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Salesforce、 「Eコマース最新事情」(第2版)の日本語版を公開 〜一般消費者および企業購買担当者の行動の分析結果をまとめた年次調査レポート〜

2022年8月2日
株式会社セールスフォース・ジャパン

※当資料は、2022年6月8日に米国で発表された資料を元に、日本語版のレポート完成を受け、日本向けに内容を加筆・再編集したものです。

株式会社セールスフォース・ジャパン(本社:東京都千代田区、代表取締役会長 兼 社長:小出 伸一)は本日、Eコマース年次調査レポートである「Eコマース最新事情」(第2版)の日本語版を公開しました。本レポートは、4,102人のEコマースリーダーを対象に調査を行い、全世界10億人以上の一般消費者および企業の購買担当者の行動を分析した結果をまとめています。経営者はどのようにオンラインとオフラインの購買をつなげているのか、規制やポリシーが変化する中、ファースト パーティデータがいかに重要なのか、そして高まる顧客の期待に対応するため、営業担当者はどのような投資を行っているかという点を明らかにしています。そして、変革期を迎えているEコマースの現状を把握し、次の展開に向け、備えている業界リーダーが何を重視しているかを探ります。

本調査では、組織のパフォーマンスに応じて回答者を以下の3つのグループに分類しています。

  • デジタルリーダー:自社組織をデジタルコマースに優れているとみなし、デジタルコマースが企業全体の成功に貢献していると考えています。

  • デジタルモデレート:他の2つのカテゴリーのいずれにも該当しない、その他の回答者。

  • デジタルラガード:自社組織をデジタルコマースに優れているとみなしておらず、デジタルコマースが企業全体の成功に貢献していると考えていません。

 

本調査の概要と得られたインサイトは以下のとおりです。

1. 分散型および複雑なEコマースが主流に

■新たなチャネルがデジタルでの成功の鍵に
新型コロナウイルスの大流行は、消費者とビジネスのつながりや商取引のあり方を一変させました。2020年第1四半期から2022年第1四半期にかけてデジタル注文が急伸し、世界の同一サイト売上はB2Cで44%、B2Bで95%の伸びを記録しています。同時に、Eコマースが人気だからといって対面での体験への熱意が下がっているわけではないことも、企業は認識しています。
B2Cでは、オンラインで購入後、店舗で受け取るBOPIS(Buy Online, Pickup In-Store)のようなサービスでギャップを埋めようとしています。85%がBOPISをすでに導入している、または今後2年以内に導入予定であると回答しています。B2Bの世界でも同じことが起こっており、売り手の69%が、営業担当者やサードパーティの販売代理店だけでなく、デジタルチャネルに依存してビジネスを展開しています。

デジタルコマースの普及に伴い、購入ジャーニーは複雑さを増しています。B2Cでは、消費者は企業とのコミュニケーションにおいて平均して9つの異なるタッチポイントで企業とやりとりしています。デジタルリーダーは周囲に先駆けてこのトレンドを活用しており、リーダーの69%が過去2年以内に新しいデジタルチャネルに投資したと報告しています。

デジタルリーダーとデジタルラガードの間で導入の格差が最も大きいチャネルは、マーケットプレイス、モバイルアプリ、ソーシャルメディアですが、世界経済が急速に変化し続ける中、多くの企業がデジタルリーダーに追いつきつつあります。

新しいチャネルに進出すると回答したEコマースプロフェッショナルの割合は、すべてのパフォーマーのカテゴリーでほぼ同じです。調査対象者の半数以上が今後2年以内に新しいチャネルに進出することを予定しています。

■複雑なB2Bオンライン販売に対する需要の増加
販売企業はEコマースを中心とした将来計画を立てています。デジタルリーダーの97%、そしてデジタルモデレートの91%が、今後2年間に購入担当者がより大規模で複雑な注文をオンラインで行うと予測しているのに対し、デジタルラガードではその割合が62%にとどまっています。また、企業はオンラインによる顧客との直接取引を優先するようになっています。実際、B2B企業の54%はすでにウェブサイトを通じて最終顧客に直接販売しています。

■デジタルマーケットプレイスが主流に
B2Bの購買担当者の91%が、企業が提供する購買体験を製品やサービスと同じくらい重要であると回答しています。その期待に応えるため、B2Bの販売企業はより満足度の高いEコマース体験を実現しています。これには購買担当者と販売企業が直接つながることができるマーケットプレイスプラットフォームも含まれます。B2Bの販売企業の33%が今後2年以内に自社のマーケットプレイスを立ち上げることが優先事項だと述べており、デジタルリーダーはデジタルラガードと比較して自社のマーケットプレイスを優先させる傾向が1.5倍高くなっています。また、大企業規模の組織は中堅・中小企業と比較して、購入ジャーニーを改善する方法を模索している可能性が1.6倍高いことがわかっています。


2. 実用的なデータがパーソナライズされたエンゲージメントを促進

■企業はデータを行動につなげることに注力
Eコマース企業の36%が今後2年間にファーストパーティデータ戦略に投資する予定です。デジタルリーダーの53%が顧客の行動を理解するためにデータを活用することが非常に効果的であると回答しています。これはデジタルラガードより3.5倍多い割合です。 また、パーソナライズされた購買体験を実現するためにデータを活用している傾向も4倍高いです。

