リョービMHIグラフィックテクノロジー株式会社

改革の成功体験をみんなで味わい、私たちが改革を成功させたモデルケースとしてグループに貢献したいと考えています”

リョービMHIグラフィックテクノロジー株式会社 代表取締役社長 広川 勝士氏
 

顧客サポート力も強みにしたい
オフセット印刷機メーカーのチャレンジ

“お客様サポート力”を強みにしたい

RMGTは、広島県府中市に本社を置くオフセット印刷機メーカーです。リョービ株式会社と三菱重工機械システム株式会社が両社の枚葉オフセット印刷機器事業を統合して2014 年に設立されました。「ともに、世界へ彩りを。」がコーポレートメッセージ。高品質かつ高付加価値なオフセット印刷機を幅広くラインアップしています。統合で製品ブランドを統一すると共に機械のデザインは一新しましたが、共に1943 年に設立された2 社のノウハウはいまへと引き継がれ、同社の高い技術を支えています。
メディアのWeb化、およびさまざまな分野のペーパーレス化の流れが全世界で加速する現在、オフセット印刷機市場は厳しい環境にあります。一方、ブランドの強化に取り組む企業は多く、印刷品質への要求は高まりを見せています。同社のコーポレートメッセージにある“彩り”は、まさにこの部分を充たす技術です。高度な表現力に加え、機械で行う工程の中に品質検査を行うシステムを内蔵するなど、顧客の高い要求にこたえられる技術を次々と導入し、RMGTブランドはこの市場で強力な存在感を放っています。
とはいえ、同社が製造・販売するのは、巨大なオフセット印刷機。コピー機やプリンタのように、各家庭に置くような機械ではありません。競合相手は多くありませんが、その数少ないプレイヤーが限られたターゲット顧客に食い込もうと虎視眈々と狙う市場なのです。これまでと同様の顧客アプローチを続けていては先がない、とだれもが理解していました。
同社 代表取締役社長 広川 勝士氏は、「営業担当者だけでなく、サポート担当者を含めてお客様と接するすべての社員が、より積極的にお客様とかかわり、関係を強化していく必要があります。さらに言えば、印刷の前後工程の機器やシステムを提供するパートナー企業様とも一緒にお客様をサポートできるような枠組みを作り上げたかったのです」と話します。「私たちの強みに“お客様サポート力”を加えられるような変革が必要でした」。

顧客情報の質と量をどちらも増やす

広川氏は、社長直下の営業戦略改革プロジェクトを立ち上げ、企画開発課 課長 山野 健作氏(現、戦略推進室 室長)をリーダーに任命。自社の現在とあるべき姿の検討を開始させました。「そんなときに、Salesforceのセミナー案内が届いたのです。ちょっと行ってきてくれないか、と山野に声をかけました」(広川氏)。
山野氏は、営業部門の課長を伴ってセミナーに参加し、2 人はSalesforceに好印象を持ったといいます。当時、顧客管理システムはすでに利用していましたが、その活用範囲は案件管理や営業担当者の行動管理レベルにすぎませんでした。一方、Salesforceは顧客を起点としてより幅広い世界を管理するだけでなく、可視化・分析をすることもできます。
山野氏は、「Salesforceを使うことも視野に、全社のあらゆる部門から中核を担う人材に集合してもらいました。プロジェクトが本格的に動き始め、大きな3つの方向性が決まりました。マーケティング=売れる仕組みの強化、新しい施策を立案して実行するマネジメントの強化、そして最も重要になる営業とサービスの意識改革です」と話します。
マーケティングおよびマネジメントの強化は顧客情報の質と量をどちらも増やすことで実現します。意識改革は質と量を増やすことを目指す行動変革です。そのために、「顧客と接する全員がマーケターとしての意識を持って行動し、案件に対応する」組織を作り上げなければなりません。「これまでは、訪問した記録を残すだけでした。お客様との接点には、次につながる重要なファクターが潜んでいるはず。営業、サービス、そして技術など、全員が迅速に情報を共有して全社でお客様に対応できる体制づくりを目指しました」(山野氏)。
そのためには、部分最適を図るツールではなく、統合プラットフォームが必要でした。構想が大きくなりすぎたため、システムを活用するにあたり、業界事情に通じ、リアルな現場での運用も理解したパートナーの協力も受けることも不可欠になります。同社にとって幸運だったのは、セールスフォース・ドットコムの営業担当者にコンサルティング経験があり、Salesforceのサクセスマップをうまくアレンジして同社に最適化した提案をしてくれたことでしょう。
大きな構想に基づくシステム導入では、開発スタイルがアジャイルであっても要件定義フェーズがキモになります。正式に契約を結ぶと、セールスフォース・ドットコムの担当者はプロジェクトメンバーとの合宿に参加するなど密にサポートしました。Salesforceはいろんな事ができるため、プロジェクトを進めると焦点がぼやけてしまうケースもあるのですが、そんなリスクのある要件定義フェーズの軸を支え、資料のブラッシュアップなどでも大きく貢献することができました。そうして、システムは半年をかけた構想フェーズ、および約1 年をかけた要件定義から導入、テスト稼働を経て、2020 年12 月に全面稼働を迎えました。
 

