大塚倉庫株式会社

 

法人向けECプラットフォームの
実現を目指しCommerce Cloud導入

IT化の進まない業界の変革を目指し
法人向けECプラットフォーム実現を決断

大塚倉庫株式会社(大阪府大阪市)は、大塚ホールディングスの主要事業会社で、大塚グループの医薬品・食品・飲料・日用品等の物流を一手に担う企業だ。もともと株式会社大塚製薬工場から運輸倉庫部門が分離される形で1961 年に設立された同社だが、近年ではグループ製品をベースに共通プラットフォームを構築し、外部メーカーの製品も幅広く取り扱うBtoBの共同物流を展開している。
同社はそのようなビジネス展開の中で、「ID倉庫」「トラック予約受付システム」など、倉庫・輸配送業務にITを積極的に取り入れ、業務の効率化やサービス品質の向上を実現してきた。代表取締役会長の大塚太郎氏は、業界の現状をこう分析する。
「物流業界における“テクノロジー化”には大きくふたつの領域があります。ひとつは、トラックの自動運転などの『モノを物理的に動かすこと』に関する領域で、それについては業界内の多くの人が興味を持っている。一方、もうひとつの領域である『情報をデジタル化して動かすこと』については、業界人の大半がほとんど関心を払ってきませんでした。
それを象徴するのが、受発注において、いまだに電話やFAX、伝票が主流であることです。もともとデジタルとして存在しているデータを、音声や紙というアナログのデータに変換してやり取りし、それをまた手入力でデジタルのデータに戻す。そういう極めて非効率的なことが、当たり前のやり方として横行してきました」(大塚氏)
これは物流業界だけに見られる現象ではない。特に製造業や建設業など、産業構造の確立されたBtoBの業界においても、しばしば同様の指摘がなされてきた。そしてこの問題が、コロナ禍を契機に各業界でにわかに顕在化してきているのだ。
「従業員が出社して電話やFAXを受けることすら満足にできない。そういう状況において、卸や顧客企業との取引を迅速に、効率的に行うためにはどうすればいいのか? 弊社の達した結論は、オンラインで受発注を完結できる法人向けのECプラットフォーム、いうなれば“BtoBコマースのAmazon化”を実現する、ということでした」(大塚氏)
 

選定の決め手は開発スピードとバックアップ体制
直感的に使えるサイト構成で顧客の利用を促進効率的な受発注業

その構想を実現するため、同社がCommerce Cloudを導入した理由は大きくふたつあった。テクノロジー本部受注センター長の石田美恵氏はいう。
「自社の業務に合わせて構築するオンプレミスという選択肢も検討しました。しかし、それだと長い準備期間が必要で、かつシステムが老朽化したらまたリプレイスしなければならない。コロナ禍で一刻も早くローンチしたい状況において、Salesforceの開発の速さと標準パッケージの充実ぶりは魅力的でした。実際、セールスフォース・ドットコムとその開発パートナー企業の仕事のスピード感はすばらしく、本格的な開発開始からわずか5か月で稼働までこぎつけることができました。
選定のもうひとつの理由は、セキュリティとバックアップ体制が万全であることです。医薬品を扱う大塚グループは、どんな状況でも事業を継続できる体制を整えておくことが求められます。Salesforceの場合、サーバーの保守に専任の担当者を置く必要がなく、世界ナンバーワンのクラウド環境で監視サービスやサポートを常時受けられるので、弊社のビジネスには最適だと判断しました」(石田氏)
2020年4月、新型コロナの第一波が押し寄せる中、Commerce Cloudによる大塚倉庫の「One Site Market Place」がスタートを切った。その第1フェーズは、メーカー向けのポータルの設置だ。数あるCommerce Cloudの機能の中からあえて最小限のものだけを実装し、顧客企業が従来の受注方法から移行しやすいサイト構成にした、と石田氏は話す。
「まずはお客様に、これまでの方法から新たな方法へスムーズに切り替えていただくことが大事だと考え、非常にシンプルで、どなたでも直感的に注文できる、まさにAmazonのようなサイトを目指しました。
その一方で、物流の受発注特有の利便性にも十分配慮しました。たとえば、発注単位の入力項目として、パレット(荷役台)単位で保管・配送できる数量をきちんと表示するなど、お客様にとってのわかりやすさ、使いやすさを実現できたと思います。第2フェーズではCommerce Cloudの豊富な機能を使い、さらにカスタマイズしていきます」(石田氏)

受発注効率化で年間1,500万円のコスト削減!
「Commerce Cloudは会社を伸ばすために不可欠」

メーカーや運送会社など、多忙を極める顧客企業にとって、長年慣れ親しんだ受発注の方法を変えるというハードルは決して低くない。しかし、新プラットフォームへの移行は順調に進んでいるようだ。
「本格稼働から2か月の時点で、移行を終えたお客様は全体の30%程度ですが、半年かけて100%にするのが目標ですから、進捗状況は良好です。また、お客様の発注作業にかかった時間を計測すると、最初ある程度長かったのがどんどん短くなり、ご利用回数も増えている。皆様普通に使ってくださっていて、当初の懸念は払拭されました」(石田氏)
数値的な効果は確実に出始めている。電話やFAXの受発注に要するコストは、年換算で約1,500 万円削減される見通しだ。さらに、顧客の移行が完了する予定の2021年度には約4,000 万円カットできる見込みだという。同時に、電話・FAXのデータを手入力する際にはミスが避けられないが、そのリスクが完全になくなったことも大きな前進だ。
また、5年ごとのリプレイスに約2,500万円かかっていた従来の受注システムのサーバーが不要になり、年間約500 万円のコスト削減につながった。
一方、顧客企業にとっても、利便性の向上以外に大きなメリットが生まれている。大塚倉庫側の受発注業務が大幅に効率化された結果、顧客からの注文の受付時刻のリミットが1 時間延長されたのだ。つまり、それだけ顧客側に時間的余裕が生まれ、リードタイムは短縮されたことになる。
「物流業界では近年、人手不足などの要因で、従来は基本だった翌日納品をやめ、翌々日納品に切り替える企業が増えました。リードタイムを長くすることで業務負荷を下げたわけです。逆にAmazonなどは、リードタイムをどんどん短くすることで競合をなぎ倒してきた。では、実際にモノをトラックで運ぶのにかかる時間はどうやっても変わらない以上、どこでリードタイムを短縮して他社と差をつけるかといえば、情報処理の時間しかない。だからこそ、コロナ禍によるスケジュール遅延もなく、リードタイムを1 時間短縮できたことは、弊社にとって非常に大きな進歩なのです。今後、もっともっと短くしていきたいですね」(大塚氏)
大塚氏は、東京支店管轄の全営業所の様子が映し出されたスクリーンを見ながらこう続けた。
「あそこで毎日、FAXの入力などの情報処理をしているたくさんの従業員が、Commerce Cloudによって全員別の部署へ異動になって、より生産性の高い仕事ができる状態まで早くもっていきたい。コスト削減や業務効率化は、あくまで一時的、一面的な効果。今後ビジネスを拡大していけば、人力で情報を処理するなど、ある段階で物理的に不可能になる。そしてそこがボトルネックとなって、会社の成長は止まってしまう。その意味でCommerce Cloudの導入は、大塚倉庫をよりよい会社へ伸ばしていくために不可欠な措置だったと考えています」(大塚氏)
※ 本事例は2020年11月時点の情報です
 

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