営業数値のリアルタイム管理でIPOに弾み! “企業のシナプス”社内SNS Chatterがクラウドベンダーの組織IQを高める”

 

SFAやCRMなんて、わが社の規模ならまだ必要ない――ビジネス上のやりとりでしばしば聞かれる言葉だ。確かに、社員の大半が見知った間柄で、営業の進捗状況を知りたいときには隣席の社員に話しかければいい、という環境なら、そう思えて当然かもしれない。

しかし、ことに中小企業において半ば“常識化”しているそうした考え方を、株式会社ホットリンクの代表取締役社長CEO・内山幸樹氏は真っ向から否定する。「Salesforceを導入するなら、絶対に組織が小さいうちに行うべきだ」と。内山氏がそう確信するに至った経緯を、同社のSalesforce導入から活用までの顛末とあわせて振り返ってみることにしよう。

同社は、ブログやTwitter、2ちゃんねる等のビッグデータを収集し、自社製品の評判やトレンドを分析するツール「クチコミ@係長」や、企業の風評・情報漏洩を効率的に発見するツール「e-mining」などを提供するクラウドベンダーだ。2000年6月創業の同社は、近年、ソーシャルメディアやスマートフォンの普及などを追い風として急速な成長を遂げ、2013年12月、念願の東証マザーズへの上場を果たしている。

しかし、IPO(株式公開)の約2年前、内山氏はいくつかの大きな悩みを抱えていた。

 

 

営業数値を即時把握できず、迅速に意思決定できない……

「弊社では、経営の意思決定をする際、事実に基づいて議論することを大事にしています。にもかかわらず当時は、営業進捗や売上、お客様からのクレームなどのデータが、各部署・担当者によってExcelやAccessでバラバラに管理されていたんです。当然ながら経営側は、そうした営業数値をリアルタイムに把握できず、スピーディに意思決定することができませんでした」(内山氏)

一方、現場側も、経営側への報告資料を作ろうとすると、必要なデータを集計するのに膨大な手間と時間がかかってしまう。結果、そのしわ寄せが、本来の仕事である営業活動にまで及んでいたという。また、先述のようにデータを二重、三重に管理していたため、どの数値が正しく、どの数値が間違っているのかをすぐには判断できず、ビジネス施策のターゲットを決めるのに時間がかかる、といった問題もあった。

この状態を放置したまま、ビジネスと組織とがさらに拡大したらどうなるのか? 内山氏は不安を覚えずにはいられなかった。

「僕はもともとエンジニアなので、組織が大きくなってから、使い慣れたつぎはぎだらけのシステムを統合することがいかに大変か、容易に想像できました。システムというのは、ビジネス展開に合わせて改修し続けなければならないものですから、なるべく会社の規模が小さいうちに拡張性の高いシステムに入れ替えて、情報基盤を整えておいた方がいいのは明らかです。

それに、弊社は知的生産をしている企業なので、その業務を支えるシステムは、常に可能な限り速くて効率的なものにしておき、それによって新たなアイデアをどんどん生み出していかなくてはならない、という思いもありました」(内山氏)

売上可視化で翌月の目標もまとめてクリア!

危機感を募らせた内山氏は、数社のCRMを比較検討した末の2012年2月、Salesforceの導入に踏み切る。将来、ビジネスが新たな展開を迎えても、Salesforceならそれに合わせて柔軟にカスタマイズできる。それが選定の決め手になった。

SaaS事業部セールスグループの竹本有里氏によると、現場の社員たちは、利用開始当初こそ、従来の管理手法との違いに戸惑い、データの入力をたびたび誤るなどして苦労したものの、「Salesforceのデータをコピーするだけで、そのまま報告書として使える状態にする」という経営側の強い意志に後押しされ、数カ月後には問題なく使いこなせるようになった。

そしてその頃から、Salesforceは目覚ましい成果を上げ始める。まず、懸案のひとつだったリアルタイムな営業数値の把握が可能になったのだ。

「当時弊社では、月間の売上目標を達成できた場合、毎月末の締め日にちょっとしたパーティを開いていました。それで、ある月の第4月曜日、弊社のCOOが全社員の前で、『Salesforceのデータによると、現時点で今月の目標はすでにクリアしていて、さらにもうちょっとで来月の目標も達成できる。だからあと少しがんばって、今週末のパーティでは来月分もまとめてお祝いしよう!』と号令をかけたんです。そして数日後には、見事に翌月の目標数値までクリアしてしまった。営業活動や会社の成長をヴィヴィッドに感じられるこのスピード感には、経営者として本当に感動しました。

