Salesforceは営業マンの仕事を楽にするためのツールではありません。 自社のお客様のため、経営のためのツールです。 お客様と案件に関する情報がすべて入っているので、そこを見るだけでビジネスを完結できます”

株式会社日本M&Aセンター 常務取締役 総合企画本部長 大山 敬義氏
 

“顧客情報は宝”をモットーに急成長
事業拡大で顧客管理体制が限界に

株式会社日本M&Aセンターは、その名の示す通り、企業間のM&Aを仲介するコンサルティング企業だ。1991年の創業以来、全国各地の中堅・中小企業を対象として3500件を超す友好的M&Aを支援してきた。同社の業績は順調に伸び、2006年10月に東証マザーズに、2007年12月には東証一部に上場。事業規模はその後も拡大を続け、今や年間のM&A成約件数は500件を超えるまでになっている。
常務取締役で総合企画本部長の大山敬義氏は、同社の手がけるM&Aを“結婚”になぞらえる。
「弊社が支援しているのは、ニュースで大々的に取り上げられる、どちらかが一方的に損をするような大企業間の敵対的買収ではありません。売り手と買い手、双方のお客様が互いに手を取り合って合意する“幸せな合併”を実現するために日々努力しています」(大山氏)
実際、両社の関係者が同席する合併の調印式は、結婚式さながらの和やかな雰囲気の漂う同社の専用ルームで催される。当然、そうしたM&Aの仲介業務において鍵を握るのは、結婚における仲人と同様、売り手と買い手の特徴や要望を熟知し、“相性”を探り当てることにある。それゆえ同社は創業以来、顧客情報を何よりも大切な“宝”として扱ってきた。
ところが、会社の急成長により、そんなビジネスの要である顧客情報を管理する体制が限界に達してしまったという。
「顧客情報が膨大になり、かつ社員数が100名を超えたあたりから、現状どんなお客様がいらっしゃって、それに対して各営業担当者が何をしているか、というビジネスの状況をまったく把握できなくなったのです」(大山氏)。
当時同社は、ExcelやAccessによる顧客管理体制から、フルスクラッチの顧客管理システムへ移行したばかり。しかし、ビジネス展開に合わせて機能を拡張しようにもコストがかかり、また現場の営業担当者にとって体感できるメリットも薄く、利用が進まない。そんな中でも顧客と社員は増え続ける。「その案件は現在どの段階か」「売り手がどんな買い手を望んでいるのか」「そもそも進行中の案件なのか」――そんな確認作業が社内のあちこちで交錯した。このままでは“宝の持ち腐れ”になってしまう。危機感を抱いた経営陣は、顧客情報や商談の進捗状況の一元管理を実現すべく、Salesforce導入によるシステム刷新を決断する。

 

“宝”である同社の顧客情報の中で、もっとも価値が高い反面、流動的であるため、徹底した管理が必要なのが、案件の進捗状況だ。そこで同社は、企画段階から成約後の報告に至るまで、案件に関するすべての情報を進捗状況に沿ってSales Cloudに登録。営業担当者の日報や訪問履歴、顧客の名刺、企業評価書、業界レポートなどはもちろん、顧客関連の新聞・雑誌記事まで紐づけした。また進捗状況については、「受託」「買い手候補が現れた」「交渉に入った」といったステージ別に細かく分類した。
その結果、顧客・案件の状況やビジネスの全体像を誰でも一目で把握できるようになった。ある案件が成立間近だと分かれば、他の営業担当者は別の案件に注力すればいい。社内SNSのChatterを使えば、容易に社内全体に確認を取れる。導入前に頻発していた営業活動の重複はほとんどなくなり、成約までに要する時間の劇的な短縮と成約率の向上を一挙に実現することができた。
「Salesforceにはお客様と案件に関する情報がすべて入っているので、最適なマッチングを効率的に行うことができ、お客様への提案から成約後のフォローまで、そこを見るだけでビジネスを完結できる。つまり弊社にとってSalesforceは、それ自体が“擬似的なマーケット”になっているわけです」(大山氏)
営業の行動履歴や案件の進捗などが可視化され、営業ノウハウやナレッジとして社内に蓄積されたことは、社員教育にも好影響を与えている。毎年50人以上入社する新人営業担当者のSalesforce上のプロファイルには、研修を受けた回数や顧客へのアポイントの回数などが一覧表示される。そのデータをもとに、上司や指導担当者は、適切なタイミングで新人社員に指示を出すことができる。また、成功事例や失敗事例を過去のデータから抽出し、参考にするのも容易だ。新人や若手社員にとっては、Salesforceに情報を入力して積極的に利用することが、自らのスキル向上につながるわけだ。
「あちこちに散らばって埋もれていた情報を1か所にまとめて可視化した途端、物事が非常にうまく回り出す。それは営業現場でも人材育成でもなんら変わりません。そしてその可視化は、Salesforceによってようやく実現されたのです」(大山氏)

