活動に時間を割くことができます。また、商談の各フェーズにおける最適なアクションの提案や、効果的な質問項目の提示により、商談の質も向上できます。業務効率化ツールにより、データにもとづいた客観的な判断が可能になることで、より戦略的な営業活動が実現できるでしょう。

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まとめ:法人営業に求められるスキルを確認し成果アップを目指そう

法人営業の成功には、高度なスキルと強靭なメンタリティが不可欠です。近年のデジタル技術やAIの進展により、より効率的かつ効果的に営業活動を行えるようになりました。

しかし、どれほど優れたツールを活用しても、顧客の潜在的な課題を見出し、的確な解決策を提案できるのは営業パーソンだけです。そのため、コミュニケーション能力や課題発見力、プレゼンテーションスキルなどを磨くことが、ほかの営業パーソンとの差別化につながります。

法人営業を行う営業パーソンとしての本質的な能力を高めながら、デジタル技術やAIを戦略的に活用することで、より付加価値の高い営業活動を展開できるでしょう。

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