BIツールとは?ビジネスの意思決定を支援する活用方法とメリットを解説

 
最終更新日:2024.3.6
BIツールのBIとは「ビジネス・インテリジェンス(Business Intelligence)」の略称で、企業内のさまざまな部署が蓄積している情報を集め、分析・加工し、経営上の意思決定に役立てようという概念を指します。BIツールの仕組みから市場シェア、機能やメリットまでご紹介します。

BIツールとは

BIツールとは、企業がこれまで蓄積してきた様々な情報を分析・可視化することで、データに基づいた意思決定(データドリブン)を支援するツールです。

従来のBIツールは高価でレポートの自由度も低い、そのうえ、データアナリストやデータサイエンティストがいなければ使いこなすことができないものでした。しかし現在のBIツールは、高度な専門知識がなくても使い始めることが可能で、以前に比べて導入しやすい価格となっています。

売上予測や顧客の購買状況の確認、経営課題の発見など、使用者のポジションに応じた使い方もできるため、企業にとってBIツールは非常に有用な存在です。

代表的なBIツールにTableau(タブロー)があります。Tableauはガートナー社のマジック・クアドラントの分析およびBIプラットフォーム分野において9年連続で「リーダー」の評価を得ています。

 
 

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BIツールの仕組み

BIツールは、ExcelやCSVといったファイル、基幹系やクラウド、Webサービスといったサーバー上のデータベースに接続することで、必要なデータを抽出し、各担当者が見やすいように可視化させることができます。

通常、社内には複数のツールやデータベースが存在しており、それぞれのデータを相互利用するには、お互いのプラットフォームに合わせたデータ変換が必要となるケースもあります。しかし、BIツールがあれば、それらのデータを一箇所にまとめ、一元管理と統合的な活用が可能となります。

BIツールの市場とシェア状況

BIツールの認知度は上がってきてはいますが、まだ浸透していないと言えます。

マーケティング・リサーチ会社のクロス・マーケティングが2020年に行った調査によると「BIツールを知っている」と回答した人は17%でした。業種別では、システム系51.6%・IT系41.7%と非常に高く、最も低い業種は医療・福祉で0%となっており、業種によって大きな差があることがわかっています。

また、BIツールを認知している人の中での導入率は高く、自分で使っている・部署で導入しているが6割に及びました。

クロス・マーケティング「企業のデータ活用およびBIツール導入に関する実態調査」をもとに作成

BIツールについて説明した後、導入意向を確認したところ「非常に利用したい」「やや利用したい」が30.8%で、認知が進み、導入が進むことがわかっています。

日本ではまだ導入が進んでいないBIツールですが、今後一気に拡大されることが推測できます。

BIツールの役割や導入する目的

BIツールはデータに基づく経営戦略を実現するために不可欠で、膨大なデータから有用な情報を抽出し、迅速かつ正確な意思決定を支援します。ビジネスの効率化を図り、市場の複雑さに適応するための重要な手段として、経営戦略の策定やリスク削減に貢献。BIツールにより、従来の勘や経験に依存した方法から、データに基づく洞察へとシフトし、ビジネス環境の変化に柔軟に対応できます。

BIツールのメリット・デメリット

BIツールを導入するにあたって、まずはメリットとデメリットを把握しておきましょう。社内で導入を検討する際も、BIツールで何ができて、どのような負担があるのか明確にすることが、判断の基準になります。

BIツールのメリット

BIツールの代表的なメリットには、以下の5項目があります。

  • 効果的なマーケティング施策が可能になる
  • スピーディーな意思決定が可能になる
  • 幅広いデータソースを利用できる
  • データ分析が簡単になる
  • 拡張機能が豊富

BIツールを導入する大きな目的の1つは、膨大なデータから傾向や予測を導き出すことです。さまざまなデータソースが利用でき、データの蓄積量が多いほど精度も上がり、活用の幅も広がる仕組みになっています。

使い勝手の面でも、BIツールは優秀です。データ処理の時間が大幅に短縮されるので、素早い分析が可能になります。また優れたUIにより、データ分析を専門に行うアナリストでなくても、分析が可能になります。

 
 

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BIツールのデメリット

BIツールには数多くの機能が備わっていて、使い勝手の面でも優秀ですが、管理面やコスト面などで以下のような負担がかかる場合もあります。

  • 管理体制にリソースが必要
  • 継続的なコストがかかる
  • ツールによってはカスタマイズに制限がある

BIツールを導入すると、初期費用や月額費がかかります。さらに、BIツールの管理にコアメンバーが必要になり、その分の社内リソースの確保もしなければなりません。

そのほかにも、ツールによっては、接続できるデータソースや使用できるレポートに制限があり、自社に適合させたり、会社の成長に合わせた調整ができなかったりする場合もあります。

こうしたデメリットをなるべく減らすためにも、BIツール導入時には、自社に最適な規模・機能の製品を選ぶようにしましょう。

BIツールのおもな機能

BIツールが持つおもな機能は以下の4種類です。

1)レポーティング
2)OLAP分析(オンライン分析処理)
3)データマイニング
4)プランニング

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

1)レポーティング

レポーティングとは、常時更新される最新データを用いて、決められたレポートをリアルタイムで出力する機能です。おもなレポートの種類には以下があります。

  • 定型レポート:決まったフォーマットで定期的に作成されるレポート
  • アドホックレポート:特定の条件でデータを抽出し、作成されるレポート
  • ダッシュボード:つねにチェックが必要な数値を選択し、概要として表示されるレポート

