情報共有不足で無駄な作業が増加、システム導入による業務改善が喫緊の課題
株式会社発研セイコーは、LED内照サイン(看板)をはじめ、商業施設・展示会等で利用される金属・樹脂製サインなどを製造・販売する企業です。同社の強みの1つは、業界内で関東最大の規模を誇る自社工場において、提案から設計、製作までを完結でき、顧客の要望に応える製品を迅速に提供できること。そしてもう1つは、メーカーでありながら、製品の開発・製造だけにとどまらず、一般には専門業者によって行われる取りつけ施工までワンストップで提供できることです。そうした高品質な製品と総合的なサービスによって、同社は多くの顧客の信頼を獲得し、業績を伸ばし続けてきました。
そんな同社のビジネスにおいては、営業・製造・施工などの部署間・社員間での円滑な情報共有と連携が欠かせません。特に、同社が扱っているのは、顧客からの注文を受けて個別に製作する“一品一様”の製品。バリエーションは無数にあり、かつ製作中の変更・修正が頻繁に必要になる、という特性を有しています。そのため同社では、顧客と直接やり取りする営業部署が、基本的にすべての情報を発信する主体となり、各部署に対して紙の伝票で指示を出す、という方法を長年採用してきました。
しかし、企画開発室室長の久永智義氏によると、顧客からの注文が増加し、社員数と業務量が増えるにつれて、部署間・社員間の情報共有不足による問題が多発するようになったそうです。
「たとえば営業部署が、お客様からのご要望を製造部署に伝えていなかったり、逆に製造部署からの確認事項をお客様に確認し忘れていたりすると、クレームや作り直しにつながります。『いった』『いわない』で部署同士の関係が険悪になる中、現場では納期に間に合わせるために残業が慢性化し、毎月のように離職者が出ていました」(久永氏)
営業部長の坂之上和也氏も、そうした状況に強い危機感を覚えていた、と話します。
「情報は個人のPCの中や、Faxの紙といった形で社内に散在していました。そのように、情報が一箇所にまとめられていないがゆえに、お客様のご注文とは違うものを作ってしまって手直しが必要になったり、情報を探すのに時間がかかったりといったロスが多く発生する。なんとかしたい、という思いがずっとありました」(坂之上氏)
そうした状況から脱却するには、「ここさえ見ればすべての情報がわかる」という全社共通のシステムを構築しなければならない。そう考えた久永氏は、さまざまなツールを比較検討したそうです。しかし、量産品の業務フローに対応している製品はあるものの、頻繁に修正が必要になるオーダーメイド製品の製造工程をしっかり管理できるようなツールはなかなか見つからなかったといいます。
そんな中、前進のきっかけとなったのが、設計部署で図面製作の進捗管理を目的として、セールスフォース・ジャパンの提供するドキュメント共同編集・コミュニケーションツールのQuipを使い始めたことでした。
「セールスフォース・ジャパンの営業の方からの電話でSalesforceについて説明を受け、機能追加やカスタマイズを自由に行えるこの製品なら、弊社のビジネスにフィットして業務を大幅に改善できそうだ、というイメージがすごく湧いてきたのです」(久永氏)