ノースカロライナ州ケーリーはTrailblazerです

明確なビジョンのある
コネクテッドシティ戦略を推進する
ノースカロライナ州ケーリー

 

最近ご覧になった技術革新に関するプレゼンを
思い出してください。

おそらく、「コネクテッドデバイス」といった専門用語や、「モノのインターネット(IoT)」などのキャッチフレーズを使って、将来のテクノロジーについて語っていたことでしょう。このようなテクノロジーは非常に未来的に感じられ、本当に実現するとは想像しがたいものです。しかし、まさに今、ケーリーではコミュニティ全体でこうしたテクノロジーが実現しつつあります。

ケーリーは、ノースカロライナ州ローリー・ダーラム地域に位置する、人口16万2,000人の町です。この町には、住民の希望の把握、公共サービスのデジタル化、行政全体の再構築において他の町をリードしてきた歴史があります。「私たちは、住民が起きた瞬間から寝る瞬間までを想像し、町と住民が触れあう可能性のあるすべてのタッチポイントがどこに存在し、より良い体験を提供するにはどうすれば良いか、住民の立場に立つにはどうすれば良いかを考えています」と、ケーリーのCIOであるニコル・レイモンド氏は述べています。

ケーリーの目標と課題は表裏一体です。

レイモンド氏の考え方には、町の目標が反映されています。それは、(1)非常に優れた環境を構築し、(2)コミュニティの繁栄を支える模範的なサービスを提供することにより、住民の生活を豊かにすることです。「つまり、何事も現状のままではいけないということです。必ず改善の余地はあります」とレイモンド氏は語ります。「また、ケーリーはハイテク地域にあるため、住民、つまりお客様がテクノロジーを利用することで負担を感じることなく連絡をとることができること、すなわち、行列して待ったり書類を提出したりする必要のない優れた行政サービスを思い描いていることを、私たちは理解していました。」

レイモンド氏と彼女のチームは、いち早くテクノロジーを利用していた人たちが行政以外とのコミュニケーションに何を使用していたかを調査し始めました。すると、注目すべきデータがいくつか浮かび上がってきました。

  1. テキストメッセージは、短期間のうちに、世界で最も多く使用されているデータサービスになりました*。消費者の89%は企業とのコミュニケーションにテキストメッセージを使用することを望んでおり、テキストはカスタマーサポートの手段として最も好まれています。**さらに、1日あたりのテキスト平均受信件数は、35~44歳の人で52件、45~54歳の人で33件でした。***ケーリーの人口の18%は55歳を超えており、平均年齢は40歳のため、コミュニティ全体でテキストメッセージがコミュニケーション手段として非常に馴染みやすく受け入れられやすいことが期待できました。

  2. パーソナルアシスタントデバイスの人気が急速に高まっていました。2万5,000以上のスキルが使用できるAmazon Echoはスマートスピーカー市場で72%のシェアを占めています。調査によると、最もよく使われているのは情報収集機能です。たとえば、「Alexa、ケーリーの中心街の今日の気温は?」というように使用します。そして、僅差で2位になったのが音楽再生機能です。このような方法で使用されている事実と、2020年末には米国家庭の75%がスマートスピーカーを所有しているという試算結果を併せると、スマートスピーカーはコミュニティへの情報配信方法として非常に効果的であると考えられます***。

  3. 従来のアプリケーションも、いまだに根強く利用されています。Googleのクラウドベースの交通状況監視アプリWazeには、1億人以上のユーザーがいます。「Wazeのようなアプリケーションは、住民が行政データ(この場合は道路の封鎖や工事に関する情報)にアクセスする方法として有益です。住民は先を見越して情報にもとづいた決断を下し、時間を節約することができ、交通の流れも改善されます」とレイモンド氏は述べています。  

「私はいつも、どうすればチームとしてこのようなトレンドを先取りすることができるかを模索しています」とレイモンド氏。「スマートシティを実現することはもちろん重要ですが、本当に大切なのは、住民同士のつながりを築くことと、住民が町のリソースにアクセスできるようにすることです。」

近未来のテクノロジーがケーリーの至るところで利用され始めています。

レイモンド氏と彼女のチームは組織全体でいくつかのクラウドベースのアプリケーションの試験運用を開始し、住民が完全に新しい方法で行政サービスを利用できるようにしました。

