西日本シティ銀行

Marketing Cloudと顧客情報にかかわるビッグデータを組み合わせたMAにより、DMのヒット率を確実に向上させることができました。”

西日本フィナンシャルホールディングスグループ戦略部
オープン・イノベーション推進室長 尼田 雅典 氏
 

マーケティングオートメーションを基点に
お客様情報を一元化するデジタル戦略を加速、
顧客起点の“One to Oneソリューション”を実現

スマホをデジタル戦略の中心に据え、
店舗やコールセンターとの融合を目指す

福岡県を地盤に総合金融サービスを展開する西日本フィナンシャルホールディングス。その中核である西日本シティ銀行は、2004年10月1日に西日本銀行と福岡シティ銀行の合併により発足しました。以来、前身である両行の時代からの「中小企業育成のDNA」を継承しながら、円滑な資金供給や高品質なコンサルティングサービスの提供を通じて、地域経済の発展に貢献しています。
同行が現在、その推進に着手している2020年4月~2023年3月の3カ年を対象とするグループ中期経営計画では、「お客さま起点の“One to Oneソリューション”の提供」を基本戦略の1つに掲げており、スマートフォン等を活用した銀行取引のデジタル化の進展を図る一方、デジタルチャネルと店舗やコールセンターといったリアルチャネルとの最適な融合を目指しています。
「その取り組みの推進に臨んで、マーケティング面での不可避な要求として浮上してきていたのが、それまでチャネルごとにバラバラに管理されていたお客様接点の情報を一元化すること。そして、お客様像やお客様が抱えるニーズをトータルな視点から把握し、最適なタイミングで最適なコンテンツを提供できる体制を整えることでした」と西日本フィナンシャルホールディングス グループ戦略部 オープン・イノベーション推進室長の尼田雅典氏は振り返ります。
 

西日本フィナンシャルホールディングス グループ戦略部 オープン・イノベーション推進室長の尼田 雅典 氏​

運用中のシステムとの柔軟な連携で
既存のノウハウ、知見を効果的に活用

そうした統合的な顧客情報の把握に向け、特にデジタルチャネルでの顧客の反応や挙動を捕捉する手段として、かねてより同行ではスマートフォンアプリを他の地銀に先駆けて積極活用してきました。具体的には、2015年3月に「スマホの中にも通帳を!」をコンセプトに「西日本シティ銀行アプリ」のサービスをスタート。
「その後、時代とともにバージョンアップを重ねて順次機能拡張を施してきた結果、現在ではインターネットバンキングのフル機能がアプリに組み込まれるに至っており、そのキャッチフレーズも『スマホの中にも銀行を!』へと変更。まもなく、100万ダウンロードを達成しようとしています」と尼田氏は語ります。
アプリ活用による情報収集手段のブラッシュアップを図る傍ら、西日本シティ銀行では、それら情報に基づくリアルタイムでパーソナライズされた顧客体験の提供を支えるマーケティングオートメーション(MA)の実現に向けた取り組みにも着手。MAツールのベンダー各社にRFP(Request For Proposal)を提示し、それに対し返された提案内容を吟味した結果、同行が採用することにしたのがセールスフォース・ドットコムの提供するMarketing Cloudでした。
「Marketing Cloudの採用理由としては、SalesforceのグローバルなSaaS市場での豊富な実績に裏付けられた高度な信頼性はもちろんですが、とりわけ重要な決め手となったのが、行内で利用していた顧客データベースであるMCIF(Marketing Customer Information File)システムとの連携のしやすさでした」と尼田氏。
これに関し同行では、他の地方銀行10行と共同でビッグデータの集約、分析を行う「共同MCIFセンター」と呼ばれるサービスに2013年以来参加しており、顧客のセグメンテーションにかかわる知見などをその基盤上に蓄積してきた経緯があります。その意味で、Marketing Cloudを活用したMAの実践に向けては、同センターのシステムとの連携性が重要なカギを握っていたわけです。
その後西日本シティ銀行では、Marketing Cloudの導入を前提にPoC(Proof of Concept)を実施。いくつかのシナリオに基づく仮説検証を行いました。例えば、デジタルチャネルでの顧客の反応データに基づくアプローチがヒット率向上につながるか否かという検証です。
「具体的には、アプリのバナーにカードローンの広告を表示し、その後DMやアウトコールによるフォローを行って、バナーをクリックした方としなかった方のヒット率を比較しました」(尼田氏)。その結果、バナーをクリックした顧客のヒット率は、クリックしなかった顧客に比べて6.1倍に上がったといいます。
また、顧客に送付するDMに個人の特定が可能なカードローンに関する案内ページへのQRコードを記載し、読み取りを行ったお客様に対してタイムリー(3日以内)にアウトバウンドコールを行うとヒット率が向上するかどうかという検証も行いました。
そこでも非常に顕著な結果が得られたといいます。尼田氏は次のように説明します。「QRコードを読み取った方のヒット率は実に25%。つまり、4人に1人のお客様にカードローンを申し込んでいただくことができました。この検証結果から、しかるべき動線を設けて、お客様の反応をタイムリーに捉えてアプローチすることの重要性を明白な形で認識することになりました」
こうしたPoCの実施ののち約1年程度をかけてMAに基づくマーケティング戦略の策定、システム構築が進められ、2020年6月には晴れてMarketing Cloudと顧客情報にかかわるビッグデータを組み合わせた西日本シティ銀行独自のMAの仕組みが整いました。

7セグメントで5本のシナリオを運用
さらなるシナリオの拡充を目指す

サービス開始後、同行では、新規に口座を開設した顧客や学生、AIで選定した顧客、カードローン残高がある顧客、預かり資産100万円以上の顧客など7つのセグメントを設定し、便利に使う、借りる、貯める、増やすといった各ニーズに沿った5本のシナリオを走らせています。
その中には、口座開設直後のアプリダウンロードの働きかけや、アプリバナーによるリード喚起と記事閲覧顧客へのプッシュ通知によるフォローなどのシナリオが含まれています。「例えば、バナー喚起によるカードローンの獲得に関しては、男女別に異なるコンテンツを用意するといった工夫も行っており、確実に効果を上げています」と尼田氏は紹介します。同行では、最終的にはセグメントを30程度まで増やし、自動化も推進しながら、シナリオの拡充を図っていきたいとしています。
こうしたSalesforce導入による成果も踏まえ、西日本シティ銀行ではコールセンター業務へのService Cloudの適用に向けた準備作業も目下進めているところです。
またMarketing Cloudについても、施策自動化の領域だけではなく、より広範な観点でマーケティング業務における事務効率化を促進するツールとして役立てていきたいといいます。
「地銀の場合、基幹となるプラットフォームを各行が独自につくりあげていくことには、どうしても体力的に難しいところがあるのも事実。地銀間での基盤共同化が強く望まれています。セールスフォース・ドットコムには、持ち前の高度な知見とノウハウにより、そうした領域でも牽引役を担ってもらいたいですね」と尼田氏は期待を寄せます。
※ 本事例は2021年6月時点の情報です
 

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