また、IPOの申請期には、それまで以上にきちんとした予算管理が求められるので、営業数値を常時把握できるようになったことは非常に役立ちましたし、IPOに向けて社全体に『俺たちイケてるぜ!』という雰囲気を醸し出す上でも大きな効果を発揮したと思います」(内山氏)

この“成功体験”について、竹本氏が現場の視点から補足する。

「目標まであといくら足りないか、レポートのグラフを見れば瞬時にわかるようになったことで、社員それぞれが、目標を達成するために何が必要かを自ら考え、積極的に行動できるようになり、結果として営業力の強化につながりました。Salesforceによる“見える化”で、そういう動きがすごく増えたと感じます」(竹本氏)

社内SNS Chatterが部門間連携を強化

Salesforceによって生まれたもうひとつの大きな変化。それは、社内SNS Chatterを全社的に利用することによって、部門間の連携が強化されたことだ。SaaS事業部開発グループシニアアーキテクトの池田淳一氏はいう。

「導入以前は、お客様からの改善要望やクレームを営業担当者から口頭やメールで間接的に伝えられても、開発側の反応は、『忙しいんだけど、今やらなきゃダメなの?』という感じでした。営業側からするとなかなか切り出しづらい雰囲気だったと思います」(池田氏)

ところが、各営業担当者が、自分用の記録として顧客訪問の結果をSalesforceに入力するようになり、それが自動的にChatterに投稿されるようになると、開発側の業務に対する意識と姿勢に明らかな変化が起こる。

「そうしたChatterへの投稿を見ると、ことの緊急性やお客様の不満の大きさがダイレクトに伝わってきて、早く何とかしなくては、という気にさせられるんです。もちろん、『新たにリリースした機能が好評です』といったお客様の声も直接届くようになり、開発側のやる気を向上させている面も大いにあります」(池田氏)

開発グループは、Chatter上に記録された顧客の声を拾い上げて一覧化し、優先度の高い順に機能として実装する。顧客にとって、まさに“かゆいところに手が届く”サービスを提供することが可能になったわけだ。

「Chatterは企業の“シナプス”である」

実のところ内山氏は、導入当初から、そのように部門間の連携が強化されるのは間違いないと踏んだ上で、社内連絡ツールをChatterに一本化する決断を下していた。そして、その判断の根底には、思索と経験とに裏打ちされた、内山氏ならではの組織に対する考え方があった。

「組織というものは、人間の脳と非常によく似ていると僕は考えています。実は、ひとりの人間の脳細胞の数や質には、ほとんど個人差がありません。では、何がその人のIQを決定づけるのか? それは、脳細胞同士をつないで情報を電気信号として伝達するシナプスの数です。

企業という組織にもまったく同じことがいえます。例えば、ある営業担当者が、お客様の声をChatterに投稿したとする。すると、それを見たほかの社員たちから、『それなら私はあの企業に同じようにアプローチしてみよう』『俺は技術的な手段を調査してみよう』とさまざまな発想が生まれる。つまり、人間の脳と同様に、社員の数や質ではなく、ひとりの社員の得た情報がChatterによって広く社内に伝達されたことこそが、新たな発想を生む要因になったわけです。いうなれば、Chatterは会社という組織にとってのシナプスであり、それよっていかに多くの発想を生み出したかが“組織のIQ=賢さ”なのです」(内山氏)

Salesforceで組織IQを高めて成長すべし!

人と情報とが結びついた知識循環プラットフォームができて初めて、“ほっと”する社会を実現できる――内山氏が創業時から掲げる株式会社ホットリンクの企業理念だ。「つまり、Salesforceの概念は、弊社の追い求める世界そのものなのです」と笑顔で語る内山氏に、早い段階でSalesforceを導入したことに関する率直な感想を尋ねてみた。

「業務システムが速く効率的であるほど、社員は本来やるべき仕事にたくさんの時間を費やすことができます。まだ企業規模が小さいからという理由で、情報基盤の整わない状態のまま何年もビジネスを続け、本来得られたはずの利益を逃してしまうぐらいなら、なるべく早く組織のIQを高めて、その賢さをもってビジネスに取り組んだほうが確実に成長できる。それは、上場を目指しているかどうかに関わらず、すべての企業に当てはまることだと思います」(内山氏)

 
 
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