レポーティング機能を利用すれば、大まかなデータの傾向を素早く把握できます。また、特定の数値が設定値を超えるとアラートを出すという機能を使えば、万が一の際にもすぐに動くことが可能になります。

2)OLAP分析(オンライン分析処理)

「OLAP」とは「Online Analytical Processing」の略で、BIツールに蓄積されたデータを多次元的に分析する機能です。代表的な分析方法には、以下があります。

  • ドリルダウン:階層構造を持ったデータを表層から掘り下げ、より詳細に分析していく手法
  • ダイシング:ある事象に対して、複数の角度から分析する手法。ダイス(サイコロ)を転がす様子になぞらえて呼ばれる
  • スライシング:複数の軸を持つ多次元的なデータに対して特定の2軸で切り口を与え、2次元の表にして解析を行う手法

3)データマイニング

データマイニングもBIツールの機能のひとつで、統計的な処理によってデータ間の関連性や傾向を探る手法です。まだ明らかになっていない関連性を探る作業を、山に眠る鉱石を探す探鉱(マイニング)になぞらえた言葉です。クロス分析、回帰分析、相関分析などの複雑な分析ができます。

4)プランニング

プランニングとは、データを用いた分析結果から将来予測を行う機能です。今後の計画策定や予算編成などに役立ちます。特定条件の変化によって将来予測を行う「what-if分析」や、グラフ・表による将来予測の可視化などが可能です。

BIツールの活用シーン

BIツールにはさまざまな活用方法がありますが、代表的な活用シーンとして以下の4項目があります。

  1. 売上増減の要因分析
  2. 顧客分析
  3. 販売分析
  4. 予実分析

いずれも基本的な分析手法ですが、BIツールを利用すれば、より詳細に短時間で行えます。

売上増減の要因分析

売上増減の要因分析とは、売上状況と環境要因の掛け合わせから、売上が増減した理由を導き出す分析手法です。たとえば、売り上げと天候性や、曜日・時間などの関連性の分析が行えます。過去のデータから増減要因を明らかにしておけば、条件ごとの売上予測が可能です。

顧客分析

顧客分析とは、自社の製品・サービスを、どのような顧客が求めているのか明らかにする分析です。例としては、最新購買日(Recency)や購買頻度(Frequency)、累計購買金額(Monetary)を指標に、顧客をグループ分けする「RFM分析」があります。

顧客層ごとのニーズが明確になれば、顧客層に合わせたアプローチ方法やリソースの分配などが検討できます。

販売分析

販売分析とは、商品の販売傾向と顧客の関係性を明らかにする手法です。たとえば、商品の売れ筋・死に筋を明らかにする「ABC分析」や、優良顧客の分布を明らかにする「エリア分析」、購入頻度が高い顧客の特性を割り出す「購入サイクル分析」などがあります。

予実分析

予実分析(予実管理)とは、経営管理の手法の1つで、計画に対してどれほどの結果が伴ったのかを比較します。これは中長期的な経営計画に重要で、仕入れ量や今後の経営戦略などにも活用できます。

分析結果は、特定部門に絞ることもでき、データ推移も確認できるため、スピーディーな経営計画の策定に効果的です。

BIツール導入の注意点

BIツールの導入は企業にとって多くのメリットをもたらしますが、ポイントを押さえておかないと失敗する可能性もあります。とくに、自社とのツールの相性は重要なポイントです。ここでは、BIツール導入に注意しておきたい3つのポイントを紹介します。

本当に必要かどうかを考える

BIツールを用いるほど、大量のデータを取りあつかっていないケース、あるいは、詳細な分析が必要ないケースは、BIツールで得られる効果よりも、コストやリソースが上回る可能性があります。BIツールが得意とするのは、大量のデータから傾向や予測を導き出すことです。まずは自社の経営戦略を鑑みて、BIツールが本当に必要か確認しましょう。

自社に合った製品を選ぶ

BIツールは、製品によってそれぞれ強みが違います。たとえば、レポート機能の見やすさに優れている、詳細な分析が可能、データマイニングに強いといったツールごとの特色があります。操作面に不安があるなら、手軽さを優先してもよいでしょう。特定業種に特化した製品を選ぶのも一つの手です。もちろん、自社のIT環境にマッチするかは必ずチェックしておきましょう。

使いやすさやカスタマイズ性も重要

会社内でBIツールを定着させるためには、ツールの使いやすさも重要です。多くのBIツールは、期間限定のデモ版を試用できます。必ず実施しておきましょう。また、BIツールは分析の柱となりうるツールなので、長く使い続けられることが理想です。自社に合わせたカスタマイズや将来的な機能拡張が可能か、ベンダー担当者に確認しておきましょう。

さまざまな業界の大手企業に選ばれるBIツール「Tableau」も、無料トライアルが可能です。自社環境構築の必要が無いクラウド型のため、すぐに導入も可能。世界中で使われているBIツールをお試しください。

 
 

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BIツールでスピーディーな経営判断を実現

社内のあちこちで管理されている情報をさらに活かすには、BIツールは有用です。しかし、導入することが目的になってしまっては本末転倒です。重要なのは、BIツールで分析した結果を経営判断に活かすことです。

自社に合ったツールを選び、データを有効活用して、スピーディーなデータドリブン経営を実現してください。

 

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