

日本郵政グループの創業は、明治維新後間もない1871 年にさかの ぼる。以来およそ140 年間、全国各地に郵便物を配り続け、国民の 生活を支えてきた。現在、1 日の郵便物の配達数は、平均およそ6400 万通にのぼる。 2007 年の民営化以後、郵便局は、郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生 命の各業務と地域のお客様とをつなぐ窓口の役割を果たすこととなっ た。全国各地の郵便局がさまざまな業務の情報を一元的に共有する仕組 みを作ること。それを、民営化までの短期間に実現しなければならなか った。その課題を解決するために選ばれたのがSalesforce である。
「私たちが求めていたのは、全国の郵便局で働く膨大な数の従業員が 簡単に使いこなせるわかりやすい仕組みでした。また、お客様のニーズ に合わせてサービス内容も変更していく必要もあったので、臨機応変に 対応できる柔軟性も必要でした。その条件を満たしていたのが Salesforce だったのです」(日本郵便株式会社 システム企画)
Salesforce は現在、郵便局に寄せられる「お客様の声」の共有だけでなく、営業手当や業績評価の管理など、極めて 多岐にわたる分野で活用されている。
「全国の郵便局からの情報がどこからでもリアルタイムで確認できて、情報集約が瞬時にできるのがクラウドの大きな メリットです」(日本郵便株式会社 システム企画 )
全国の郵便局の現場でも、Salesforce を評価する声は多い。
「現場では、日々の営業成績の推移が常に大きな関心事です。従来は、郵便、貯金、保険のそれぞれで成績表が分かれ ていましたが、Salesforce が導入されてからは、すべての最新情報が一画面で確認できるようになり、たいへん便利になりました」
郵便局の経営データ管理や集荷業務、 アルバイト管理にもSalesforce を活用
全国の郵便局の経営データをリアルタイムで確認する仕組みにも、現在、Salesforce が使われている。
以前は、各郵便局の経営情報を本社が収集し、整理した上で、全国の郵便局と共有していた。Salesforce 導入後は、全郵便局の営業状況がどこからでも一覧可能になり、業務品質の統一がはかれるようになったという。情報の収集と整理に 費やされていた多大な労力と時間も一気に解消されることとなった。
最近では、荷物の集荷の受付確認や、アルバイト管理などの分野でも、一部郵便局でSalesforce の活用が始まっている。「アルバイトがWeb から直接自分のデータを入力してもらう仕組みをSalesforce を使って作りました。これによ って、情報入力の誤りが少なくなり、登録作業も非常に効率化しました。今後、多くの郵便局にこの仕組みを導入していきたいと考えています」(日本郵便株式会社 経営管理部)
全国規模で高品質のサービスを提供しながら、地域のお客様の声に耳を傾け、地域の活性化に寄与すること。それが、 郵便局がもつ変わらぬ使命であると日本郵政社長の坂篤郎氏は話す。一方には、いつの世も変わらない役割があり、 一方には、新しい時代に対応するための挑戦がある。その両面の取り組みを、Salesforce が支えている。
※ 本事例は2012年8月時点の情報です