 

Salesforceの運用は、半年のカスタマイズ期間を経て2014年1月に始まった。とはいえ、過去2回の顧客管理体制が定着しなかったこともあり、営業現場からは当初、懐疑的な目が向けられたという。大山氏は「『失敗したばかりなのにまた新しいものを入れて……』という雰囲気だった」と、当時の社内の様子を苦笑しながら振り返る。
どれほど優れたシステムを構築しても、現場に受け入れられなければ意味がない。Sales Cloudの運用を担当する営業支援部の課長、藤田舞氏は、営業担当者の成績やスキルの向上に直結する仕組みを提供し、メリットを実感させられるかどうかが、現場におけるシステム定着の鍵になると考えた。そこで藤田氏は、営業担当者によって入力された案件情報にもとづき、各案件がどんなステージにあるかをリアルタイムで表示するよう工夫した。
「たとえば『この案件を受託した』『買い手が決まった』といった肝になるステージ表示の変更だけを運用サイドで強制的に行うようにしました。それを見れば現場の営業は、どの案件でどう動けばいいかを即座に判断できる。それによって営業担当者がシステムの利便性を実感して信頼し、進んで情報を入力してくれるようになりました」(藤田氏)
同時に、現場の社員向けの啓発や勉強会を繰り返した結果、200人以上の社員が日々数百件の情報を入力するようになった。今では現場から、「こんな項目を作りたい」「こういうデータを集計するにはどんな方法があるか」といった問い合わせや提案が、藤田氏のもとへ次々に届く。「Salesforceのないビジネスなど想像できない」という声すら聞こえてくるという。
同社はマザーズ上場後、直近7年連続で増収増益を達成。経常利益は90億円を超える。2016年の売上高はマザーズ上場時の9倍に達した。その中でも2014年のSalesforce導入は、ビジネス拡大の起爆剤になった、と大山氏はいう。もはや同社におけるSalesforceの位置づけは、単なる営業管理システムにとどまらず、いわば“経営支援システム”と呼ぶべきものになっているのだ。
「経営陣がKPIをリアルタイムで正確に把握していれば、今必要なことだけでなく、将来を見すえて何をすべきか、という指針を的確に打ち出せます。Salesforce導入したことで、2手先3手先の経営戦略を描けるようになりました」(大山氏)
たとえば、売上目標を達成するには、年間250件の成約が必要だとする。そのためには、成約率50%として案件が年間500件、さらにその案件を創出するために買い手が1万件、売り手が5000件必要となる。Salesforce可視化されたそうしたKPIをもとに、経営陣は判断を下せばいい。
「KPIを可視化し、目標達成に必要な案件数や顧客数を常に維持していれば、毎年自動的にその数字をクリアできる。その意味で弊社の7年連続増収増益は、偶然ではなく、伸びるべくして伸びた結果だと考えています。
もちろんそのためには、“宝”である情報を正確に、迅速に扱わなければなりません。システムというのは、ゴミを入れたらゴミが出てくる。宝を入れたら宝が出てくる。当然のことだと思います」(大山氏)
人・情報・システムが三位一体となって、“宝(情報)”が“宝(利益)”を生む体制を構築した同社。2度の失敗を糧として成し遂げた同社のSales Cloud導入成功は、「まさに三度目の正直」(大山氏)だったといえるだろう。
 
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