

株式会社フレクトは、クラウドの先端テクノロジーとデザインを駆使して企業の「攻め」のDXを支援するマルチクラウド・インテグレーターです。Salesforceのパートナー企業として、数多くの先進的プロジェクトを成功へ導いた経験があり、最新ソリューションをまず社内で実用することで迅速にノウハウを獲得しています。顧客に向けたAIソリューション提供を本格化させるにあたり、ビジネスニーズに合うAIの特性や活用シーンを検討しつつ、社内で複数のAIプロジェクトを同時進行しています。
社員数が400名規模に拡大したことで問い合わせが急増し、対応に必要な人的リソースが逼迫する懸念が高まりました。さらに、高度なIT人材が多数在籍しているため、一般的なチャットボットでは対応しきれない複雑な問い合わせが頻発。もし回答が恒常的に遅れると働きやすさを損ない、従業員満足度を下げる恐れがありました。
フレクトはSalesforce PlatformやSales Cloudに加え、Data Cloud、MuleSoft、Slack、Tableauなど、多彩なSalesforceソリューションを利用しています。AI分野では、Agentforceをはじめ、Einstein AIによる予測分析やSlack AIなど、常に時代の流れに合わせて”進化する”Salesforceソリューションとともに、社内課題を最短距離で解決しています。
Data Cloudが実現した社員の心の健康を守る仕組み
フレクトは人事・評価などの情報だけでなく、Slackでの会話やコメント、リアクションなどをData Cloudで分析することで、「いまの気分や置かれている状況」をつかみ、先手を打って心のケアをできる職場環境を作り上げました。これにより、10%程度とすでに低い離職率をさらに3.2%引き下げることに成功しています。
Agentforceによるサポートキャラクター”Pomeko”
情報システム部門では専用のSlackチャンネルを運用し、社員からの問い合わせを一元的に集約していました。しかし、多くの社員がエンジニアであるためITリテラシーが高く、問い合わせ内容が複雑化。加えて社員数の拡大により、回答にかかる人的リソースが不足しがちでした。そこで採用されたのが、対話型で要望に応えるAgentforceです。愛着を持って利用してもらえるよう「Pomeko(ポメコ)」というユニークな名称を付け、問い合わせの約30%を完結まで対応できる頼もしい“相棒”へと成長させました。
“Data Cloud x Mulesoft”の組み合わせによるAgentforceの価値最大化
MuleSoftを介してSlack、Backlog、会計ソフトfreee、オンラインガントツール、人事系の1on1情報など、あらゆるデータをData Cloudに集約することで、Agentforceの能力を大幅に向上させています。こうしたSaaS間の連携をスムーズに実現できるのは、MuleSoftの強力な接続基盤と、それを使いこなすフレクトの高度な技術力・豊富な実績があってこそ可能な取り組みでした。
取り組みをスタートさせてからまだ3か月ほどですが、十分な成果を得られています。Agentforceで生産性が上がることにより本来人がやるべき新しいチャレンジに集中することが可能となりました。
竹田 正和 氏クラウドインテグレーション事業部 AI Solution部 部長, 株式会社フレクト
Salesforceの大きな価値は「速く開発できるので、すぐにフィードバックを得てよくしていける」に集約される、とフレクトは評価します。たとえばData Cloudでは、コードを書く必要がほとんどなくノーコードで設定が可能です。加えて、Data CloudにはID解決やセグメンテーションなどそのまま使える標準機能が揃っています。またSalesforceのデータとシームレスに連携できるため、Salesforceユーザーにとっては非常に利用価値の高いデータウェアハウスといえます。また、API連携により企業に点在するあらゆるデータをData Cloudに集約することも重要であり、MuleSoftの活用もポイントになってきます。
こうして、Data Cloudに集約されたデータを最大限に活かすのが、”Agentforce”です。高度な問い合わせに対応し、企業特有のナレッジをもとに回答を導くことで、従来のチャットボットでは実現できなかった生産性と満足度の向上をもたらします。まさに「Agentforce × Data Cloud × MuleSoft」は、AIエージェント活用における最適な組み合わせといえるでしょう。