システム開発のプロ集団が営業管理・勤怠管理・プロジェクト管理のシステムを一新 顧客への的確なフォローと社員の状況把握を可能にしたのはSalesforce を利用させる“ひと工夫”と Chatter による社員間交流”

 

全社員の 9 割がシステムエンジニア
受託開発・要員派遣のプロ集団が営業方針の転換を決意

名古屋の副都心、南の玄関口である金山エリアにオフィスを構える、日本アドバンストリーダーズソフトウェア株式会社。業務系システム、特に生産管理システムの受託開発と、メーカーや同業他社への技術スタッフの派遣とを事業の二本柱とするシステム開発会社である。同社の創業メンバー 7 名は、全員システムエンジニア。もともと、ある企業の同僚として共にシステム開発に携わっていたが、1989 年に独立、共同で新会社を立ち上げた。まさしく生粋の技術者集団というわけだ。

同社の業態の特徴は、全従業員 46 名のうち、事務と営業の担当者各 2 名を除く 42 名の技術スタッフが、2 ~ 3 名のチームを組んで取引先に毎日通って開発を行い、案件の完了まで常駐すること。そうした体制によって、顧客の要望に常時耳を傾け、急な仕様変更などにも柔軟に対応できることが、同社の最大のセールスポイントになっている。システム開発業界の主流が、人件費の低い海外へのアウトソーシングへと移り変わる中、国内生産にこだわり、四半世紀にわたって業績を上げ続けることができたのも、そのような顧客重視の企業姿勢と高い開発力が評価され、受け入れられてきたからだろう。

同社は創業から 10 年以上、特定のメーカー数社を相手に事業を行なってきた。しかし、メーカーの業績は景気や社会情勢に左右されやすく、必然的に同社の売上も得意先の好不調によって大きく変動する。売上を安定させるためには、顧客の数を増やし、リスクを分散させる必要があった。そこで、それまでのようにプロジェクトマネージャーが営業を兼務するのではなく、専任の担当者を置いて営業活動に力を注ぐ、という方針の転換を決定。会社設立から 17 年目、2006 年のことだ。

 

 

営業管理・勤怠管理・プロジェクト管理
3 つの面でさまざまな課題が浮上

創業メンバーのひとりで、同社取締役の横山克也氏は、当時をこう振り返る。

「営業担当を作ったとはいえ、彼らの活動を管理する仕組みが弊社には何もなく、せいぜいテキストや Excel で営業担当者に活動報告をさせるぐらいでした。ですがその方法では、例えばお客様から、『今はシステムを入れたばかりで、3 年後に新しいコンピュータに入れ替えるから、そのときにまたきて欲しい』というようなご要望があっても、後日、活動報告のテキストの中からその履歴を探し出すのには無理があり、結局忘れてしまって次の仕事につなげられない。現場からも、このやり方では限界がある、という声が上がってくるようになりました」(横山氏)

また、各技術スタッフの出勤日や出退勤時刻などは、当然ながら常駐先によって異なるため、顧客の増加によって、各人の勤務形態のばらつきが顕著になっていった。同社では、そうした技術スタッフの勤務実績やプロジェクトの進捗を管理するために、内製でシステムを構築していたのだが、各人が月に 1 回、常駐先から自社へ戻って勤務実績等を直接パソコンに入力する方式だったため、入力の締切日が守られないことが多く、また残業や休暇の申請が事後報告になるため、上司が各スタッフの状況をタイムリーに把握しずらいという問題もあった。

さらに、労働基準法の改正などによって、勤怠管理システムのちょっとした変更が必要になっても、先述の通りプログラムの改修を行える開発部門の人員は取引先に常駐していて、社内に残っていないことがほとんどだった。

横山氏は、そうしたさまざまな課題を解決するには、社外のシステムを導入する以外にない、という結論に達した。

「社内のシステム構築のために人員を割いて時間を費やすぐらいなら、営業管理と勤怠管理、プロジェクト管理の 3 つがパッケージ化された他社製のシステムを導入するほうがコストもかからず効率的です。それで、いくつかベンダーの製品を検討した結果、その 3 つすべてを最も手早く実現できそうだと思ったのが Salesforce でした。それに、データをうまく連携させて、ゆくゆくは他のベンダーの製品より高度なことができそうだという点にも魅力を感じました。検討した製品の中で、Salesforce が弊社のやりたいことに一番適しているのは明らかでしたので、システムの導入を検討し始めてから Salesforce に決定するまでに要した期間は非常に短かったですね」(横山氏)

Salesforce への入力を促した工夫と
Chatter の自発的な利用

同社は 12 年 6 月、Salesforce を導入。ただし、最初からすべてがうまく回り始めたわけではなかったようだ。

「まず、営業担当者が、お客様の情報や営業活動の内容を Salesforce に入れてくれないことには先へ進めないわけですが、新しいシステムを使うことを面倒に感じたのか、なかなか入力してくれませんでした。また、チームスピリット(セールスフォース・ドットコムの Force.com 上に構築された勤怠管理やプロジェクト工数管理などを行う、チームスピリット社製のグループウェア)も同時に導入して、外に出ている技術スタッフに勤務実績などの入力をお願いしましたが、こちらも最初はあまり入れてもらえませんでした」(横山氏)

