リピート率16%アップ、作業コスト18%カット! 挨拶状印刷サイトのパイオニアがパンク寸前のカスタマーサポートを立て直し、さらに飛躍した理由”

 

"街の印刷屋"がEC事業へ進出
挨拶状印刷サイトの先駆者に

株式会社グリーティングワークスは、大阪市西区に林立するビル群の一画にオフィスを構え、挨拶状や年賀状の印刷専門サイト「挨拶状ドットコム」を運営する、社員数29名(2012年5月時点)のベンチャー企業だ。前身は1972年創業の"街で愛される印刷屋"。代表取締役の德丸博之氏が、先代の培った印刷技術を土台に、2003年、インターネットの可能性に賭けて同社を立ち上げた。挨拶状印刷のノウハウこそあったものの、EC事業は手探りの状態からのスタート。それでも同社は設立当初から右肩上がりで急成長を続け、2004年5月期の決算で6000万円だった売上高は、2012年5月期には前年同期比12.8%増の8億600万円にまで伸びた。関西の優れたIT系中小企業に贈られる「関西IT企業活用百撰」(関西サイエンス・フォーラム主催)の優秀賞を2度受賞するなど、挨拶状を専門に扱うEC事業のパイオニアとして注目を集めている。

同社の製品・サービスの特長は、ウェブサイト上で挨拶状の完成画像を確認できるプレビュー機能によって、より注文者のイメージに近い仕上がりを可能とした点にある。また、インターネットの特性を活かし、昼夜を問わずいつでも注文できる簡便さと納期の早さも、特に多忙なビジネスマンを惹きつける魅力になっている。

そうしたセールスポイントに加えて、新規事業部部長の中野幹彦氏は、同社の強みはカスタマーサポートの手厚さにある、と分析する。

「挨拶状は、仕事上の大切なおつき合いの一環であったり、人と人との気持ちをつなぐものであったりするだけに、強いこだわりをお持ちのお客様が多いんですね。ですから、そういうお客様からの電話やFAX、メールでのお問い合わせに対し、そのお気持ちをくみ取って、『こういう文面であればきっと喜んでいただけますよ』と適切にアドバイスできるか否かが、弊社のカスタマーサポートの腕の見せどころです。当然ながら、いかにサポート業務の効率化が必要とはいえ、スタッフは皆、コストを意識しすぎて電話を早く切ろうとしたりせず、しっかりと対応するよう心がけていますし、お客様にとってもそうした接客姿勢が弊社の魅力のひとつになっていると考えています」(中野氏)

 

 

顧客急増で管理システムがパンク寸前
新システム導入が喫緊の課題に

しかし、そうしたきめ細かなサービスによってより多くの顧客を惹きつけたことが、結果として新たな問題を引き起こす要因になった、と中野氏は振り返る。

「売上の増加に比例して急増するお客様からのお問い合わせに対応するため、顧客情報と業務体制を管理する自社開発のシステムの増改築を繰り返していたのですが、2009年末にそのシステムがとうとう悲鳴を上げ始め、2010年頭にはもうこれ以上は無理という状態にまでなってしまったんです。弊社の場合、毎年10~12月が大繁忙期ですから、遅くとも次の9月までに何らかの対処をしなければ、業務に破綻を来すのは明らかでした。それで、以前から興味はあったものの、価格と労力の面から先送りしていたCRM(顧客管理)システムとCTI(電話・FAXとコンピュータの統合)システムの導入を決意したわけです」(中野氏)

繁忙期まで、残された時間は4カ月。時間の許す限り情報を収集し、複数のベンダーの製品を比較検討する上で、同社が重視した条件は次の3つ。1つは、いうまでもなく短期間で導入できること。残りの2つは、導入・運用コストが低いことと、動作の安定性が高いことだ。

「まず1つ目の条件については、セールスフォース・ドットコムの営業の方に弊社の要望を伝えたところ、すぐに回答があって、『その内容なら導入までに1~2カ月あれば十分』ということでした。時間的な余裕がなくて導入を諦めかけていたぐらいでしたから驚きましたね。それに、営業の方の反応が早く、できないことをできるなどとは決していわないことも、信頼できそうだと感じたポイントでした。それから2つ目は、導入コストが安く、かつ利用分だけ支払えばいい料金体系は魅力でしたし、導入によって想定されるサービスの向上や作業コストの低減を考慮すれば、十分に採算の取れる金額でした。3つ目に関しては、国内はもちろんアメリカで十分な導入実績があってトラブルが少なく、さらに動作環境に左右されずにアップデートも頻繁であることが大きかったですね」(中野氏)

それら3つの条件を満たしていたことに加えて、クラウドやSNS、モバイルといった次世代を担うツールへの対応を進めるセールスフォース・ドットコムという企業に対し、接客面における将来的な可能性の大きさを感じたことが選定の決め手になった、と中野氏は語る。

SalesforceとCTIシステムの連携により
サポート業務の効率等が飛躍的に向上

そうした経緯で同社は、2010年7月に営業支援・顧客管理アプリケーションのSales Cloudおよびカスタマーサービス支援アプリケーションのService Cloudを導入。当初の主目的は、カスタマーサポート業務において他社製のCTIシステムと連動させて運用することにより、注文や問い合わせに対するレスポンスを向上させ、売上に結びつけることにあった。挨拶状事業部カスタマーサポート課マネージャーの高倉玉彦氏はいう。