  • ケーリーはAlexaを最新のサポートセンターの係員として利用しています。「Field Service Lightningに搭載されているアプリを使用して、自宅から問い合わせをすることができます。たとえば、朝起きて、歩道のごみ箱が満杯のままであることに気付いたとします。そのような場合は、Alexaにごみ収集日を確認し、トラックを派遣して見落とされたごみ箱のごみを回収するようサービスリクエストを送ることができます」とレイモンド氏は言います。

 

ケーリーの事例を詳しく確認しましょう。

ニコル・レイモンド氏が、ケーリーのクラウド構想を支える戦略とその詳細、その他の計画中のユースケースについて詳しくご紹介します。
  • ケーリーはSalesforce IoT(モノのインターネット)を利用した最新のコネクテッドデバイスに着目しました。「ある日、ドッグパークに向かっているとき、あなたはWazeがいつもとは違う道にナビゲーションしていることに気付きました。初めは何とも思いませんでしたが、公園に着くと、いつもの道で信号が停止し交通渋滞が発生しているという話を耳にしました」とレイモンド氏は続けます。「ルートが変更されたとき、町では信号から交通局、警察、人々がもつ携帯電話に同時にアラートが発信され、その交差点の交通量を減らし、交通整理を行い、道を迂回できるよう、すべての人に向けた正確な情報が提供されていたのです。」

  • これらのテクノロジーはケーリーの基本的なインフラストラクチャと同じクラウドプラットフォームを使用しているため、ケーリーでは比較的容易に試験運用を開始することができました。信号からのアラートやAlexaからのリクエストは、Salesforce Service CloudのCase Management Systemに記録され、これによって従来のユースケースで収集されたデータをもとに作成されたプロファイルが強化されます。「ドッグパークに着いてからパスを忘れたことに気付いた場合、LiveMessageアプリでテキストを送れば、身元確認が行われ、遠隔操作でゲートの鍵を開けることができます。また、たとえば道路のくぼみについて携帯電話から問い合わせをする場合は、写真を添付できます。」

「ケーリーはコネクテッドコミュニティの構築を進めています。それは、人々のつながりを築くこと、そしてその手段としてテクノロジーを使用することを意味しています。 

 

5つのベストプラクティス

住民と行政をつなげる方法を一新したい自治体にとって、ケーリーは良い手本です。

未来的なコミュニティは、ケーリーの住民以外にもメリットをもたらします。

これらのアプリケーションはカスタマーサクセスを第一として設計されており、その結果として出来上がった機能はスタッフ側にとっても有用です。ケーリーでは、たくさんの住民とのタッチポイントについてより多くの情報を取得することで、適切な人員を、適切なタイミングで、適切な緊急性を持って派遣するために必要な背景情報をチームに提供しています。「道路のくぼみの例では、雨水の問題なのか、配管からの水漏れなのかを判断し、念のためあらゆる作業員をその場に行かせるのではなく、適切な現場員を派遣することができます」とレイモンド氏は言います。「書面で作業指示が行われていた従来のシステムとは異なり、現場に行く前にそのような情報を得ることができます。」

オフィス常駐のスタッフが使用する設備も充実しています。このプラットフォームでは、進捗状況や新情報部が署固有の規制ソフトウェアに分離して保存されるのではなく、組織全体のさまざまな仕事の流れが可視化されています。現在では、問題が解決されたのかどうか、ボトルネックは何か、何のエキスパートなら状況を改善することができるか、どの方法で住民と連絡を取るのがベストかなどについて、すべてのスタッフがより多くの情報を得ることができます。このプラットフォームによって前線からバックオフィスまで業務が合理化され、全職員がより適切な意思決定をすることができるようになりました。

「360度の住民視点を確立し、それを内部の業務に落とし込んでいます。これにより、既存のサービスを改良し、定量化可能なニーズにもとづいた新サービスを生み出すだけでなく、おそらく価値を生まないサービスを廃止することもできるでしょう」とレイモンド氏は語ります。「私たちはまだ業務目標の達成に向けて邁進している途中ですが、住民にとって可能な限りシームレスな方法でこれに取り組んでいます。」

 

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