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データ活用の「民主化」を。消費財業界向け「Tableau(タブロー)」Meet up開催

Tableauはこのほど、食品・消費財企業向けの「食品・消費財業界 Tableau Meet up」を実施しました。以前に開催した同様のイベントが好評だったことによる再開催。本記事では、その内容のハイライトを紹介します。

ユーザー企業からの要望にお答えする形で実施した本セミナーには、キッコーマン株式会社、サントリーホールディングス株式会社、株式会社ニチレイフーズ、株式会社ニップン(五十音順)の4社に参加いただきました。

本レポートでは、その内容のハイライトをお伝えするとともに、Tableauの活用を目指すユーザー企業やTableau導入を検討中の企業に、各社の取り組み状況をもとにしたデータ活用のヒントをお伝えします。

【10分で学ぶ】データ分析の始め方

組織や事業の現状を把握する上で、重要となるのがデータ分析です。本動画では、データ分析における2つのポイントを解説します。
1.データ分析の進め方
2.何から取り組むべきか

Tableau Meet Upについて

Tableau Meet Upは、Tableau利用企業の活用促進とコミュニティ活性化のために開催している、Tableauユーザー企業同士の情報交換の場です。消費財業界向けのMeet upは2024年に開始し、今回で2回目。筆者は今回初めて参加しました。

第1回参加者からのフィードバック

  • 消費財業界における実際のダッシュボードを見たい
  • 社内での推進方法など、リアルなお話を聞きたい
  • データ活用組織の構築・推進の仕方についてお伺いしたい
  • もっと密に他の企業とコラボレーションしたい

第2回のプログラム

  • 参加者の取り組みの紹介
    • 参加メンバーご紹介
    • Tableauの活用領域
    • データ活用の推進組織/体制について
    • 活用中のダッシュボード内容/検討中の内容
    • 他企業にお聞きしてみたいこと
  • ランチタイム(ネットワーキング)

最初に驚いたのが「距離の近さ」です。お客様同士、お客様とTableau担当者ともに、構えることなく発言できる雰囲気で和やかに会がスタート。Salesforceは消費財業界向けの営業改革勉強会を数多く実施しており、企業同士の交流ができると大変好評ですが、それと同等以上の雰囲気の良さを感じました。

各社の取り組みを紹介

Meet upはお客様主体で進められ、各社がお互いに自社での取り組み状況を共有し、Q&Aを交えながら進行していきました。活発に質疑が行われたこと、クローズな場であることも幸いし、実際のダッシュボードも一部ご紹介いただけるなど、非常に学びの多い場となりました。

以下は、アジェンダのトピックごとにユーザー企業の取り組み状況の、傾向や気づきを紹介させていただきます。

Tableauの活用領域

アジェンダの最初は、Tableauの活用領域を共有いただきました。活用度合いは各社さまざまですが、総じて非常に広く活用いただいていることに驚かされました。国内・海外を問わず広く展開されているのは、グローバルツールならではの強みと実感しました。

Tableauは、バリューチェーン全体で幅広く活用されていますが、消費財業界で「家庭用営業」「業務用営業」「マーケティング」での活用は必須と呼んでも過言ではないほど活用いただいているようです。

POSデータや販売データの分析はもちろん、市場データや外部データなど、幅広いデータの突合や可視化に取り組んでいる企業も多くいらっしゃいました。

各社の議論の中で、厳しい経営環境の中で「データ活用の推進に対するROIや経営数値への貢献」の期待値が高まっており、営業やマーケティングなどの定番領域以外に、データ可視化による生産や物流の効率化など経営数値の改善に直結する領域に取り組む必要性が指摘されたことは、非常に大きな気づきとなりました。

営業やマーケティングの可視化は人気領域だが、生産や物流の可視化も大事。利益に直結する

データ活用の推進組織について

データ活用の推進組織は、経営企画や営業推進、ITなどチームの所在は各様ですが、人数はリーダーを含んで5名前後が平均的な体制のようです。

数名で大手消費財企業のデータ可視化ニーズのすべてを解決することは不可能です。このアジェンダでは、限られたリソースをどのようにレバレッジさせ成果を最大化するために、以下のような論点が上がりました。

業務を語れる推進者

各社の推進担当者が一堂に会した中で、推進担当者のバックグラウンドに質疑が及びました。「データ活用の推進担当」にはITリテラシーが高い人間が必要と想像しがちですが、「現場出身で業務を語れる推進者」の存在が業務ニーズの理解や現場を巻き込むために大きなプラスとなるようです。

各部門にパワーユーザーを育てる

どの企業もデータ活用の推進部隊がすべてをカバーすることは想定しておらず、各業務部門のニーズを聞き、一緒に伴走して問題解決し、データドリブンな組織として自走を促すことを目標に活動していました。

