ローコードとは?システム開発の内製化を実現

投稿日:2022.6.10
近年、システムやアプリ開発の分野で、「ローコード」という手法が注目されています。従来のシステム開発とはまったく異なるこの手法を活用することで、さまざまなメリットが得られます。
ここでは、ローコードとは何か、注目されている理由やメリットのほか、注意すべきポイントを解説します。

ローコードとはコーディングを削減したシステム開発の手法

ローコードとは、「できるだけコードを書かずにシステムやアプリを開発する手法、あるいは環境」のことをいいます。
各種ソフトウェアは、用途に応じた機能を持たせるために、さまざまなプログラムを組み合わせて構築します。そのためには、多くのコードを書き上げるコーディングの作業が必要ですが、それには専門的な知識や技術が欠かせません。そこで、プログラムスキルを持ったエンジニアが必要とされるのです。
しかし、ローコードでは、高い専門性を持つエンジニアの手を借りなくても、システム開発が可能になります。

プログラミングスキルが高くなくても開発可能に

ローコード開発の環境では、さまざまな機能を持ったプログラムが、あらかじめコンポーネントとして用意されています。それを画面上でドラッグ&ドロップで組み合わせていき、必要なシステムやアプリを構築するのです。
直観的・視覚的に操作できますから、プログラミングスキルがさほど高くなくても開発できるという点が、ローコードの大きな特徴です。

ノーコードとはどう違う?

ローコードとよく似たものに、「ノーコード」があります。これは文字どおり、「コーディングを一切せずに、システムやアプリを開発する手法、あるいは環境」のことです。
プログラミングスキルを必要とするコーディングの作業が不要ですから、誰でも開発ができるということになります。しかし、ノーコードは、「ローコードの簡易版」というわけではありません。その用途が大きく異なるのです。

ノーコードはコーディングの余地がないため、機能のカスタマイズや拡張ができません。また、ほかのシステムとの連携がしにくいこともあり、基幹システムなどの大規模開発には向かない手法です。一方で、プログラムスキルが不要ですから、日常業務で使う小さなアプリケーションを作るのに向いた手法です。実務の担当者が自分の業務を効率化するため、ノーコードでアプリを作るといった使い方が、ノーコードの典型的な形のひとつといえます。

ローコードが注目されている理由

現在、ローコードはなぜ注目されているのでしょうか。いくつかの理由をご紹介します。

市場の変化に迅速に対応できる

あらゆるものがインターネットにつながり、SNSなどによって個人の発信力が高まっている現代では、個人のニーズも市場の動向も、目まぐるしい勢いで変化しています。こうした変化に企業が乗り遅れないためには、タイミングを逃さず、迅速に対応しなくてはなりません。
ローコードを活用すれば、システムやアプリの開発を内製化できますから、ターゲット層や市場が求めるサービスを、すばやく市場に投入できます。このスピードは、競合他社に対する大きなアドバンテージとなります。

エンジニアの不足

個人でも企業でも、ITなしでは成り立たない現代生活。その中で専門性の高いエンジニアの需要は高まり、すでにエンジニア不足が起こっています。そのため、十分なスキルを持つエンジニアの確保が難しく、しかも高いコストがかかるという状況も生まれています。
しかし、ローコード開発であれば、高度なプログラミングスキルは必要としません。基礎的な知識があれば開発を進めることができ、人材確保の問題をクリアできるのです。

DXへの対応

ここ数年、多くの企業がDX(デジタルトランスフォーメション)への対応を進めています。しかし、DXは単に「文書や手続きを電子化する」だけのものではありません。蓄積されたデータとデジタル技術を活用することで新たなサービスを生み出し、企業の活動や企業文化の変革にまで切り込んでいくものです。
当然ながら、業務のフロー全体を見直し、効率的な基幹システムを構築したり、それによって生産性を高めたりといった作業が欠かせません。もちろん、試行錯誤も必要でしょう。
このプロセスをスムーズに、かつ迅速に進めるためにも、システム開発の内製化が重要であり、ローコードの必要性が高まっているというわけです。

