3. 情報の多寡にもとづく顧客セグメントによる営業アプローチが成果をもたらす
Salesforceの導入により同社では、まず営業プロセスの管理という側面において、個々の法人顧客に対して、適切なタイミングで必要な営業アプローチが可能な仕組みを実現しています。リース契約満了の数カ月前に担当営業が顧客にコンタクトしてサービスの更新にかかわる案内を行い、確実に継続いただける体制を作るなど、営業力を強化していきました。
また、そうした各営業担当者が日々実施すべきタスクについて、Salesforceのダッシュボード上で常に可視化できるようにしました。担当者がある作業の完了報告を行えば当該タスクの色が変わり、さらにそれを上長が確認してコメントするとさらに色が変わるといった進捗をわかりやすく視認する工夫も行っています。もちろん、作業の漏れや遅延が発生した場合は、確実に担当者にアラートが飛ぶようになっています。
一方、かつてカスタマーカードで管理していた顧客情報は、Salesforceでより網羅性高く管理していきました。契約情報や商談、訪問履歴、さらには顧客から直接収集したさまざまな情報に加えて、帝国データバンクの企業情報を連携させたり、あるいは全国のトヨタレンタリース向けに基幹システムとして展開されている車両管理の仕組みのデータも取り込んだりして運用しています。
「当社では、顧客から収集した情報の多寡を“絆”を示す指標とし、S、A、B、Cのランク付けを行う仕組みをSalesforce上に実装して、営業活動に役立てています」と紹介します。契約車両台数や売上規模ではなく、そうした情報の多寡、すなわちエンゲージメントの深さを用いて顧客セグメンテーションを行っている点は、まさに同社ならではのアプローチで、注目を集めています。
この徹底的な顧客エンゲージメント強化で得たデータが、まさに、既に述べた“商縁”活動のナレッジベースになっています。顧客の困りごと(例:駐車場のポールが折れている)に応じてSalesforceでキーワード検索(例:看板・標識機製造企業)、問題の解消に最適な商品やサービスを取り扱う企業を顧客の中から速やかに抽出して紹介。顧客同士を結びつけ、そこにビジネスが生み出される仕組みを構築し、顧客ロイヤルティの向上に役立てています。
こうした取り組みによりトヨタレンタリース新埼玉では、元来、全国のトヨタレンタリース各社の中にあっても高水準を維持してきた契約継続率をさらに向上させるという成果を上げています。
「今後は、グループ会社である埼玉トヨペットとの協業で、同社が有する約2万社の法人顧客の情報も今回のSalesforceの基盤に取り込んで統合し、サービスの共同利用を進めていくべく、その可能性を模索しているところです」と考えます。
一方、先ごろトヨタ自動車では、二人乗りの小型BEV車であるC+podの提供を開始しており、この製品はリース契約専用となっています。そこでは、モビリティ社会におけるカーボンニュートラルの実現を念頭に、リースアップ後の車両を確実に回収し、搭載されている電池の「3R」(リデュース、リユース、リサイクル)を積極的に推進していこうというスキームが描かれています。「こうした取り組みにも見られるように、今後、法人を中心に車をリースで利用していくという流れがさらに加速していくことは間違いなく、当社としてもお客様に向けた、さらに高付加価値なサービスの創出を目指していくことになります」と山田氏は強調します。これらの取り組みの推進が、さらなる“商縁”の規模拡大につながっていくことはいうまでもありません。
※ 本事例は2021年12月時点の情報です