2. 介護請求ソフトとも連携し、利用者データをSalesforce上でリアルタイムに一元管理
グッドライフケアがSalesforceを導入したのは2009年。利用者情報の一元管理による業務の効率化と、利用者に対するサービスレベルの向上が目的でした。その後、Salesforceをプラットフォームとした独自の情報共有システム「G-force」を構築・活用しています。
池原氏は「Salesforce導入の決め手となったのは、カスタマイズ性の高さでした」とし、その理由を以下のように説明します。
「いくつかのクラウド型データ管理サービスを検討しましたが、カスタマイズ性に制限があり、われわれのビジネス拡大を支えられないと判断しました。ビジネスが拡大し、多職種(介護士、介護福祉士、看護師、ケアマネージャー、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士等)での連携が増え、取り扱う情報が増えると、Salesforceで管理する情報も増えます。ビジネスの拡大に合わせ、一緒に進化してくれるプラットフォーム。こうした世界観はSalesforceでなければ対応できません」(池原氏)。
現在、G-forceには利用者の名前や住所といった基本情報のほか、介護保険情報、訪問介護手順書、看護記録、医師からの指示、投薬情報など、利用者を核とした介護・看護・医療に関する情報を一元管理しています。また、2020年にClassicからLightning Experienceに切り替え、同時にシステム改修をした際には、これまで別のオブジェクトで管理していた病院や居宅介護事業所を利用者と同じ「取引先」として一元管理し、東京と大阪の全システムを統合しています。
現在、同社のITソリューション部 部長としてシステムを管理する内田 陽氏は、Salesforceベースでシステムを構築するメリットについて「ITの専門知識がない現場の人間でもシステム構築ができること」と語ります。
もともと内田氏自身も介護士として活躍し、ITソリューション部に異動するまでシステム開発の経験はありませんでした。しかし、Salesforceのオンライン学習サイト「Trailhead」等を活用してスキルを身に付けることができたといいます。
「Lightning Experienceでは、より直感的に開発を行えるようになったと感じました。最近では、現場の利便性を向上するため、Salesforceと介護請求ソフトをAPI連携させることに取り組みました。
介護業界では、国保連(国民健康保険団体連合会)への介護保険の請求のために、介護請求ソフトを利用する必要があります。利用者の基本情報やケアプラン、介護保険関連のマスターデータは介護請求ソフト側で管理されています。従来は介護請求ソフトからSalesforceへの転記作業を行っていましたが、今回のSalesforceと介護請求ソフトのAPI連携開発により、Salesforceに介護請求ソフト上のデータをリアルタイムに連携させることができました。これによりデータ集計が容易になり、介護保険請求ソフトに入力されているデータと利用者の詳細データを突合する作業が、ほぼ自動化できるようになったのです」(内田氏)。
さらに同社では、スタッフが担当する利用者の情報を、スマートフォンから共有できる仕組みも構築しています。現在はこれらの情報にサービススケジュールや変更キャンセル、請求連絡などのデータを連携させ、ビジネスチャットツールを介してリアルタイムで共有しています。また、スタッフの入力負荷を最小化できるよう、Experience Cloudを用いてシンプルで簡易に入力可能なインターフェースの開発が進められています。
「AppExchangeによりさらなる効率化も進めています。カレンダーアプリのCalsket、勤怠管理アプリのTeamSpirit、帳票ソリューションとして、WingArc1st社のSVF Cloud、invoiceAgent、dejirenを活用している。とくに帳票ソリューションは高度に活用しており、必要な帳票の大部分をSalesforceから出力できるように仕組み化できています。SalesforceはAppExchangeをインストールベースで利用できるため、ITの専門知識がなくとも、機能を拡張していける点が魅力です」(内田氏)。