経営判断に必要なデータがリアルタイムに可視化されるようになり、次にどんな手を打てば利益を出せるかがようやく見えてきました”

八面六臂株式会社 代表取締役 松田雅也氏
 

食の本質に根ざした“料理人のための e コマース”―八面六臂株式会社(東京都中央区)代表取締役の松田雅也氏は、自社のビジネスをひと言でそう表現する。同社が手がけるのは、飲食店からの注文を Web サイトで受け、水産物や青果、精肉などの生鮮食品を配送するサービス。画期的なのは、コストの問題で大手流通業者には手を出しにくい少量多品種の生鮮食品を、最少 1 点から 1 都 3 県の飲食店へ注文翌日までに届けられる点だ。

それを可能にしたのが、中央卸売市場だけでなく、全国の市場や生産者からも食材を買いつける独自の仕入れルートの確立と、自前の配送網の整備。中間コストを極力カットし、物流を効率化することによって、飲食店のニーズに合った食材をより新鮮な状態で安価に届けられる仕組みを整えたわけだ。そうした同社のサービスは、生鮮食品の流通業界に革命を起こすものとして注目を集め、2015 年には第 3 回日本ビジネスモデル大賞を受賞。継続的に利用する登録店舗数も今や 3000 店舗に達している。

しかし、食材に対する料理人の目は厳しい。生鮮物というミスの許されない商品を毎日大量に、迅速に届け、なおかつ利益を出さなければならない。

「そのためには、情報処理による業務の効率化が不可欠。そして、その実現に大いに貢献しているのが、Service Cloud なのです」(松田氏)

 

同社のビジネスは、顧客のニーズに合う食材を仕入れて即日売る、という日次のサイクルが基本。当然、マネージャーが顧客ごとの販売実績や対応履歴などを常時チェックし、即座に仕入れや価格に反映させることが求められる。しかし以前は、そうした情報を Access や Excel などの複数のシステムで管理していたため、必要な情報を集めるのが難しく、またマネージャーへの報告などにも手間を要し、改善までに時間がかかっていた。

そこで同社は、Service Cloud を導入し、売上や受注実績など、顧客に関するあらゆる情報を入力して一元化。それによって、業務効率が格段に向上しただけでなく、顧客の現状やニーズを適宜把握して迅速に対応できるようになった。

「経営判断に必要なデータがリアルタイムに可視化されるようになり、次にどんな手を打てば利益を出せるかがようやく見えてきました」(松田氏)

Service Cloud は、問い合わせ対応の品質改善にも役立っている。業務の性質上、同社には深夜にも顧客からの問い合わせの電話が頻繁にかかってくる。従来はそれに対応すべく、人員を増やして 24 時間シフトを敷いていたが、オペレーターごとの対応の品質にばらつきが生じていた。

しかし、問い合わせの内容と対応履歴が Service Cloud に蓄積され、“よくある問い合わせと回答”としてデータベース化されたことにより、対応の品質と速度が飛躍的に向上。誰が問い合わせを受けても均質な対応が可能になった。

「オペレーションの平準化によって“担当者”という概念が消え、サービスの品質が高まりました。変化を感じていらっしゃるお客様も多いようで、最近、『電話対応が丁寧になった』とのお褒めの言葉をよくいただきます」(松田氏)

「ビジネスの可視化と効率化によって、結果的にマネージャー層がほぼ不要になり、最大60名いた正社員は現在16名、人件費を約4分の1まで削減できました」(松田氏)

年率200%という驚異的なペースで顧客を増やし続けている同社。それでも松田氏は、まだやっとこのビジネスの入り口に立っただけだ、と語る。

「実は弊社では、売上ではなく、お客様の週次のアクティブ率、継続率を下げないことを第一の目標としています。既存のお客様を満足させられないようでは、絶対に新規のお客様を獲得できませんし、本当にいいサービスを作りさえすれば、売上は自然についてくるからです。

ただ、弊社のサービスは、まだ最高の食材を求めるお客様に認めていただける品質には達していない。それを実現する手段として、Salesforceは必ず役に立つと思っています」(松田氏)

 
 
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