シュナイダーエレクトリック(フランス)

我々のような企業にとって、これは革命です。”

CEO Jean-Pascal Tricoire 氏
 

持続可能な社会を目指し、世界中の社員、パートナーの連携を強化

インターネットを介してあらゆるものがつながる時代にありながら、世界では 20 億以上の人が、電力やその他の安定的エネルギー源のない生活を送っています。エネルギー制御、オートメーション技術の世界的リーダーであるシュナイダーエレクトリックは、エネルギーの利用をすべての人が手にすべき基本的人権であり、今日のエネルギー管理は持続可能ではないと考えています。

同社は、コネクテッドな環境を利用して、世界中の人々に安全、確実、効率的、そして持続的にエネルギーを届けることを理念に掲げています。電力とオートメーションのあり方を見直し、あらゆるレベルでイノベーションを積み重ねていくことで、「Life is On」を実現する、つながる技術を強化しています。※

シュナイダーエレクトリックの配電製品とエネルギー管理コンポーネントは、主要都市の建物の 40% - 60% に採用されており、ある企業の役員はこれを「世界最大の隠れブランド」と評しました。しかし、先に掲げた同社の理念を追い求め、高い目標を達成するためには、エネルギーのさらなる効率化と持続性向上を図る必要がありました。

この壮大なゴールへ向けて、同社はセールスフォース・ドットコムをはじめとするパートナーの協力のもと、多様なビジネスを推進しています。シュナイダーエレクトリックの IT チームは、Salesforce Salesforce Platform のアプリケーションを用いて、ビジネスの進め方と部門間の情報共有の方法を変えることで、世界各国の従業員とパートナーの連携を実現しました。

これにより、一貫性のあるシームレスなカスタマーエクスペリエンスを提供できるようになったのです。

急速な成長への対応を迫られる IT 部門

この 20 年間でシュナイダーエレクトリックは、経営努力または買収を通して急速な成長を遂げましたが、これにより CIO と IT チームは 2 つの課題に直面することになりました。まず、新たに買収した企業が持っているシステムを統合する必要があるわけですが、これは今後も起こり続ける問題です。2 つめは、移動が多く、モバイル機器を多用するスタッフが、どこからでも使えるソリューションを必要としていることでした。同社には、ネットワークを介してつながっている従業員が、世界中に 12 万人以上いるため、誰もがモバイルデバイスからシステムを使えるようにする必要がありました。

そこで、フロントオフィス業務を合理化、連携させるグローバルな取り組みに着手し、顧客対応の向上とクロスセルの拡大を図るために、全社的ネットワークの構築も開始しました。これを推進するには、膨大な数の従業員にすばやく展開できる、アジャイルな単一プラットフォームの導入が不可欠でした。

現在では経営幹部からパートナーまで、すべての人が Salesforce のモバイル技術を用いて、世界中で業務を行っています。「仕事中は 70% の時間を移動や出張先で過ごすため、移動先がそのまま仕事場になるのです」と会長兼 CEO の Jean-Pascal Tricoire 氏は語ります。「我々は全社を 1 つのチームとして運営しています。そしてそのチームは、Salesforce が提供する最新の情報活用ツールや分析機能によって、大いに強化されています」

世界中の従業員、顧客、サプライヤーをつなぐ単一プラットフォーム

多くの企業と同様にシュナイダーエレクトリックも、顧客関係管理システム(CRM)ソリューションの利用を機に Salesforce との長期的な取引をスタートさせました。そして、2010 年には「One Schneider」戦略の一環として、複数ベンダーのソリューションから、全社員が共有できる単一ソリューションへの切り替えに着手しました。当初の目標は、顧客情報を全方位から把握できる環境を各国の営業チームに提供し、分野や地域を超えたチーム間の協力を促すことでした。ところが、Salesforce の強みである、顧客データを管理する安全で信頼性の高いプラットフォームと、そのデータを活用するための多岐にわたるツールの存在が、社内システムの Salesforce への集約をさらに進める推進力となりました。

「Salesforce の導入前は、100 以上のシステムに顧客データが分散していました。現在、顧客プラットフォームは 1 つに集約されています」と CIO の Hervé Coureil 氏は述べています。

