見込売上速報の誤差 30 % → 2 %、解約率 30 %低下! ウェブ会議システム No.1 企業が Salesforce 導入に成功したワケ”

 

「これでは仕事にならない……」

テレビ会議・ウェブ会議システムの国内市場で7 年連続シェアナンバーワンを達成し、2013 年12 月には東証マザーズへの上場を果たした株式会社ブイキューブ(東京都目黒区)。その順調な歩みを陰日向になって支えているのが、Salesforce の導入・運用計画において中心的な役割を担い、現在もSalesforce を駆使して業務の改善に励み続ける「NEXT プロジェクト」のメンバーたちだ。その舵取り役を務める常務取締役営業本部長の森田繁氏をはじめ、同プロジェクトのメンバーへのインタビューを通し、中堅・中小企業におけるSalesforce 活用の秘訣を探ってみたい。

森田氏が社内のシステムの大幅な見直しの必要性を痛感したのは2011 年のこと。当時利用していたクラウド型ERP では、データの正確性の問題などにより、見積書の作成や請求書の発行などを手作業で行わなければならなかったばかりか、予算と実績とを比較して達成度を把握したり、営業担当者の行動を管理したりすることが困難だったからだ。「 当時、私はまだ入社して半年ほどだったのですが、そういう現状を目の当たりにして、これでは仕事にならないと思いました。しかも、システムの月額利用料も100 万円ぐらいと決して安くない。それで決心したんです。思い切ってシステムを入れ替えて業務を刷新するほかない、と」(森田氏)

 

 

新システム導入の明確な目的と計画を策定

「 せっかくシステムを一新するなら、プロジェクトチームを組織化して計画を十分に練り、メンバーと共感し合いながら進めたい。プロジェクトの大義をしっかり押さえて、業務全体の刷新を図りたい。そういう高尚な取り組みを試みました。場当たり的な目先の課題つぶしや『とりあえずやってみよう』という取り組み方では絶対に失敗すると考えたからです」(森田氏)

肚を決めた森田氏は、新システム導入プロジェクトに適任と思われる4 名の人材を各部署から配置転換させて「NEXT プロジェクト」を立ち上げ、導入計画の策定に取りかかる。そのときの森田氏の心中にあったのが、冒頭で掲げた、大義に即して行動するという強い思いだ。

「 営業の責任者として、新システムの導入によって現場を混乱させ、売上を落とすわけにはいかない。絶対に失敗できないので、まずは環境と枠組みをしっかり整えようと決めました。

それに、単に『がんばろう!』というだけでは、人はついてきてくれません。ましてやメンバーとは知り合ったばかりですから、コンセンサスを得るためにも、明確な目的と計画を目の前に置くところから始める必要があったのです」(森田氏)

プロジェクトの目的として森田氏が掲げたのは以下の3 点だ。

①リードの獲得から契約に至るまでの一連の営業プロセスにおいて、どのぐらいの見込み顧客がいるかを把握し、またどんな課題があるかを理解して共有する“パイプライン管理”を可能にすること。
②見積書の作成から請求書の発行までのデータを一元管理し、目的別の帳票作成を自動化すること。
③営業担当者の売上予測に対する実績を週次で管理・把握できるようにすること。

その上で、5 つのフェーズで構成される、システム導入から運用までのおおまかな流れを提示し、プロジェクト全体およびタスクごとの進捗を管理していく方針を打ち出した(次頁の図表参照)。

Salesforce導入~運用の流れ

Salesforceの導入から運用までの流れを、「SFA」「CRM」「CS」等の分野ごとに設定。この周到さが導入計画を成功へ導いた。

セールスフォース・ドットコム担当者の対応が選定の決め手に

森田氏によって選抜されたメンバーのひとりである営業本部の天坂匡希氏は、プロジェクト始動時の心境とその後の変化についてこう語る。

「今までに経験したことのないやり方で、しかも定義すべきデータや資料も多くて最初は戸惑いましたね。ただ、現状のシステムではもう立ち行かないという認識や、根本的なやり方から変えなければいけないという危機感はチーム内で共有されていましたし、計画に沿って実際にやってみるとすごくしっくりきて、どんどんうまく流れていきました」(天坂氏)

新システムの選定に際しても、森田氏は抜かりなかった。初期費用やサービスの適用領域、カスタマイズ性など、各社の製品の長所と短所をこと細かに挙げてリスト化したのだ。結果、選んだのがSalesforce だったわけだが、意外なことに、決め手となったのはリストに載っていない点だったという。

「 セールスフォース・ドットコムの営業担当者とシステムエンジニアの対応がとにかくよかったんですよ。『あなたがやりたいのは、つまりこういうことですよね?』とすべて的確に当ててくる。最終的にはそこにやられましたね」(森田氏)

見込売上速報の誤差30%→2%、解約率30%低下!

