株式会社ミスミグループ本社

Salesforce+The Modelで営業・ マーケの「ムリ・ムラ・ムダ」を排除するミスミ新規事業のDX”

 

新規事業拡大にむけゼロからスタートした
営業組織が実現する自らの生産性改革とは

急成長した新事業の組織改革に
「The Model」を採用

ものづくりに関連した3,000 万点超を網羅するカタログ販売で知られるミスミグループ本社。同社の新機軸として2016 年に提供を開始した「meviy」は、機械部品のオーダーメードを自動化し、一気通貫で提供するサービスだ。
Webサイトに3D CADデータ(設計データ)をアップロードすると、AIが部品形状などを認識し、瞬時に価格と納期を表示。発注ボタンを押すと、工場にデータが転送され瞬時に加工が始まり、最短1 日で出荷される。調達プロセスの時間を1 割未満に短縮する革新性が評価され、既に7 万人以上(2022 年2 月時点)が利用中だ。
世界33 万社以上の販売先を持つ同社の新たな柱と期待されるmeviy事業も、立ち上げ時は少人数で何でもこなすスタートアップに近い陣容で始まり、本格的な拡販に入ったのは、専属の営業・マーケティング部署を設けた2019年のことだった。
「拡大した業務を、プロセスから見直す枠組みが必要」。meviy事業を統括するID企業体社長で、同社常務執行役員の吉田光伸氏は、そうした課題感とともに参加した同年9 月の「Salesforce World Tour Tokyo 2019」で、営業の分業と標準化を図る方法論「The Model」を知ることとなった。
「The Modelの枠組みには、当社がものづくりの世界で慣れ親しんだ発想に通じるものを感じました。実際に当時の状況を当てはめたところ『継続的に接触できていないお客様』『定着化のご支援が不十分な例』といった課題がすぐ明確になり、『求めていたのはこれだ』と確信しました」

営業・マーケのプロセスを
「標準化」 「一元化」「自動化」

The Modelを踏まえ、同企業体では業務の「標準化」「一元化」「自動化」に着手。このうち「標準化」では、顧客がmeviyの認知から試用、常用に進む「ステータス」と、顧客企業の規模や需要見込みに基づく「ポテンシャル」の2軸で整理。それぞれに対応するチームを設け、顧客へのアクションを定義した。
具体的には、従来の作業をいったん全てドキュメント化した後、判断基準を統一。Salesforceを使った共通のプロセスに集約する作業を、およそ半年かけて進めた。
「一元化」に関しては、ミスミの基幹システムからmeviyのターゲット層を抽出し、meviy専用の顧客情報基盤をSales Cloud上に構築。サービス利用履歴、クレーム対応記録、ミスミの他部署からの接触状況などを、複数のシステムにアクセスしなくても全て分かるようにした。
同ツールのフル活用により、各チームの状況を共有し、認識を統一。同時に、顧客情報が集約されたことで、データを活用した自動化の基盤も形づくられた。
「自動化」では、MAツールのPardotを活用。サービス未登録の見込み客からリピート利用のあるロイヤル顧客まで、リストに含まれる多様な顧客属性をもとに「初回利用の数日後に成功事例を紹介して継続利用を促進」といった状況別の「シナリオ」をそろえ、該当する顧客に適切なタイミングでメールを自動配信する仕組みが構築された。
「実際のメール配信は、各担当者が電話やビデオ会議などの選択肢と組み合わせて立てた施策に基づき、配信リクエストを集約してスケジューリングしています」
 

改革前後で、担当者1人あたりの
顧客獲得数が4倍増

こうした営業改革からは、いずれも顕著な成果が現れている。
業務の標準化においては、明確な役割分担のもとシングルミッション化が進んだ結果、各担当者の作業効率が向上。新たにmeviy専任営業となったメンバーも、 “即戦力”として活躍をみせた。
全ての業務を標準化していたことから、特に優先課題だった中小企業へのmeviyの浸透においては、一定の認知が得られた時点で「トライアル利用」に続く「継続利用」の働きかけを厚くするなどの機動的な人員配置が取れたという。
業務のブラッシュアップはその後も続いており「顧客企業の担当者ご自身が多忙なほど、調達業務を効率化できるmeviyのメリットが響くと分かり、アプローチの際に具体的な兼務の状況をうかがうなど、走りだしてから見えてきた項目も手順の大枠の中へ柔軟に加えています。それを可能にした、Salesforceの高い拡張性を評価しています」
また、情報をSales Cloudに一元化した結果、「従来30分かかった情報収集が10 分に短縮」「顧客単位で毎日行う営業活動の報告作業が20 分から5 分に短縮」などの効率化が実現。同じ時間内に、より多くの顧客とコンタクトを取れるようになった。
さらにPardotを用いた自動化においては、meviyの利用を検討する多様な状況をカバーするメールコンテンツが200 種類以上そろうまでになった。
メールは少ない労力で効果が得られる便利な手法である一方、過剰な頻度とならないよう、関連する内容は1 通にまとめるなどの判断・調整も随時行っているという。
改革に着手した2019 年と翌20 年の比較で、meviyのプロモーションに携わる担当者1 人あたりの顧客獲得数は、4 倍にも増加。オンライン機械部品調達サービスの国内シェアでも55.5%※を握り、最大手の座を盤石なものとしつつある。
「meviyは今後、現在の切削・板金以外の加工種などサービスを拡大し、海外展開も進めていく計画です。それに併せて、The ModelとSalesforceを組み合わせた私たちのべストプラクティスをグローバルに展開していけたら」と吉田氏。サービスと社内体制の両面から、DXのあるべき姿を体現し続ける同社の快進撃は、しばらく止まりそうにない。
※ 本事例は2022年2月時点の情報です
 
 

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