別の CRM ソリューションを使用していたときは、従業員が利用しようとしない点が課題でした。しかし Sales Cloud 導入後は、わずか 2 年足らずで世界 70 か国、3 万人の従業員が利用するようになり、世界中で営業およびサービスのパフォーマンスが向上しました。その後、同社は Service Cloud、Community Cloud、Salesforce Platform を導入。さらには、30 以上のアプリを AppExchange を通じて、Salesforce のエコシステムから導入しました。今日では 4 万 3,000 人を超える従業員が世界中で Salesforce を活用し、40 万のパートナーが Community Cloud で連携しています。

「当社のサービスは、Salesforce によって機能しています。顧客の課題発見から解決するまでの品質管理プロセスも、デジタルチャネルの管理も、Salesforce により成り立っています。また、各種製品との連携が進むにつれて発生する、パートナーの管理にも Salesforce が役立っています」と Tricoire 氏は語ります。

高い拡張性を持つ、Salesforce のクラウドベースのツールは、顧客情報のプラットフォームとして営業チームの情報収集を後押しし、効率性を高めています。たとえば Service Cloud なら、4,000 人のサービスエージェントが毎年 1,000 万件のケースを解決できます。

CMO の Chris Leong 氏は次のように振り返ります。「Salesforce によって、顧客管理の方法が根本的に変わり、当社を支える真の統一システムが確立できました」

Salesforce は顧客中心の従業員コラボレーションへ向けた同社の基盤となり、ソリューションおよびコネクテッド製品への注力を可能にしました。つい 2009 年までは収益のわずか 10% であったソリューション販売は、現在では 40% を占めるまでに成長しました。また、顧客満足度も飛躍的に向上しています。

顧客それぞれにあったサービスの提供と、顧客とのやり取りをすべて記録するという 2 つの原則を厳守することで、同社は 300 万社の顧客レコードと 1,000 万件のやり取りのリポジトリを構築しました。「我々はリポジトリをマイニングするアプリの開発を計画しています。これによって、コラボレーションのあり方が一変するでしょう」と Leong 氏は述べています。

インテリジェントデバイスが持続可能な世界を実現

シュナイダーエレクトリックは、ビジネスを推進する新たな動力として、データの活用を進めています。たとえば、あるビルで使われるエネルギーのうち、平均して 82% が非効率的に消費されている場合、改善の余地は非常に大きく、効率を飛躍的に高めるにはデータの活用が不可欠です。

Coureil 氏は次のように語っています。「当社はものごとの効率化を得意とするわけですが、それは業務プロセスであったり、または建物の効率化であったりします。これには、データを活用、分析して、意味のある情報やインテリジェンスに変換することが不可能です。我々は、プロセス重視の画一的なものの見方から、ユーザー中心の見方へと移りたかったのです」。ユーザー、つまり従業員、パートナー、顧客こそが、新たな視点を採り入れるうえでのカギでもあります。「シュナイダーエレクトリックは顧客ファーストの会社です。役員会は、顧客満足度およびロイヤリティを確認するところから始まります。お客様がすべての中心なのです」

Salesforce を導入したことで、シュナイダーエレクトリックは顧客のニーズをより的確に予測できるようになりました。製品情報を含むすべての顧客情報を組み合わせることで、新製品およびサービスの開発につながるインサイトを収集しています。「点と点をつなぎ、分断されたデータやプロセスを連携させたとき、初めて大きな効果が得られます」と Coureil 氏は述べています。

同氏の次の目標は、モノのインターネット(IoT)を活用して、世界中に広がるシュナイダーエレクトリックの膨大な数の機器をつなぎ、すべてのデータを統合することです。Coureil 氏はさらに語ります。「これまでも工場の現場や生産ラインで稼動している製品はインターネットにつながっていたので、IoT は特に新しいものではありません。しかし、クラウドによって IoT のレベルが格段に上がりました。コネクテッド製品の数やリーチできる範囲が、桁違いなのです。さらに、そこから生成されるデータをもとにした分析、人口知能、予測アルゴリズムもクラウドであればこそです」

シュナイダーエレクトリックでは、持続可能な世界を作るため、すべての従業員が情熱と使命を共有しています。「我々のような企業にとって、これは革命です。昔はエネルギーを供給することだけが仕事でした。今は省エネとエネルギーの共有を目指しています。建物の効率化にも取り組んでいます。機器の故障を未然に防ぐためのメンテナンスサービスも提供しています。問題の発生を防ぐことができるのです」と Tricoire 氏は語ります。「ここで働けば、自分の仕事が社会にとってどれほど有益であるかがわかるでしょう。コミュニティへの貢献を実感できるのです」

※『Life is On』は、2015年9月に発表したシュナイダーエレクトリックの新しいブランド戦略。

 

 

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