ローコード開発のメリット

従来、企業が使う基幹システムは、仕様の策定から開発、リリースまで、外部のエンジニアに依頼するのが一般的でした。システムをゼロから作り上げる、いわゆるフルスクラッチ開発です。フルスクラッチでは、自社の業務に完全にフィットするシステムを構築できますが、その反面、コストや納期などの課題を抱えています。それらの難点を解決してくれるのがローコードです。
続いては、フルスクラッチにはないローコードのメリットを紹介していきましょう。

短期間で開発でき、コストを圧縮できる

ローコード開発は、あらかじめコンポーネントとして用意された小さなプログラムを組み合わせ、システムやアプリを構築します。もちろん、作業にかかる前にどのような仕様にするか、きちんと策定しておく必要はありますが、コードを1から書き起こす必要がないため、作業工数を減らし、開発期間を大幅に短縮できます。
また、エンジニアの手を借りる部分が少なくて済みますから、人件費の削減にもつながり、開発全体のコストを圧縮することが可能です。必要なシステムを短期間で、しかも低コストで構築できるのは、ローコードが持つ大きなメリットです。

安定した品質が期待できる

フルスクラッチの場合、担当するエンジニアの知識や技術力によって、仕上がりに差が生まれる場合があります。しかし、ベンダーが用意したコンポーネントを組み合わせるローコードでは、そうした品質の差が入り込む余地がほとんどありません。そのため、エンジニアのスキルや経験に左右されない、安定した品質が期待できます。

また、開発ではセキュリティの確保が重要な課題となりますが、ローコードではすでにセキュリティ対策を施されたツールやプログラムを利用するため、セキュリティに関する作業負荷を軽くできるというメリットもあります。
さらに、コーディングの範囲が小さいため、ミスやエラーが入り込むリスクが小さく、バグの発生やその修正にかかる時間とコストが軽減されるというのもメリットだといえるでしょう。

業務フローの変化に対応しやすい

企業がDXを推進するプロセスでは、業務フローの改善や効率化が不可欠です。ですが、最初から完璧な移行を果たすのは難しく、ある程度の試行錯誤は避けられません。また、「フローを変えてみたけれど、これでは別の問題が起こる」と、機能や仕様の変更を迫られることもあるはずです。
そのような場合でもローコードなら、コーディングをやり直すことなく、仕様変更が可能です。また、日々開発される新技術をいち早く取り入れていくことで、機能の強化や拡張が容易にできます。

ローコードで注意すべきポイント

多くのメリットを持つローコードですが、注意すべきポイントもあります。ローコードを利用する場合には、下記でご紹介する特性を理解し、用途や目的に合わせて使うことが大切です。

できることには制約がある

ローコードはノーコードとは違い、コーディングの余地が残されているため、既存の機能を拡張して他システムと連携したり、機能そのものをカスタマイズしたりすることが可能です。とはいえ、フルスクラッチほどの自由度はありません。ですから、自社の業務スタイルやフローにジャストフィットさせることは、少々難しいと考えたほうがいいでしょう。
どのようなシステム、アプリが必要なのかを明確にしておき、それを構築する手段としてローコードが適しているかどうか、事前に精査しておくことが大切です。

ある程度のITスキルを持つ人材が必要

ローコードは、コーディングが一切不要というわけではありません。コンポーネントを組み合わせるだけでは欲しい機能を構築できない場合、コードを書いてプログラムの追加や修正を行わなければなりません。
DXを推進する上では、複数のシステムを連携させたり、自社の業務に合うようにシステムを構築・修正したりして、環境を整えていくことになります。そのためにローコード開発を利用するのであれば、ある程度のスキルを持つ人材を確保することが必要です。

開発の目的を明確にし、ローコードを利用しよう

ローコードは、システムの内製化を実現する、有用な手法です。しかし、内製化ばかりに目を奪われ、「何のために、どんなシステムを構築するのか」という本来の目的を見失ってしまうと、期待を裏切られることにもなりかねません。
まずは開発の目的を見定め、その目的に合致しているかどうかを精査した上で、ローコードを利用してみてください。そうすれば、期待に沿った成果を得られるはずです。
 

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