3. 次の展開を見据えたプロジェクトリードで「スピードへこだわる」
このプロジェクトの進め方の観点では、徹底した「スピードへのこだわり」を持ったプロジェクトリードが大きな支えになりました。
プロジェクトが2020年12月にスタートした後、2021年3月には「構想策定」、2021年8月には「初期実装」、2022年3月には「拠点展開」「定着化」が完了しており、展開途中の2022年1月には効果導出に向けた取り組みも始まっています。これだけのスピード感でプロジェクトを進めるために、各フェーズでは以下のようなポイントに留意したと、経営企画部 DX推進室で室長を務める宇野 明子 氏は述べています。
まず構想策定では、Salesforceからベストプラクティスに関する知見を集めつつ、各BU・各事業会社から積極的に意見を出し主体的に参画できるメンバーをプロジェクトに巻き込んでいます。これによって現場の意見を反映した全体像を短期間で見通すと共に、現場の意識改革も並行して進めてきたのです。またSalesforce導入後の状態を明確にイメージできるように、早い段階で実際に動く活用画面のイメージを作成。これによってメンバー間の議論を活発化させています。
次の初期実装フェーズでは、ビジネスに必須な最小限の機能に絞って早期リリースするスタンスで開発を推進。プロジェクトメンバーの数が限られていたこともあり、小さくスタートして大きく育てていく方針を堅持したと言います。また機能実装の際には情報システム部門に任せきりにするのではなく、ビジネスを深く理解しているメンバーが開発内容に関与することも重視。加えて、プロジェクトをリードした宇野氏自身に海外営業や営業戦略立案の経験があったことも、ビジネスの観点から機能開発する上で大きな貢献を果たしています。
拠点展開では、システム開発プロジェクトには遅れが発生しがちという前提に立ち、本リリースの1か月前にプレリリースを設定。この段階で対象ユーザーによる利用を開始し、本リリースに備えるようにしました。最初の展開対象としては、海外拠点と一部の日本拠点を選定。これは、日本で先行展開した後に「海外では使えない」という議論が発生しがちであることに配慮したと宇野氏は説明します。「パイロット展開の段階で、米国、台湾、中国などのメンバーに参画してもらいました。彼らは非常に飲み込みが早く、海外展開はもちろんのこと、国内展開の円滑化にも貢献してくれました」。
定着化では、メリハリを付けることで、少ないプロジェクトメンバーでの対応を実現。Sales Enablementによる自己学習の実施や、プレリリースによる早い段階での業務内における使いこなしを進めてきました。これによって、日本語・英語・中国語という3か国語の対応、80を超える拠点と1000人を超える営業メンバーへの展開を、コロナ禍の真っ只中で、見事成し遂げたのです。
活用開始後はこれに加えて、定着化状況をモニタリングした上で、役員や営業統括を交えた定期的なフォローも実施。モニター対象のデータとしては、Sales Enablementの学習率、Salesforceへのログイン率、商談等のデータ登録件数などが含まれており、目標に達していない場合には積極的な改善活動が行われました。
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また、商談情報のアップデートも業務プロセスとして新たに構築し、このプロセスはマネジメントによる戦略立案にまで直結しているのだと語ります。
「営業担当者は毎週木曜日までにSalesforceで商談のアップデートを行い、それを金曜日に上長がチェックします。これを各BU・会社・拠点で毎月第一金曜日に取りまとめ、最終報告値として上申されます。その内容をSalesforceのダッシュボードで見ながら、マネジメント会議が実施されるようになっています」(宇野氏)。
これらの取り組みによって、迅速かつ的確な経営判断がスピード感を持って行えると同時に、現場レベルの施策でも複雑性の排除ができシンプル化できていると宇野氏。日報・週報にQuipを使い脱Excel化ができたことで、情報共有のあり方が変わり、現場の負荷も大幅に軽減できたと言います。さらに人工知能のEinsteinによるスコアリングも活用しており、これも営業現場から高い評価を受けています。今後は営業だけではなく開発など他部門でもSalesforceを活用し、営業・開発のさらなる連携強化を目指したいと語ります。
「スリー新DXは、ニデックのDNAである3Q6S(ニデック社員の行動規範)や永守イズムをベースに、Salesforceのプラットフォームの力を融合させることで、営業チームを進化させています」と髙橋氏。「ビジネスを創り、確実に受注し、お客様との接点を繋ぎ続けるために、営業活動全般のプラットフォームであるSalesforceの活用は、引き続き進化させていきます」。