三菱UFJ信託銀行

Salesforceを利用することで、約1,500帳票の電子化が2020年度内に完了し、2021年3月末時点で約9,000人が使い始めています”

三菱UFJ信託銀行株式会社
経営企画部 企画グループ 上級調査役
金子 怜子氏
 

約1,500種の帳票のペーパーレス化を実現
社内のマインドチェンジを促し
業務変革を劇的に推し進める

顧客の大切な財産を預かるに足る
精度、信頼性の高い業務を担う

三菱UFJ信託銀行(MUTB)のような信託銀行の役割は、預金・為替等の一般的な銀行業務だけではありません。債権・株式等の有価証券、不動産など、個人や企業が保有する財産を預かり管理・運用する信託業務。さらには遺言の保管や執行、株主名簿の管理、不動産の仲介のような併営業務など、多様な業務を担っています。このため社内の業務は、種類も量も膨大。しかも、顧客の大切な財産や個人情報などを取り扱うことから、その一つひとつの業務には高い精度、信頼性が求められます。意思決定や承認、確認などに際してのワークフローは複雑になりがちでしたが、一度確立して実績を積んだ業務の進め方は、簡単には変え難い状態でした。
「もちろん、業務改革には取り組んできましたが、まだまだ紙ベースの業務が多く残されていたのも確かでした。国内外の各拠点や関連会社などへの帳票の回付に時間を要すことも多く、より抜本的な改善が必要でした」と金子怜子氏は業務スタイル変革の必要性に迫られていた状況を振り返ります。
当初、2020 年東京オリンピック開催に向けたリモートワーク環境整備に着手していました。ところがその矢先に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるパンデミックが発生したのです。2020 年4 月に緊急事態宣言が発令されると、同社は社会インフラを支えながら、お客さま・従業員の安全確保と業務継続の両立を図るため、紙ベースの帳票を使う業務を早急にペーパーレス化・押印レス化する必要が出てきました。そこでMUTBでは、全社が一丸となって取り組むプロジェクトとして「業務スタイル変革PJ」をスタートさせました。
 

三菱UFJトラストシステム DX推進部 三宅浩亮氏(左) と三菱UFJ信託銀行 経営企画部 企画グループの金子怜子氏(右)​

業務スタイル変革PJでは、その手始めとして、宅での業務を阻害する要因となる帳票を洗い出し、それらの大多数をペーパーレス化、押印レス化して、在宅での円滑な申請、承認、再鑑を可能にする環境を整えることにしました。
MUTBでは、それまで独自のワークフローシステムを使って、業務を電子化してきました。しかし、開発スピードの観点とシステム機能上の制約から、紙ベースの帳票の大多数を迅速に電子化することは困難でした。そこで思い切って、新たなワークフロー基盤を構築し、あらゆる帳票の申請、承認、確認などの業務を集約することにしました。
そして、構築するプラットフォームの候補として、Salesforceを含む3 社を挙げ、2か月間のPoCを実施。2020 年7 月にSalesforceを導入することを決定したのです。Salesforceを選択した理由を三宅浩亮氏は「Salesforceが真の意味でSaaSであったから」だと説明します。
「今回のワークフロー基盤構築の主眼は業務改革にあります。当然ながら、標準化が念頭にありました。その点でSalesforceは、標準化やパーツ化に長けたプラットフォームでした。検討していた他社のソリューションはローコーディングに主眼が置かれていましたので、SaaS+PaaSというよりもPaaSの意味合いが強く、『開発するための』プラットフォームとの印象です。もちろん、ローコーディングも魅力なのですが、運用上のガバナンスやユーザーにサービスを提供できるスピード感を考えた場合、自信を持って『サービス提供のための』プラットフォームとして提供しているSalesforceに魅力を感じました」(三宅氏)
もちろん、標準化を目指しSaaSのメリットを最大限に活かすには、機能などを熟知し使いこなさなければなりません。その点においても、Salesforceのサポート体制が役立ったといいます。
「採用決定後は、Success CloudのPA(プログラムアーキテクト)の方に入っていただきました。どの機能を使うべきか、またどうしたらバージョンアップで影響が出ないようにできるかなど、さまざまな観点からのアドバイスにより最適な仕組みを構築できました」と三宅氏は評価する。

