Sansan株式会社

 

Salesforceを基盤にヒトとデータをつなぐ
専門部署を新設しコミュニティーの可能性を追求

Sansan株式会社は、「出会いからイノベーションを生み出す」というミッションのもと、「ビジネスインフラになる」というビジョンを掲げ事業を展開しています。主なサービスとして、名刺管理から営業を強くする「Sansan」や名刺でつながる、ビジネスのためのSNS「Eight」、請求書受領から月次決算を加速する「Bill One」を提供しています。クラウド名刺管理サービスのSansanは7,000以上の企業・団体に導入され、この市場での国内シェアは83.5%に達しています。
同社は2011 年からSales Cloudを導入し、それ以来Salesforceを長年利用しています。Sansan独自の「The Model」を確立している話はすでに過去の事例でもご紹介していますが、実際に活用しているのはSales Cloudだけにとどまりません。他にも多岐にわたるSalesforceソリューションが活用されており、それらを連携した使い方も加速しているのです。
その1つがユーザーコミュニティーにおけるExperience Cloud(旧Community Cloud)の活用です。「当社ではユーザーとの長期的なリレーションを構築するため、ユーザー間での情報交換の場として『Sansan Innovation Community』を運営しています」と語るのは、Sansan 執行役員でビジネス統括本部 SB営業部 部長と同コミュニティ戦略室 室長を兼務する児玉 悠子 氏。オンラインコミュニティーである「Sansan User Forum」も2018年に立ち上げており、その登録者数はすでに4,000 名に達していると説明します。「以前はカスタマーサクセス部でこのコミュニティーを運営していました。その基盤として当初から使われてきたのがExperience Cloudです」。
Sansanのサービスは外部アプリ連携等の自由度が高く、顧客独自の活用方法も少なくないと児玉氏。このような知見はぜひとも、他のユーザーと共有していただきたいと言います。
 

専門チームとなるコミュニティ戦略室を新設
戦略的な運営見直しと新規施策を推進

「当社としてはオンラインコミュニティーのポテンシャルが、十分に生かされている状況ではまだないと認識しています。コミュニティーにはもっと大きな可能性があり、それを積極的に引き出すべきだと考えています」(児玉氏)。
そこでSansanが2021 年6 月に行ったのが、「コミュニティ戦略室」という専門組織の新設でした。児玉氏がその室長となり、カスタマーサクセスの一部としてではなく、チーム全体でコミュニティ運営に注力できる体制を作り上げたのです。
「私はこの部署の新設に伴いコミュニティー運営に参画することになりましたが、運営方法を戦略的に見直している最中です」と語るのは、Sansan コミュニティ戦略室 副室長を務める一方井 辰典 氏。具体的には、これまでSansanユーザー限定だったコミュニティー登録者をSansanが提供する他のソリューションにも拡大していくことでユーザーの幅を広げることや、共通する興味関心を持つ人々が集える「コミュニティグループ」の提供、オンラインでのミートアップとの相互連携などを計画・推進していると説明します。
これらはコミュニティをさらに活性化するための施策ですが、コミュニティーで得られた声を社内で広く共有するための取り組みも行われています。
「オンラインコミュニティーにはSansanへの機能要望が投稿されることも少なくありませんが、このような投稿を自動的にSlackと連携して、営業やカスタマーサクセスの担当者に通知する仕組みを作っています」と言うのは、Sansan コーポレートシステム部 Sales OperationsグループでSalesforceの活用推進を担う山元 弘美 氏。2021 年8 月からその運用を本格化しており、顧客が知らなかった機能の紹介やアップセルのきっかけにつなげようとしていると説明します。
「営業やカスタマーサクセスの活動と同様に、コミュニティ活動で得た情報はお客様と向き合うための大切な資産。それであれば他の部門との活動とも連携すべきです。Experience CloudはSales CloudやSlackとの連携も容易です。」(一方井氏)。

取り組みを加速する情報連携の仕組み
今後さらなるリレーション強化に注力

このような取り組みの一方で、Tableauの活用も本格化しています。Salesforceの中に数多く存在する膨大な情報をTableauによってノーコードで集約し、それらを多面的に活用できるViz( ダッシュボード)を、Tableau Viz Lightning Web Component(LWC)でSalesforceの中に埋め込む、という取り組みが進んでいるのです。
元々Sansanではオブジェクトに格納された情報を関係者に自動的に届ける仕組みをSlackとの連携で2020 年7月に実現しており、営業が受注した瞬間にカスタマーサクセス担当者に連絡が行き、即座にオンボーディングの支援が始められるようになっていました。「これまでSlackとの連携は営業やカスタマーサクセス部で活用されていましたが、通知できる情報には限りがありました。そこで、Salesforceの複数のオブジェクトに格納されている様々な情報をTableauに集約し埋め込むことで、オブジェクトを行き来することなく有機的に情報を可視化しています。」と山元氏。これによって、営業やインサイドセールス、カスタマーサクセスが顧客利用率や顧客企業の取引先責任者の情報を起点にした他のキーパーソンの情報などが確認できるようになったと言います。「基本的には、まずあらゆる情報をSalesforceに集約し、ここを基盤としてどのようにそれらの情報を活用してもらうのかを考えています」。
Tableauに集約された情報は、コミュニティ戦略室でも活用されています。データを可視化することで具体的な施策が立案しやすくなります。将来はコミュニティーで得られた情報のフィードバックも加わることで、会社全体としての気付きも増えていくのではないかと一方井氏は述べています。
「コミュニティ戦略室の活動はまだ始まったばかりであり、課題もたくさんありますが、Salesforceを基盤とした情報連携によって、解決のための土台ができつつあると感じています」と児玉氏。「これからもこの土台を強化してもらいながら、ユーザーとの長期的なリレーション構築に注力してまいりたいと考えています」。
※ 本事例は2021年9月時点の情報です
 
 

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