「 NEXT プロジェクト」の計画に沿い、システムをSalesforce に完全移行してから2 年3 カ月。同社では、あらゆる業務において目覚ましい成果が表れていた。まずは営業管理。案件情報入力の効率化と情報の可視化によって、導入当初の目的のひとつであったタイムリーで精度の高い予算実績管理が可能になった。その結果、導入前には30%を超えていた月末5 日前時点での月次の着地見込売上速報の誤差が、何と2%以内にまで低下したのだ。

また、営業に関する情報を一元管理することにより、販売データの分析の速度と正確性が大幅に向上し、より的確な販売促進施策を打ち出せるようになった。

一方、顧客管理面での効果も絶大だった。顧客へのヒアリングを実施し、利用状況等をSalesforce に入力してデータベース化。それに基づいて既存顧客に対するフォローとサポートを強化した結果、解約率が前年対比で約30%も低下したのである。

さらに、カスタマーサービスにおける好影響も見逃せない、と森田氏はいう。

「 実はSalesforce 導入前、お客様からお問い合わせをいただいても、回答までに時間がかかってしまったり、対応漏れが生じたりすることがたびたびあったんです。それが、お問い合わせからの経過時間や内容の緊急性などで各インシデントを色分けして区別したことによって、コールセンターおよび対応業務を引き継いだ部署の作業の進捗状況を、ダッシュボードで視覚的に把握できるようになりました。より速く、的確にお客様に対応できるようになりましたし、当然、顧客満足度の向上や解約の防止につながっているはずです」(森田氏)

社内の要望を次々に実現!

紙幅の都合で割愛するが、それらの成果は、同社においてこれまでに表れたもののほんの一部に過ぎない。「NEXT プロジェクト」のメンバー、営業本部の毛井康晴氏は、Salesforce の効果と、導入後の社内の変化に対して驚きを隠さない。

「使い慣れてくるに従って、『こんな機能を追加して欲しい』という社員からの依頼がどんどん増えていきました。実のところ以前は、そうした要望があっても、形にするまでに時間がかかってイメージが風化し、結局立ち消えてしまうことが多かったんです。ところがSalesforce なら、専属のプログラマーでなくても、依頼者と相談しながら極めて短時間で簡単に組み上げることができてしまう。要望が確実に実現され、成功体験を積み重ねられるからこそ、社内から新たな発想が次々に生み出されるようになったのだと思います」(毛井氏)

現在は、Salesforce による業務改善を永続的なものとすべく新設された運用チームのリーダー、営業本部の川本美絵子氏が中心となって、日々社内から寄せられる要望や依頼に対応している。同時に、最初に掲げた目的のひとつである営業のパイプライン管理、とりわけ営業担当者やマネージャーの主観に頼らない営業の進捗管理の強化に取り組んでいるという。

森田氏は、そうした現状に満足することなく、今後の展望について次のように語る。「まず、営業・カスタマーサポート・マーケティングの3 部門の連携を強化しつつ、各部門が必要とするデータの可視化を推進して、サービスの設計や開発における基礎データとして利用したいですね。それから、パートナー向けの情報サイトである『パートナーコミュニティサイト』の機能を拡張して、情報提供の基盤を整え、パートナーの営業進捗や課題の管理などに活用したいと考えています」(森田氏)

成功のカギは“周到な準備と前向きな姿勢”

同社におけるSalesforce 導入成功の要因が、事前の綿密な計画と組織作り、そしてそれらを牽引する森田氏の強力なリーダーシップにあったことは疑いない。導入前の周到な準備が、その後を決定づけたというわけだ。

だが、中堅・中小企業の社内リソースには限りがある。同社の「NEXTプロジェクト」のメンバーのように、通常業務と兼任して導入・運用に携わるのはなかなか難しいのではないか? そんな疑問に対し、森田氏はこう即答した。

「 確かに仕事量は増えたかもしれません。ですが、Salesforce の導入や運用というのは、会社の業務基盤に直結する作業なので、時間と労力を奪われているという感覚はまったくない。それに、業務をひとつひとつ改善できるというのが、一種のゲームのようで、やっぱりおもしろいんですよね」(森田氏)

Salesforce への理解を深め、使いこなす方法を考えることが、業務の改善に必ずつながると信じる。そういう前向きな姿勢こそが、導入を成功に導く最大の要素なのかもしれない。

 
 
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