そんな状況を打破するため、横山氏はふたつの方策を講じた。ひとつは、Salesforce 導入前に Excel で蓄積されていた取引先情報を自らある程度入力し、営業担当者が入力作業に取りかかりやすい環境を整えること。もうひとつが、従来のシステムから Salesforce へ切り替える日をトップダウンで通告し、新システム使わなければ仕事にならない状況を作り上げることだ。

一方、横山氏のそうした努力とは別のところで、ある動きが社員の間で自然発生的に広がっていった。社員が Chatter をコミュニケーションツールとして自発的に使うようになったのだ。

「Chatter については、特に制限を設けず、自由に使っていいことにしていたので、皆がおもしろがって使い始めたんです。各人が『好きな映画を雑に紹介する』というテーマで映画の感想を1行で表現し、それに対して皆がコメントする遊びが流行ったり、休憩時間でもないのにどれだけつぶやいているんだ、とこちらが呆れるほどよく使う社員が出てきたり(笑)。そのようにしてまずは Chatter に慣れ、だんだんと Salesforce 自体を使い始める社員が増えました」(横山氏)

データに基づく顧客への的確なフォローや
技術スタッフの状況把握が可能に

横山氏の工夫で利用環境が徐々に整い、さらに Chatter が一種の導入ツールとして機能したことにより、導入から約 4 カ月後、Salesforce が本格的に稼働し始める。

その効用はすぐに現れた。まずは営業管理に関してだ。営業担当者が活動報告を必ず入力するようになったことで、例えば、顧客から「次は 1 年後にきて欲しい」といった要望があった場合、期日が近づくとアラートが表示されるようになり、それまでのように忘れ去られることは皆無になった。また、停滞している案件を一覧で表示できるようになり、顧客に対する的確なフォローが可能になったのも大きな効果だ。

一方、勤怠管理についてもさまざまな改善が見られた。

「外に出ている技術スタッフに、出退勤の時刻や体調などを入力してもらうことによって、上司や営業担当者が各技術スタッフの状況を正確に把握できるようになりました。例えば、月 160 時間働くという契約をお客様と交わしたのに、予想より残業が増えて規定の時間をオーバーしたり、既定の労働時間を超過しそうになったりした場合、その情報が Salesforce のレポート機能で自動的にメールで送信されます。また、各技術スタッフによる勤務実績の入力が完了するのは、それまで締切日から 1 週間ほどずれ込むことも珍しくありませんでしたが、スマホなどを使って外からでも入力可能になったので、期日がきっちりと守られるようになりました。事務担当者も喜んでいますね。それから、労働基準法が改正されたりしても、チームスピリットの設定を変えるだけで誰にでも対応できるようになり、かつてのように勤怠管理システムの改修に人員を割く必要がなくなったのも大きいですね」(横山氏)

Chatter が社員間交流を促進し
社員の帰属意識を高める

さらに、Chatter によって社員間のコミュニケーションが促進された点も見逃せない、と横山氏は指摘する。

「弊社の社員は外に出ることが多いため、どうしても社内のコミュニケーションが不足ぎみで、会社への帰属意識も低くなりがちでした。Chatter は、間違いなくそうした穴を埋めてくれるツールとして機能している。皆が楽しそうに使っているのがなによりの証拠です。新人を採用する際にも、『外へ出て仕事をする人が多いけれども、このように Chatter を使ってコミュニケーションを取っているので、会社や他の社員とつながっている感覚があります』と Chatter の画面を見せながら説明しています。会社説明会後のアンケートなどを見ると、その点について学生さんはいい印象を抱いてくれているようですね。弊社のように外へ出る社員の多い企業にとっては、大きな武器になると思います」(横山氏)

では、横山氏は今後、Salesforce を利用したどのような展開を考えているのだろうか?

「マイルストン(顧客に提供するサービスのレベルを示す指標)に対して、作業が順調に進んでいるか、予定の工数をオーバーしていないかを自動的にチェックできる仕組みを作って、プロジェクトごとの原価管理を行いたいと考えています。現時点での最終目標は、それを売上に結びつけることですね」(横山氏)

最後に、システム開発のプロフェッショナルの目から見た Salesforce の印象や、導入成功の秘訣などについて尋ねてみた。

「Salesforce の最も優れた点は、誰にでも直感的に操作できる点だと思います。レポートを作ったり、ダッシュボード機能を使って売上などのデータをグラフ化したりするのも非常に簡単です。ただ、それは使って初めて実感できること。最初は取っつきにくさを感じるかもしれません。その最初のハードルを乗り越えるためには、弊社のように、『この日から全員で使うんだ』とトップダウンで早めにいい切ってしまうのもひとつの手だと思います。もちろん、Chatter で新ツールの楽しさを体感させるのも有効でしょう。いずれにせよ、社員に“やらされ感”を持たせず、Salesforce を使うことのメリットを感じさせることが大切なのではないでしょうか」(横山氏)

 
 
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