関連会社含めた9,000人が利用
“使われるシステム”を実証

Salesforce導入以前のワークフローでは、起案、文書審査など用途ごとに分散していたため、手を付けるべき帳票がどこにあるのか、わかりにくい状態でした。また、それぞれのポータルは、個別最適として自部署の業務スタイルに合わせて作り込んでいたため、システム開発に時間と費用を要し、新しいワークフローを増やしにくい状態でした。さらに、従来のポータルでは、添付可能な申請書類の容量や1つのアプリケーション内の申請数などに制限がありました。Salesforceでは、こうした制限がクラウドのメリットを生かし大幅に改善されました。 Salesforceの導入作業を開始したのは2020 年8月でしたが、10 月末には開発を完了。11 月には先行部署であるIT部門に、12 月には全社にリリースすることができました。「Salesforceを利用することで、約1,500 帳票の電子化が2020 年度内に完了し、2021 年3 月末時点で約9,000 人(関連会社含む)が使い始めています。このように早期導入できたのは、社長をはじめとするトップマネジメントがトップダウンで判断したことです。社内業務に深くかかわる管理部門間で迅速に擦り合わせ、現場も業務運営を変える意思を持って改革を進め、トップ・ボトムの双方の力を合わせた成果だと考えています」と金子氏は言います。
数多くの帳票を迅速に電子化できた理由として、「業務ごとに、ワークフローのテンプレートを用意した点もあります。ワークフローは、『申請画面』『承認フロー』『付加機能』『公開範囲(アクセス権)』の4 要素で構成されています。このうち、申請画面や付加機能などについては標準化し、承認フローの回付パターンや申請データの公開範囲などについても何パターンかのパーツを用意し、その中から目的に合ったものを選択することで、多様なワークフローのテンプレートを簡単に作成できるようにしました」と三宅氏は言います。これも、SaaSとして機能やパーツ化に長けたSalesforceが後押しをしたからと評価します。結果、Lightning Platformを利用して、ユーザーがシステム部門の助けを借りることなく、新しいワークフローを簡単に作成できるようにもなりました。
また、金融機関であるMUTBが用いるシステムでは、「アクセスログ還元」や「特権ユーザー分離」への対応など、SOX法に対応するセキュリティ対策が必須です。Salesforce Shield(イベントモニタリング)を活用することで、閲覧/作成/変更/削除の操作ログを取得可能になり、アクセスログ還元も実現。さらに、特権ユーザー分離についても、分割粒度と保持権限を柔軟に制御できるSalesforceのプロファイル機能で対応可能でした。こうした高度なセキュリティ対策を実装していく際にも、PAのサポートがおおいに役立ったといいます。
最後に今後の展開について話を伺いました。さらなる業務スタイル変革を通じて、会社と従業員の変革をめざす同社では、今後は「業務をシステムに合わせる全社最適」のコンセプトを推進し、使用可能な部品(テンプレート)を増やしていくことで更なる利便性を図る予定で、まずは、現在別のプラットフォーム上で行っているワークフローを、段階的にSalesforceに統合していく予定だといいます。
さらに、Salesforceのサービス活用として、オンライン学習の展開を支援する     myTrailheadを利用した全社横断研修プラットフォームや、Service Cloudを用いて、ナレッジマネジメントも強化した問い合わせ業務の効率化・エンゲージメント向上の実現も視野に入れているといいます。MUTBでの業務改革におけるSalesforceの活用の場は、これからさらに広がります。
※ 本事例は2021年6月時点の情報です
 

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