シュナイダーエレクトリック (日本)
“当社のビジョンを実現するには、事業の枠組みを超えた製品・サービスの組み合わせによる価値提供が必須。Salesforce は、われわれの活動を支える不可欠な基盤です”
強固なリーダーシップでグローバル CRM を統合 ビジネスの急成長を支える営業改革の原動力とは?
積極的な M&A 戦略の推進が新たな課題を生む
世界的な電機メーカーとして知られるシュナイダーエレクトリック。日本においても 1962 年の市場参入以来、国内企業との資本提携によって、ビジネスを拡大。積極的な M&A 戦略の展開により、2002 年から 2007 年の間に傘下の法人数が 336 社から 665 社に倍増。100 カ国以上に 200 を超える事業グループが乱立する状況となった。
そうしたなかで、さまざまな課題が浮上。シュナイダーエレクトリック(日本法人)代表取締役の松崎耕介氏は「お客様から『どの事業グループに相談すればいいのかがわからない』といった声が上がっていました」と振り返る。
そこで、同社では CEO の強固なリーダーシップのもと、抜本的な経営改革に着手。これまでグループ会社ごとに乱立していた IT 部門をグローバルで 1 つに統合。この新 IT 部門の主導のもと、グローバルでの CRM の統合を目指した。そして、 CRM ベンダー各社の提案を綿密に吟味した結果、同社が最終的に採用を決めたのがスピード導入できる Salesforce だった。
新 CRM 基盤がビジネスにもたらした 3 つのベネフィット
その後、同社では 2011 年春の北米への展開を皮切りに、各国拠点での CRM の活用を Salesforce 上へと集約。当初の予定通り 18 カ月間で全世界の 2 万 5000 人の営業担当者が統合化された CRM を活用するという環境を実現した。
日本においても 2012 年末から、グループ全 6 社での Salesforce の活用がスタート。松崎氏は、 Salesforce のベネフィットとして、次の 3 つをあげる。
まず 1 つ目が「営業効率の可視化」。営業担当者は日々の顧客訪問にかかわる情報の入力や閲覧をスマートフォン上でも行えるようになった。その結果、営業担当者は顧客との商談時間が増やせるようになり、 Salesforce 導入前における同時間の割合は 18.5 %だったが、導入後ではそれが 34.1 %へと大幅に増加している。
2 つ目は「ビジネスユニット間のコラボレーション」。今では、 Salesforce 上の情報が部門を超えてシームレスに共有化され、全員が閲覧できるようになっている。その結果、2012 年初頭比で 2015 年にはその金額が 1833 %になるという劇的な伸びを示すに至っている。
最後は「社内コミュニケーション」である。営業担当者が Salesforce 上で入力した顧客訪問情報などは、すべてリアルタイムに管理職とも共有化されるので、内容を確認した管理職が、ツール上でコメントやアドバイスなどのフィードバックを残すことも可能となった。
今後は、現状では Excel で対応している積算、見積、リピートセールス、さらには ERP で対応している受注、出荷、保守契約といった業務も含め、営業のライフサイクル全体でシームレスに Salesforce を活用できるような環境を整備していきたいとしている。同社の経営改革を牽引するツールとして、Salesforce にはますます大きな期待が寄せられている。