現場を巻き込むことは一筋縄ではいきませんが、Tableauを利用したダッシュボードのPush配信、現場で顕在化しているExcel業務の効率化、などさまざまな推進の工夫をされており非常に有益な情報交換となりました。

コミュニティの活性化

各部門にパワーユーザーが育った後には、社内の有識者が集い助け合う社内コミュニティの形成が有効です。社内環境にディスカッションが可能なオンライン環境やデータ活用を支援するポータル画面を設置しコミュニティ形成に取り組んでいました。

非常に活発な社外コミュニティと比較して社内の活性度を嘆くコメントもありましたが、「スーパーパワーユーザーが集まるコミュニティとは参加者層がそもそも違うため、一喜一憂せずにむしろ社内の平均的ユーザー層の底上げを地道に狙うべき」という意見には参加者の賛同が多かったです。

パートナーの活用

限られたデータ活用推進部隊のリソースを補い活動をスケールさせるため、各社パートナーを活用していました。要件整理を自社で行い、ダッシュボードの構築はパートナーにお願いするケースもありましたが、発展的な段階としてパートナーと対等にアイデアを出し合える関係性を築いている企業もあり、パートナーとの協業をより良い形にするヒントをいただけました。

活用中のダッシュボード内容 / 検討中の内容

各社より、構築したさまざまなダッシュボードも共有いただきました。消費財業界ではPOSや販売データの可視化が最も多く、中には会議資料の作成時間をゼロにすべく意欲的に取り組まれている企業もいらっしゃいました。

DWHやデータフローに関するシステムアーキテクチャの議題では、最初から完璧な設計を行ってスタートするのではなく、走りながら最適な形を模索する企業様が多数派でした。

活動を推進し、現場やトップとの対話と課題解決を繰り返す中で自社に必要な業務要件・システム要件の輪郭を明らかにしていくのが現実的なのかもしれません。

また、POSデータの成形加工に悩まれる企業に対して参加企業が利用中の外部のデータ成形の加工サービスを紹介いただいたり、ダッシュボードの設計方針やデータソースに関する質問をぶつけ合うなど、双方向の良いディスカッションが盛り上がり、あっという間の時間でした。

参加者の発表風景

Tableauで実現するデータ分析と業務効率化

日々の業務の課題を特定して次のアクションに繋げるためには、容易にデータを分析して理解できる環境が必要です。ではTableauでそれらがどのように実現することができるかをご紹介します。

ランチタイム(ネットワーキング)

会の最後は、お弁当を食べながらのネットワーキングタイムとなりました。秋を感じる「松茸御飯と蟹御飯の二段重」のお弁当を食べながら、ざっくばらんに会話が弾んでいました。このパートでは、Tableauから最新機能も紹介させていただき、その後、ディスカッションの予熱をそのままに意見交換の時間を過ごしていただきました。

ランチタイムでも活発なディスカッションが見受けられた

ランチタイムでは、ネットワーキングに加えてTableauから最新情報を紹介しました。

新規利用者の理解・習熟に役立つ新トレーニング・サービスの「Tableau BootCamp」は、組織のデータ活用推進の中核メンバー候補を育成を目的にした講座です。

短期集中&少人数のスパルタ式?でスキルアップでき、参加者の業務に関連するデータを利用することで、トレーニング終了時に実務で使えるダッシュボードが完成するという実践的な内容になっています。

Tableau PulseはAIを利用した新機能で、当日の議論の中心であった「業務部門の新規ビジネスユーザーにどう習熟してもらうか?」を支援するためのひとつの答えとなっていました。

日々の業務で忙しいビジネスユーザーにデータ活用に関するITスキルを身に着けてもらうには一定のハードルが存在します。一方で、業務の中でデータ活用を実践するには一定以上のスキルが必要であることも事実です。

Tableau Pulseはダッシュボード利用シーンにおいて、AIが確認すべき視点をユーザーに示唆することで「ビジネス経験と分析リテラシーをあわせ持つパワーユーザー」が行ってきた一歩進んだデータ分析体験を提供します。

ビジネスユーザーが忙しい日々の業務の中で、データ活用にどこまで習熟すればいいのか?やはり限界はある。それを助けられるのがAI

Tableauの新機能を紹介するTableau プリンシパル・ソリューションエンジニア 並木正之

まとめ

4社15名にご参加いただき、アンケートでも非常に好評をいただいたセミナーとなりました。これまで共有させていただきましたように、参加企業にとってもSalesforceにとっても非常に学びの多いイベントでした。

データ活用の推進はITツールの導入にとどまらない継続的な取り組みです。推進活動の中では困難なことや壁にぶつかるタイミングもあると思いますが、このようなコミュニティの存在は利用企業やこれからデータ活用の推進に取り組まれる企業にとって大きな支えになると確信しております。

参加者のほぼ全員が「次回も参加したい」と回答いただいきました。今後も業界向けMeet Upを活性化させていきたいと思います。

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