「優秀でやる気のある人を集めた」

Salesforceに蓄積する情報は、広範囲にわたります。ほぼすべての営業案件には、特別なカスタマイズ要求が入るのですが、それらの内容もすべてSalesforceで可視化します。たとえば、対応した技術部門が設置図面のPDFデータをSalesforceに登録するなど、ありとあらゆる情報はSalesforceで保持されます。顧客と機械の詳細がSalesforceで一覧できるようになったことで、個々の機械のカルテが完成しました。過去の修理履歴なども登録したため、サポート部門は詳細を完全に把握した上で顧客に対応できます。さらに、稼働後は問い合わせ履歴など細かな情報も登録できるようになりました。こうして、より詳細な情報を顧客サポートに生かすことができます。
「お客様から問い合わせいただく中には、電話やメールだけで解決できるような問題が発生しているケースもあります。これまでも可能な限りお客様に負担をかけない方法で対応してきましたが、これからは詳細な情報を事前に把握できるため、問題の原因を特定しやすくなります。営業とサービス、技術の連携もスムーズになりますから、より的確にサポートできますし、電話で済むケースも増えるはずです」(山野氏)
顧客にとって、サポートには費用がかかります。それだけでなく、機械の稼働時間が減少する損失もあります。電話対応だけで問題が解消すれば、サポート費用は最小化でき、機械をすぐに使い始めることができます。訪問サポートになったとしても、あらかじめ機械の状況を詳細に把握し、問い合わせ内容を共有する技術部門のバックアップを受けやすくなることで、初回解決率が高まることも期待できそうです。
現場の一部には、いまでも入力項目が増えたことへの抵抗感があるといいます。しかし、プロジェクトメンバーの士気は高く保てています。広川氏が「優秀でやる気のある人を集めた」と胸を張る人材は、フェーズの重要なポイントで檄を飛ばす広川氏の期待にこたえ、各部で自分の仕事をこなしながらプロジェクトにもコミットしてきました。現在は、彼らが部門内で旗振り役を務め、徐々に定着が進んでいるところです。

改革を成功させたモデルケースへ

広川氏は、「システムは稼働しましたが、私にとってはまだ導入フェーズです。成果が出てくるのはこれからで、経営会議におけるSalesforce利用も2021 年7 月にスタートしたばかり。レポートを使って資料作りを効率化するなど、皆に便利さを実感してもらいながら、より活用を深めていけるよう私自身も努力します」と話します。
海外営業部門と海外代理店との情報連携は2021年度中に予定されていて、今後レポートの活用が進めば、より多様な分析をできるTableauなどのBI利用も視野に入っています。マーケティング強化でのPardot活用では一斉メール配信でその効果を体感しており、さらなる活用を図っているところです。
広川氏は、「このプロジェクトは、リョービ本体からも注目されています。Salesforce活用による効果を社員が実感でき、改革の成功体験をみんなで味わい、私たちが改革を成功させたモデルケースとしてグループに貢献したいと考えています」と話してくれました。
※ 本事例は2021年7月時点の情報です
 
 

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