■購入後のサポートによって向上するロイヤルティと満足度
ブランドを選ぶ際、ビジネスの購買担当者の54%および消費者の51%が利便性を重視します。ほぼすべてのB2Cの販売企業が、少なくとも1種類の購入受取オプション(BOPIS、カーブサイドピックアップ、ファストシッピングなど)を現在提供しているか、今後2年以内に提供する予定でいます。同時に、B2Bの販売企業でさえも柔軟な購入受取オプションを採用するようになっています。米国のB2B購買担当者の51%が1年前よりもカーブサイドピックアップを多く利用していると回答しており、そのうち55%が今後3年以内にこのようなオプションの利用が高まることを予想しています。

3. 企業は機敏性と収益性に再注目

■デジタルコマースが営業の生産性を大幅アップ
デジタルコマースと従来型の営業は、互いを侵害するものではなく、助け合うものであるというのが、Eコマースプロフェッショナルの間の一致した意見です。営業チームは軒並み拡大しており、全体の93%が営業チームを維持・拡大しています。61%のデジタルリーダーは営業チームの規模が拡大していると回答する傾向があるのに対し、57%のデジタルラガードは営業チームの規模が変わっていないと回答する傾向があります。

また、デジタルコマースは販売の迅速化にもつながります。デジタルリーダーの39%、デジタルモデレートの52%、デジタルラガードの46%が商談成立までの時間が少なくとも10%短縮されたと回答しています。

デジタルコマースへ投資する企業は、デジタルコマースが営業チームの利益につながると述べており、B2Bの販売企業の64%がデジタルコマースによって営業チームの生産性が向上すると回答しています。B2Bの販売企業の60%がデジタルコマースによって営業チームメンバーの仕事に対する満足度が向上したと回答しています。同様に、デジタルリーダーの75%は、デジタルコマースによって顧客満足度が向上したと回答しています。

 

■購入時における新たな選択肢と不安
今日の顧客は、会計時に現金やクレジットカード以外の選択肢があることを期待しています。組織は柔軟な対応に向けた投資を優先しています。デジタルリーダーの61%は後払い決済(BNPL)のような分割払いをすでに提供しており、32%は今後2年以内に追加する予定であると回答しています。デジタルリーダーはデジタルラガードに比べて、チェックアウト時に分割払いのオプションを既に提供している傾向が2倍高いことがわかっています。

決済技術が向上する中、企業は不正防止という大きな課題に集中し、取り組んでいます。発展を続ける決済戦略において、不正行為の防止が、全実行者、全世界で最も高い関心事となっており、全組織の半数以上(51%)が不正行為を大きな懸念事項であると認識しています。デジタルリーダーの54%が新しい決済サービスを導入する際に不正行為が懸念されると回答しています。不正行為はすべてのパフォーマンスカテゴリで懸念事項の第1位でしたが、不正行為が決済技術の導入に与える影響は企業規模によって違います。不正行為に対する懸念は、中堅(50%)・中小(47%)企業に比べて大企業規模の組織(64%)の方が大きいことがわかりました。

■勢いを増すヘッドレスコマース
すべてのEコマース事業において、新たなデジタル施策を行う上で一番の課題となるのが技術的な制約です。今回の調査結果では、企業を阻む要因の1つとして、バックエンドの動作が遅く複雑であることが示唆されました。34%の組織が、デジタルストアフロントの変更に数週間から数か月かかると回答しています。

デジタルな機敏性を実現するために、多くの企業がヘッドレスアーキテクチャに注目しています。ヘッドレスは、デジタルフロントエンドとバックエンドを切り離し、企業が独自の仕様で自由に構築することを可能にします。ヘッドレスアーキテクチャを採用している企業の77%は、デジタルストアフロントへの変更をより迅速に行うことができるなど、機敏性が向上していると感じています。実際、32%が数時間でウェブサイトの変更を行うことができると答えています(ヘッドレスでない企業は19%)。

ヘッドレスアーキテクチャを採用している企業は、ヘッドレスでない企業(54%)に比べて、新規チャネルを急速に拡大している傾向が高い(77%)こともわかりました。

ヘッドレスの導入企業が挙げる利点がいくつかあります。デジタルコマースに優れているとの回答は、ヘッドレスでない組織(30%)よりも高い割合(55%)で得られています。また、企業全体の成功要因をデジタルコマースに求める傾向が、ヘッドレス以外の企業(37%)に比べて強く表れています。(58%)。

ヘッドレスアーキテクチャは成長の途をたどっており、現在ヘッドレスアーキテクチャを導入していない企業の80%が、今後2年以内に導入する予定であると回答しています。この傾向は組織の規模に関係なく見られます。あらゆるビジネス規模のリーダーの57%が、今後2年以内にヘッドレスを導入する予定だと回答しています。

 

「Eコマース最新事情」(第2版)は以下のリンクからダウンロードいただけます。
https://www.salesforce.com/jp/form/commerce/state-of-commerce/


調査方法について
本レポートのインサイトは、2022年2月中に実施された二重盲検調査にもとづくものです。回答は、ディレクター以上の指導的役割を担う4,102人のEコマースプロフェッショナルから得ました。回答者は、北米、中南米およびメキシコ、アジア太平洋、日本、ヨーロッパのB2B、B2C、B2B2C企業の責任者です。回答はすべて第三者から収集しています(Salesforceのお客様とは限りません)。

 

Salesforceについて
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