「導入後、例えば電話でのお問い合わせの際、以前にご利用いただいたことのあるお客様であれば、ご利用の経緯や内容、対応したスタッフの名前などの履歴が、画面上にポップアップで即座に表示されるようになりました。これはサポートスタッフにとって革新的なことでしたね。というのも、そうした過去のやり取りをもとに、今回のお問い合わせの内容やご要望を推定しながら対応できるため、レスポンスを速められるだけでなく、お客様のお悩みにより集中して真摯に向き合えるようになり、結果的にスタッフの接客スキルの向上にもつながったからです。導入前は接客履歴を残せなかったので、お問い合わせの電話を受けた者が、『○○様からお電話です!』とオフィス中に響き渡る声で前回の担当者を呼び出していました。でも、お客様からすれば、待たされたりたらい回しにされたりすること自体気分のいいものではありませんし、そもそも担当者が不在の場合には、当然ゼロからの対応になってしまいます。現場のスタッフの多くが、そこを改善できただけでも導入の意味は大いにあったと感じています」(高倉氏)

導入の効果は、数字にも如実に表れている。売上に関していえば、2013年3月の新規受注率は62%で、導入前の正確な数値こそ把握できていないものの、「体感値としては劇的に上がっている」(中野氏)という。また、リピート率は、2010年から2011年で16%、2011年から2012年で14%向上。作業コストについても、人件費換算で18%、接客時間換算で同じく18%の削減に成功している。

「一番嬉しいのは、無理に電話を切り上げるなどといった行為をせず、導入前と同じか、それ以上の接客姿勢を保ちながらも、これだけの成果を残せているということです。サポートスタッフは常々、お客様とじっくり向き合いたいのに、そのための時間が足りないというジレンマを抱えていましたから、本当に大きな成果ですし、やりがいにもつながります」(高倉氏)

新システムに対する社員の意識が一変し
現場からツール活用の新たな動きも

さらに最近は、販売傾向や顧客動向の調査、商品開発など、Salesforceをマーケティング部門で活用する動きも出始めているという。

「CRMやCTIといったシステムが、膨大な顧客データを収集して分析し、今後のビジネスに活かせるものであることはもちろん理解していました。ですが、当初の一番の目的はカスタマーサポートで活用することでしたので、それ以外の使い方をすることは考えていませんでした。ところが、Salesforceの使い方に慣れてきた頃から、『こういうことはできないんですか?』と興味を持つスタッフが増え始めて、今や彼らの作成したレポートが200~300本たまっています。正直なところ、最初のうちは新しいツールに対してアレルギー反応を示すスタッフも少なからずいて、現場からそういう動きが自然に出てくるなどとは想像すらできなかったので、本当に嬉しかったですね」(中野氏)

「お客様の声や挨拶状のデザインなど、感覚的で数字に表しにくいものは、どう改善するべきかを上司や同僚に伝えにくいですし、マーケティングに活かすのも難しい。それが、Salesforceのレポートを使い始めたことによって、感覚ではなく根拠のある数字として提示できるようになりました。代表の德丸からも、『こういうデータはSalesforceで出せないの?』と尋ねられる機会が増えましたね。おそらく、これまで目に見えなかったものを数値化して経営に活かしたい、という意識が高まっているのでしょう。Salesforceのデータを業務に反映させられるようになったことが、もしかすると今後、弊社の新たな強みになるかもしれないと感じています」(高倉氏)

新しいシステムやツールを使い始めることに対しては、誰もが多少なりとも抵抗を感じるもの。しかし同社は、わずか4カ月で導入当初の目的を果たし、約3年が経過した今、「自分たちの手足になりつつある」(高倉氏)というまでにSalesforceを使いこなしている。導入成功のポイントは何だったのだろうか? また、どんな企業に適したツールだと感じているのだろうか?

「弊社の場合、接客ツールとしてカスタマーサポートで活用したいというはっきりとした目標があったわけですが、やはりそのような明確なビジョンを持って導入に臨むことが大切ではないでしょうか。逆に、『Salesforceを使えば何でもできる』という漠然とした目的で導入すると、成功は難しいかもしれません」(高倉氏)

「開発に時間がかかって改修も難しい従来のツールと異なり、リーンスタートアップ(試作と改修を繰り返して完成に至る手法)であるため、スピードを重視する企業には特におすすめですね。また、弊社の大きな目標、というより夢に近いのですが、お客様のライフタイムバリュー(継続的な取り引きにより顧客が企業にもたらす利益)をしっかりと把握して、長いおつき合いのできる仕組みを構築したいと考えている企業にとっては、お客様の情報を一元管理できる点が非常に役立つと思います。それから、弊社もそうですが、将来的にFacebookやTwitterなどのSNSをビジネスに組み込みこもうと考えている企業にも、そこへの対応に積極的なセールスフォース・ドットコムの製品とサービスはうってつけでしょう」(中野氏)

明確なビジョンを持つことは、ビジネスのあらゆる場面において成功を左右する要素だが、それは新たなシステムやツールを業務に取り入れる際にも同様にいえることのようだ。

 
 
Salesforce Platform, 金融, 100名以下, B2C
Sales Cloud, Community Cloud, ITサービス, 100名以下
Sales Cloud, 小売・流通, 100名以下, B2B と B2C
Salesforce 製品、価格、実装方法、その他何でも、ご不明な点があればお尋ねください。高度な訓練を受けた弊社の担当者がいつでもお待ちしております。
ご不明な点はお問い合わせください。 0120-733-257